半導体(パワー半導体・EUV露光装置・製造装置)関連銘柄

半導体(次世代パワー半導体・EUV露光装置・製造装置)関連銘柄はまだ買いなのか?今後の見通しは?

半導体関連銘柄は2017年に盛り上がりをみせるも2018年は一転弱い相場となりましたが、ルネサスエレクトロニクス(6723)、東京エレクトロン(8035)、アドバンテスト(6857)、信越化学工業(4063)、ローム(6963)、SUMCO(3436)、東芝(6502)など、テーマ性として「半導体」「半導体製造装置」があげられる銘柄や、半導体に関連した電子部品や材料を取り扱う会社が2019年7月あたりから買われてだし、2020年以降、特に2022年は半導体不足も問題となりました。

半導体関連銘柄は21世紀最大のテーマと言われていたりしますが、今後の見通しはどうなのか、どこまで買いが続きそうなのか、買われてきている要因や背景などを踏まえ考察してみたいと思います。

半導体関連の出遅れ株を上手く狙い投資資金を大きく増やしたい人におすすめの情報源などについても記載しているので、ぜひ最後までご覧になってみて下さい。

半導体(パワー半導体・EUV半導体)とは?簡単に

そもそも半導体とは?

聞きなれた言葉で何となく頭の中に半導体のイメージはあるかと思いますが、半導体関連銘柄について書くに際し、簡単にまず“半導体(semiconductor)とは”について記載しておきたいと思います。

半導体とは何かについてWikipedia(ウィキペディア)で調べると、“電気伝導性の良い金属などの導体(良導体)と電気抵抗の大きい絶縁体(不導体)の中間的な抵抗率をもつ物質”とあります。

より簡単に分かりやすく半導体について言うと“電気を通す導体と通さない絶縁体の中間的な性質を備えた物質”って感じでしょうか。

電気を通す導体(良導体)と言えば「金」「銀」「銅」「アルミニウム」といった金属類、電気を通さない絶縁体(不導体)と言えば「ゴム」「紙」「テフロン」などが挙げられますが、半導体の代表的なものとしては元素半導体の「シリコン(Si)」「ゲルマニウム(Ge)」、化合物半導体の「ヒ化ガリウム(GaAs)」「リン化ガリウム(GaP)」「リン化インジウム(InP)」などがあります。

IC(半導体集積回路)の画像

上記画像のような黒く四角い足がたくさんある電子部品を思い浮かべる方が多いかと思いますが、「トランジスタ」「コンデンサ」「ダイオード」「抵抗」などを一つにまとめた集積回路を「IC(半導体集積回路)」と言い、半導体を用いた電子部品のことを半導体デバイスと呼びます。

現在では半導体を利用して開発したものを半導体と指すこともあるかと思いますが、半導体集積回路のような半導体素子は半導体の工学的な利用例となります。

ICは集積する素子の数(トランジスタ数)によって「SSI(小規模IC:100素子以下)」「MSI(中規模IC:100~1000素子)」「LSI(大規模IC:1000素子以上)」「VLSI(超大規模IC:100万素子以上)」「ULSI(超々大規模IC:1000万素子以上)」などと分類定義されてきてるかと思いますが、複数のLSIで構成していたシステム機能を一つのICに収めた「システムLSI」の実現などにより、様々な製品が高性能化、小型化してきています。

現在の主にコンピュータの演算機能を担う半導体チップ「マイクロプロセッサ(MPU)」は数千万個のトランジスタが組み込まれてますが、1946年にアメリカで発表された世界初の汎用コンピュータで史上最大の電子機械「ENIAC(エニアック)」は約18,000本の真空管が使われ、回路素数は合計約11万個で、総重量なんと約30トンでした。

ENIAC(エニアック)の画像

電子回路が真空管から半導体に代わったことで、約160㎡の部屋に収められていたようなものが高性能かつ手の平サイズとなった訳ですから、ほんと現在がこれだけ色々と便利な世の中となったのは半導体のおかげと言えるかもしれませんね。

半導体を用いた様々な電子部品「半導体デバイス」「半導体製品」があることから、複雑な印象を持たれたり分かりにくく感じることはあるかもしれませんが、“半導体は様々な製品に必要不可欠な物質”と認識しておけば良いのではないでしょうか。

パワー半導体とは?

半導体の中でも耳にする機会が増えた印象の「パワー半導体」って何?と思われる方もおられるかと思いますが、パワー半導体はその名称からイメージできる通り「高い電圧」「大きな電流」に対応できる半導体のことを言います。

電圧・電流の負荷が強まっても壊れにくいように、通常の半導体とは異なった構造となっており、主に“電圧・周波数を変えたり、直流・交流の電力変換”に使用されています。

具体的にはモーターを回すのにであったり、太陽電池で発電された電気を送電網に無駄なく送るのに使われていたりしますが、様々な電化製品・電気機器において安定した電源を供給する場面で用いられており、近年は特に省エネ化・省電力化の流れが強まり以前より需要が高まってきています。

パワー半導体の主な用途と使用例
用途 使用例
モーターを回す
  • 自動車用
  • 鉄道用
  • MV、SVGインバータ
  • NC・サーボ
電圧・周波数を変える
直流・交流の電力変換
  • 太陽光インバータ
  • 風力発電インバータ
  • 溶接機インバータ
安定した電源供給
  • 薄型TV
  • スイッチング電源
  • PC、サーバ
  • UPS
  • 鉄道の補助電源

※インバータとは:直流(または交流)から周波数の異なる交流を発生させる(逆変換する)電子回路や、その回路を持つ装置のこと。

CPU(マイコン)やLSI(メモリ)に用いられる半導体が「演算」や「記憶」などの働きをしているのに対し、パワー半導体は“電力(電源)の制御や安定供給を行う”って感じですかね。

「パワー半導体」に明確な定義はないようですが、一般的には“定格電流が1A以上のもの”とされていて、代表的なデバイスとしてはスイッチングを行う「サイリスタ」「パワートランジスタ」や、スイッチングを行わない「ダイオード」があります。

スマホへ自動運転車などへの需要があり、将来性の高い成長市場として注目されてきていますが、日本の企業だと「三菱電機(6503)」「東芝(6502)」「富士電機(6504)」「ルネサス エレクトロニクス(6723)」「ローム(6963)」などが存在感を放ってきている感じですかね。

自動運転車などで高速大容量通信が求められてきており、シリコン半導体は限界を迎え“化合物半導体によるパワー半導体の時代が来る”と言われてきていますが、化合物半導体の特許取得数は「富士通(6702)」がトップで、サムスン電子、TSMC(台湾に本拠を置く半導体製造ファウンドリ)に続き、「豊田合成(7282)」「住友電気工業(5802)」「住友化学(4005)」「古河電気工業(5801)」「ソニー(6758)」などの大手企業が名を連ねています。

マーケット調査会社の富士経済によるとパワー半導体の市場規模は2019年の2兆9141億円から、2030年には4兆2652億円に達するとみられています。

2021年5月31日、経済産業省が世界半導体大手のTSMC(台湾積体電路製造)が新たに設ける日本拠点に対し、5年間で190億円(総事業費の約半分)を拠出することを発表し話題となりましたが、関連銘柄はまだ中長期的な成長を期待されてきそうな感じですかね。

経済産業省の発表によると支援にはNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の基金が活用されるようで、「旭化成(3407)」「信越化学工業(4063)」といった素材メーカーや、半導体製造装置メーカー「芝浦メカトロニクス(6590)」「日立ハイテク」や、「イビデン(4062)」、「JSR(4185)」、「昭和電工マテリアルズ」、「新光電気工業(6967)」、「住友化学(4005)」、「積水化学工業(4204)」、「東京応化工業(4186)」、「長瀬産業(8012)」、「日東電工(6988)」、「日本電気硝子(5214)」、「富士フイルム(4901)」、「三井化学(4183)」、「キーエンス(6861)」、「島津製作所(7701)」、「昭和電工(4004)」、「ディスコ(6146)」、「東レエンジニアリング」などの国内大手企業が参画し、共同で先端半導体の研究開発が行われるようです。

EUV(極端紫外線)露光装置とは?

2021年7月6日付で日本経済新聞に『次世代技術の「EUV」、半導体製造装置の競争促す』という記事が掲載となっていますが、半導体関連銘柄の中でも「次世代半導体製造技術EUV(極端紫外線)」に絡んだ銘柄が注目されてきています。

半導体はその回路の線幅を微細にするほど性能が高まるものですが、2021年7月現在の最先端5ナノメートルほどとなる細い回路をシリコンウエハーに転写するのに欠かせないとされているのがEUV(極端紫外線)を用いた露光装置です。

簡単に言うと最先端の半導体を量産するのに必要となってくるのが「EUV(極端紫外線)露光装置」って感じですかね。

EUV(極端紫外線)方式を世界で唯一量産しているオランダの半導体製造装置メーカー「ASML」が出荷を増やしたことで、塗布や光源などの周辺装置を巻き込んだ開発競争が繰り広げられてきています。

EUV(極端紫外線)露光装置関連として注目されてきている銘柄一覧

  • 8035 東京エレクトロン
  • 6920 レーザーテック
  • 4901 富士フイルムホールディングス
  • 4187 大阪有機化学工業
  • 6590 芝浦メカトロニクス
  • 6925 ウシオ電機
  • 6301 コマツ

EUV(極端紫外線)露光装置関連銘柄をざっと挙げてみましたが、「東京エレクトロン(8035)」は2021年3月期に過去最大となる1,350億円を研究開発費を投じるようで、EUVの普及段階で先行優位を固めようとしているようです。

年6兆円を超える半導体製造装置市場にて世代交代が今後更に進んでいく格好かと思いますが、「レーザーテック(6920)」はEUV対応の検査装置を手掛け、2019年7月から2020年3月期の受注高は前年同期比2.2倍の658億円へと増加し、通期の受注も3分の2がEUV関連となる見通しのようです。

「コマツ(6301)」は子会社でレーザー光源を生産している「ギガフォトン」がEUV登場前に露光装置用の光源で2強(競合はASMLが買収)の一角を占めており、ASMLがEUVの次世代装置を投入する2022年までに高出力の光源部品を開発しシェア奪回を目指す目論見のようです。

半導体製品の種類と使い道

半導体デバイスの種類の画像

半導体デバイスの種類(出典)https://toshiba.semicon-storage.com/jp/design-support/e-learning/discrete/chap1/chap1-7.html

半導体は“産業のコメ”と例えられたりしていますが、半導体は産業応用の需要が豊富であることから、半導体製品の種類もその使い道も様々です。

条件を満たすことで電気を通し、満たしていないときは電気を通さないという半導体の特徴を考えれば、PC(パソコン)やスマホ(携帯電話)や液晶テレビなどのデジタル家電や、冷蔵庫、洗濯機などの白物家電に利用されていることはイメージしやすいかと思いますが、自動車・電車の運行システムや、銀行・証券会社の業務、電気・ガス・水道などの社会インフラ制御に至るまで、半導体は広範囲にわたり使用されています。

半導体製品「IC(集積回路)」の歴史や使い道など

ジェフリー・ダマーの画像

IC(集積回路)は英国国防省の王立レーダー施設で働いていた科学者「ジェフリー・ダマー(Geoffrey Dummer)」が考案し、1952年5月7日にワシントンD.C.でそのアイデアを公表したのが始まりのようですが、集積回路の著名な特許には「キルビー特許」や「ノイス特許(プレーナー特許)」があり、「ジャック・キルビー(Jack St. Clair Kilby)」と「ロバート・ノイス(Robert Norton Noyce)」は後に2人とも国民栄誉賞を受賞し、同時に全米発明家の栄誉の殿堂入りをしています。

全米発明家の栄誉の殿堂入りはアップル社創設者の「スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)」や、世界に先駆けて実用レベルの高輝度青色発光ダイオードを発明・開発し2014年にノーベル物理学賞を受賞した「中村修二」なども選ばれてますが、ほんと現代の経済的進歩があるのは偉大な技術的進歩を担った人々の存在があってこそですね。

現在、IC(集積回路)はコンピュータやデジタル機器を支える主要な技術の一つとなってますが、集積回路技術の進歩の一例として「固体撮像素子」があり、固体撮像素子として「CCDイメージセンサ」や「CMOSイメージセンサ」が作られたりと、IC(集積回路)と言っても分類は幅広く、電源を切ってもデータが消えない不揮発性の半導体メモリ「NAND型フラッシュメモリ」や「NOR型フラッシュメモリ」はメモリICと呼ばれるもので、データの記憶用途に特化したICのことです。

「CMOSイメージセンサ」はスマホ等のカメラに使用されてますが、“2023年までは毎年、過去最高の売上高と出荷個数を更新していく”との予測を市場調査会社の米IC Insightsが発表しており、2020年の同市場は161億ドル、出荷個数は66億個に達するとされ、2023年には213億ドル、95億個規模に到達するとされています。

なので半導体市場全体の中でも、堅調な成長が予想されるCMOSイメージセンサを取り扱っている企業には2021年以降も注目したいところではないでしょうか。

CMOSイメージセンサー(画像センサー)関連銘柄

  • 6758 ソニー
  • 6702 富士通
  • 6752 パナソニック
  • 6753 シャープ
  • 6771 池上通信機(
  • 6965 浜松ホトニクス
  • 7725 インターアクション
  • 7751 キヤノン

ソニー(6758)が2019年10月30日、CMOSイメージセンサー事業の好調を受け、長崎県の工場内に新棟を建設することを発表しましたが、「iPhone11 Pro」 「iPhone 12 mini」 「iPhone 12」 「iPhone 12 Pro」 「iPhone 12 Pro Max」とカメラの多眼化が続いてますし、自動運転技術に人の目レベルの技術が求められるとすると、車載用に適したイメージセンサーも需要を大きく伸ばしてきそうですね。

6758 ソニーのチャート

ソニー(6758)は2019年4月あたりからトレンドが再び上向き堅調に株価を上げてきていますが、イメージング&センシング・ソリューション事業(半導体事業)に注力してきており、2021年も半導体関連銘柄として物色が続くかもしれませんね。

センサーはIoT化に伴う需要も多そうなので、プラス成長を見込めそうな企業をしっかりと把握し投資していきたいですね。

その他、マイクロコントローラ(マイコン)についてや、ロジックIC、アナログICなど、それぞれ解説していてはキリがないので割愛しますが、IC(集積回路)と言えば「ICチップ」や「ICカード」などが良く耳にしたり目にする言葉ではないでしょうか。

JR東日本で「Suica(スイカ)」が使われるようになり、毎回切符を購入する必要がなくなり電車の乗り降りがだいぶスムーズになりましたが、電子マネーが普及し、キャッシュレス決済が日本でも浸透していってる印象ですね。

ICカード関連銘柄

  • 7862 トッパン・フォームズ
  • 6501 日立製作所
  • 9613 NTTデータ
  • 7855 カーディナル
  • 6758 ソニー
  • 7314 小田原機器
  • 7911 凸版印刷
  • 9913 日邦産業

賽銭にキャッシュレス決済を用いる神社や寺が増えてきているのはちょっとどうなんだろうという気もしますが、キャッシュレス化は国が推進してきており、国策テーマと言えるので、関連性がある銘柄には2021年も注目ではないでしょうか。

半導体製品「センサー」はAI(人工知能)の適用で高度化期待

半導体を用いた製品は、製造技術が進歩し小型化、高性能化が進み、多くの種類が生まれてきていますが、例えばエアコンで部屋を暖かくしたり寒くしたり、炊飯器でご飯を美味しく炊くために使われている温度センサーの「センサー(Sensor)」も半導体で出来ています。

センサーは熱的・物理的・化学的・電磁気的・音響的性質を電気信号やデータに変換して出力する装置(デバイス)で、現代社会のあらゆる産業で活用されてますが、宇宙・ロボットなどのハイテク領域において普及が進んできています。

センサー関連銘柄

  • 4425 Kudan
  • 6640 第一精工
  • 6721 ウインテスト
  • 6707 サンケン電気
  • 6963 ローム
  • 6387 サムコ
  • 6965 ホトニクス
  • 6962 大真空
  • 3040 ソリトンシステムズ
  • 6914 オプテックスグループ
  • 6929 日本セラミック
  • 6981 村田製作所
  • 6834 精工技研
  • 6977 日本抵抗器製作所
  • 6618 大泉製作所
  • 6902 デンソー
  • 6626 SEMTEC
  • 6957 芝浦電子
  • 7715 長野計器
  • 6861 キーエンス

IoTを活用したソリューションや、自動運転を構築していく上で重要な役割を担っているセンサーですが、AI(人工知能)にもセンシング(センサを利用し計測・判別すること)は欠かせないとされています。

センサーが賢さを極めれば、様々な産業がより自動化・効率化していきそうですが、センサー、AI(人工知能)、ロボットなどが組み合わさることにより今ある技術はより高度化していきそうですね。

2023年の半導体需要は?今後の見通し

今後、次世代通信規格(5G)化、身の周りのあらゆるモノがインタネットに繋がるIoT化、人工知能(AI)による技術革新、自動運転化が進み、デジタルデータ量は更に増大し、ビッグデータを記憶するサーバーがより必要になってきたりするかと思いますが、超データ化社会となっていく上で半導体は大幅な需要増が見込まれてきています。

2017年末から1年以上にわたり半導体関連株が大きく下げたのは、米中ハイテク戦争の影響を受け中国での需要鈍化が鮮明となった流れがあったかと思いますが、これまでインターネットの普及やフラッシュメモリ(データセンターやスマホの記憶媒体に使用される半導体)の需給増に伴い半導体市場が潤いをみせたように、また需要増が予想される流れを受け、今後のブームを織り込む動きをみせてきているって感じですかね。

2019年は米中貿易戦争への懸念や日韓貿易問題など、政治的な要素が大きく影響した半導体市場ですが、2020年あたりからは5Gの本格的な普及やデータセンターへの投資の回復、次世代ゲーム機の登場といった要素が追い風となり回復基調が予想される流れとなりました。

半導体市場調査会社であるアメリカのIC Insights(ICインサイツ社)が2019年末に発行したレポート「Global Wafer Capacity(世界ウェハ生産能力)2020-2024」では、“2019年の年間生産量能力は前年と比べて720万枚増だが、2020年は前年比1790万枚増加”と予想されており、“2021年もさらに同2080万枚が増加する”とされています。

しかし実際は2021~2022年に過去最高額を更新する勢いで成長を遂げた半導体市場にも、マイナスの影響を及ぼしています。データの記憶保持の役割を担う半導体回路装置、すなわちメモリー半導体に対する世界的な需要の減速は、同分野の主要メーカーに対し、業績見通しの下方修正や投資計画の見直しを迫られる一方で、電気自動車(EV)をはじめとする車載向けやデータセンター向けに利用されるパワー半導体などの分野では、旺盛な需要が継続しており、市場の二極化が進んでいます。

WSTS(世界半導体市場統計)が2022年11月末に発表した『2022年秋季半導体市場予測』によると、同年の世界の半導体市場は前年比4.4%増と、前年の伸び(26.2%増)から大幅に減速。2023年については4.1%減と、4年ぶりのマイナス成長を見込んでいます。

半導体関連銘柄の日本の大手主力株(本命)一覧

次世代通信規格(5G)化、IoT化、人工知能(AI)化、自動運転化など、豊富な半導体需要が見込まれていることから半導体関連銘柄が物色されてきてますが、「半導体」に関連したテーマ性と言っても「半導体製造装置関連銘柄」「半導体部材・部品関連銘柄」「パワー半導体関連銘柄」「CMOSセンサー関連銘柄」「DRAM関連銘柄」「システムLSI関連銘柄」「NANA型フラッシュメモリ関連銘柄」「CCD関連銘柄」「クリーンルーム関連銘柄」「MRAM関連銘柄」「ファウンドリー関連銘柄」など色々あります。

半導体関連銘柄の本命は?となると、日本の大手上場企業があげられるかと思いますが、今後しっかりと業績を伸ばしてきそうか事業内容や決算内容などに目を通し、次世代通信規格(5G)や、IoT、人工知能(AI)、自動運転などに絡んだ銘柄に注目するようにしたいですね。

半導体・パワー半導体関連銘柄 ルネサスエレクトロニクス(6723)

6723 ルネサスエレクトロニクスのチャート

ルネサスエレクトロニクス(6723)は日立製造所と三菱電機の半導体部門が統合した旧ルネサステクノロジと旧NECエレクトロニクスが合併して2010年に発足した半導体大手メーカーで車載マイコンでは世界トップ級。

2016年9月、パワー半導体などに強い米半導体メーカー「インターシル」を3000億円超で完全子会社化。

2018年9月、「補完性が高い製品獲得によるソリューション提供力の強化」「事業成長機会の拡大」を狙いとして、約7300億円でIDT(Integrated Device Technology)を買収することを発表。

2020年1月6日、買収したIDTの米国内での統合が完了し、同月1日付でルネサス エレクトロニクス・アメリカ(Renesas Electronics America)として運営を開始したことを発表。

自動車の電装化が進む中、自動車業界の技術革新トレンドである「CASE」に絡む収益機会の高まりも期待されています。

※CASEとは、Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(カーシェアリング&サービス)、Electric(電気自動車)の頭文字をとった造語。

半導体製造装置・EUV(極端紫外線)露光装置関連銘柄 東京エレクトロン(8035)

2022年通期の連結売上収益(売上高)non-GAAPベースは1兆5027億円と、前年比51.1%増。過去最高の売上高となっており、翌3月3日にはTata Consultancy Servicesと共同で、インド2カ所に開発拠点を設立したと発表。開発拠点では、RF、デジタル、ミックスドシグナル半導体の設計と関連ソフトウェアの開発を実施するとしています。

2023年4月からは新たに日経平均株価の構成銘柄に採用されています。

8035 東京エレクトロンのチャート

東京エレクトロン(8035)は会社HPに“スマートフォンやタブレット、自動車、航空機、産業機械などの基幹部品である半導体。その生産を担う半導体製造装置の開発、製造を通じて、エレクトロニクス機器の普及に貢献しています。”とあります。

同社は半導体製造装置で世界的シェアを誇っていて、FPD製造装置も強みの会社。

セグメントは①半導体製造装置、②FPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置、③その他となっており、業績は減益傾向にあるが、自己資本率は67.9%と高い。(2020年3月第2四半期時点)。

参画しているエレクトロニクス産業においては、データセンター向け設備投資やスマートフォン需要は一時的な調整局面にあるものの、将来に向けては、次世代通信規格(5G)に加え、IoTや人工知能(AI)等の需要増を背景にしたメモリ向け設備投資の再拡大が期待できるなど、半導体製造装置市場は今後徐々に回復し、成長基調に転じると見込んでいる。

8年連続で研究開発費を増額。23年3月期は前期比約20%増の1900億円と過去最高となっていますが、今後5年で、研究開発費は1兆円超を投じるとしており、次世代半導体の回路を形成するのに必要なパターニング技術や装置の開発を手掛ける半導体製造装置を開発する新棟建設を約470億円を投じて2023年春に着工し、2025年春ごろの竣工を予定しています。

半導体試験装置関連銘柄 アドバンテスト(6857)

6857 アドバンテストのチャート

アドバンテスト(6857)は半導体試験装置の世界大手メーカーであり、DRAM用はトップシェアを誇っている会社。

※DRAM(Dynamic Random Access Memory)とは、コンピュータなどに使用される半導体メモリによるRAMの1種。半導体を使用した記憶素子のひとつ。

2020年3月期の連結業績予想は減益見通しとなっているが、5G関連半導体など先端プロセス品の生産が拡大したことで、SOCテストシステムの需要が増加している。

しかしながら、大手半導体メーカー各社の5G関連テスタ投資が急拡大してきていることから、この領域においては短期的な反動が生じる可能性を見込んでいる。

一方で、低調が続いていたメモリ・テスタ需要は、DRAMの高速化・信頼性の高度化を背景とし、下期に持ち直す兆しがみられている。

2023年3月期第3四半期累計(4~12月)の連結決算は、売上高が前年同期比37.6%増の4127億9900万円、最終利益が同63.9%増の998億600万円と、大幅な増収増益。

EUV露光装置が用いられるようになり、回路が一層複雑な半導体が量産される流れとなれば、同社へのテスト需要はより拡大してくることが見込まれるのではないでしょうか。

半導体シリコン(シリコンウエハー)関連銘柄 信越化学工業(4063)

4063 信越化学工業のチャート

信越化学工業(4063)は塩ビ・半導体シリコン(シリコンウエハー)で世界トップシェアを誇っている会社。

シリコンウエハーは半導体の基板となる素材であり、スマホ、PC(パソコン)、デジタル家電、自動車等、身の回りの数多くの製品に使われてますが、今後も自動運転車、AI(人工知能)、ロボット等、次世代技術を活用した生活を創出する上で欠かせない材料である。

マスクブランクスは顧客企業(おそらくTSMC)からの要請を受けEUV用も開発していて、フォトレジストでは世界3位のシェア(17%)を持っています。

こちらも半導体関連銘柄の1つとして頭にしっかりと入れておきたい銘柄ではないでしょうか。

パワー半導体・システムLSI関連銘柄 ローム(6963)

6963 ロームのチャート

ローム(6963)は2008年に沖電気工業の半導体部門を855億円で買収。

カスタムLSIでトップシェアを誇り、半導体素子、抵抗器などに強みのある会社です。

2020年3月期の連結業績予想は減益見通しとなっているが、自己資本率が89.6%と高い(2019年10月31日現在)。

中長期的に成長が期待される自動車関連市場や、産業機器関連市場などへの製品ラインナップの強化を進めると共に、LSIを中心に顧客への技術サポート強化のための組織再編や新製品開発効率の改善に向けたリソース配分の見直しを進めてきている。

また、次世代材料「炭化ケイ素(SiC)」を使ったパワー半導体の増産に乗り出してきている。

【※追記】2021年5月10日に発表となった「2021年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)」では経常利益が前年同期比13.7%増の406.72億円に伸び、2022年3月期も前期比18%増の480億円に伸びる見通しとなっています。

シリコンウエハー(半導体部材・部品)関連銘柄 SUMCO(3436)

3436 SUMCOのチャート

SUMCO(3436)は三菱・住友系のシリコンウエハー大手。

半導体用で世界級を誇り大口径ウエハーに強みがある会社。

2019年12月期の連結業績予想は減益見通しとなっているが、自己資本率は51.8%ほど(2019年11月6日現在)。

5G端末では4Gに比べ半導体が2~3割増えるとの予想もあり、素材メーカーには追い風となることが期待されている。

今後の見通しとして、300mmロジック・CISは巡航速度に回復、メモリー市場は2020年には回復に向かうが、ウェーハは在庫消化に時間を要し、2020年後半以降の需要回復を見込んでいる。

【※追記】2021年5月11日に発表となった「2021年12月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」では経常利益が前年同期比20.6%減の94.72億円となり、上期予想も前期比9.9%減の204億円になる見通しとなっています。

半導体検査装置関連銘柄 レーザーテック(6920)

6920 レーザーテックのチャート

レーザーテック(6920)は半導体検査装置が主力で、マスクブランクス検査装置で世界シェアを独占している会社。

同社はEUV(極端紫外線)技術に対応したマスクブランクス検査装置を供給できる体制を世界で唯一確立していることから物色人気が向かっている。

3年で売上高2倍、株価10倍(テンバガー)となっている企業ですが、半導体生産の次世代技術EUVに対応した新装置の価格は最大で80億円と、従来の技術を使った装置の5倍もの金額に上るようです。(2020年1月時点)

【※追記】20214月30日に発表となった「2021年6月期 第3四半期決算短信[日本基準](連結)」では経常利益が前年同期比112.7%増の189.61億円に伸び、通期予想である200億円に対する進捗率は94.8%となっています。

パワー半導体関連銘柄 東芝(6502)

6502 東芝のチャート

東芝(6502)は2018年に再建のため半導体メモリー子会社「東芝メモリ」を米Bain Capitalなどが組む「日米韓企業連合」に約2兆3億円で売却したことが話題となりましたが、半導体フォトマスク描画装置メーカーであるニューフレアテクノロジー(6256)を巡りHOYA(7741)と争奪戦を繰り広げ話題となりました。

世界の半導体業界では半導体の専業メーカーが圧倒的に多く、半導体部門は切り離し独立した方が成功すると言われているが、東芝はニューフレアテクノロジーと資本関係以外でも、マスク描画装置の基幹部品の供給など実ビジネスの面においても繋がりがあり、完全子会社化によるシナジー効果が期待される流れとなりました。

同社はパワー半導体への大型投資が話題となってきており、将来性の高い成長市場で存在感を更に増してくることが予想されそうです。


半導体関連銘柄として日本の大手上場企業8銘柄の株価チャートや概要などを簡単にまとめてみましたが、テーマ性として「半導体」「半導体製造装置」「パワー半導体」があげられる銘柄や、半導体に関連した電子部品や材料を取り扱う銘柄は他にもたくさんあり、主力株だけでなく出遅れていた中小型にも株価を急動意させる銘柄が出てきています。

主力株のチャートを見るともう株価をだいぶ上げていたりするので、2023年は主力株だけでなく半導体関連で出遅れ感がある銘柄を上手く狙っていきたいところではないでしょうか。

【2023年】半導体関連の本命株や出遅れ銘柄を上手く狙うには?

2019年12月23日(金)、半導体関連銘柄で出遅れ感があった中小型株のエノモト(6928)、竹田印刷(7875)、冨士ダイス(6167)、テセック(6337)、タキロンシーアイ(4215)、栄電子(7567)、芝浦メカトロニクス(6590)などが大きく買われる場面がありました。

なぜ大きく買われたのか、何が材料視されたのかを調べてみたところ、どうやら「株探ニュース」の「始まった“半導体”大相場、マッハ上昇トレンドに乗る「驚速7銘柄」 <株探トップ特集>」という記事で取り上げられたことで物色人気が向かったようです。

「株探(Kabutan)」は株式投資に役立つ最新のニュース、決算内容、企業情報などを配信している株情報サイトですが、配信情報を見ている人が多そうなサイトは、取り上げられた個別銘柄が大きく買われたりするのでしっかりと把握しておきたいところですね。

半導体関連銘柄の中小型株は直近の決算内容が悪かったりで、業績回復を見込めるかどうかというところがあったりするので、まだ出遅れ感がある半導体関連銘柄はたくさんあります。

なので2023年、半導体関連の出遅れ銘柄を上手く狙いたいと思う人は、『見ている人が多そうな株式関連情報にアンテナを張っておく』ようにしておくと良いかと思います。

サラリーマン投資家の方など平日仕事であまり銘柄情報をチェックしている時間がないという人が殆どかと思いますが、今時は銘柄情報をメルマガで自分のメールアドレスに配信してもらえたりするので、“毎日自分で色々と情報をチェックしている時間がない”という方は、株用のメールアドレスを作り“株情報サイトがまとめてくれた情報をメール配信で受け取る”方が効率良く最新の情報をチェックできていいと思います。

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新生ジャパン投資」は、ラジオNIKKEI第1で毎週火曜に配信している株式情報番組「株教室」(※現在は放送終了)でコメンテーターをしている「高山緑星」こと「前池英樹」が代表を務めている株情報サイトです。

株初心者の方はご存じないかもしれませんが、20年以上にわたり数多くの大化け銘柄を輩出し続け、相場界のレジェンドとまで言われているのが「高山緑星」こと「前池英樹」です。

2023年以降の一部配信銘柄
証券コード推奨銘柄配信時株価高値推移
7578ニチリョク1146657ヵ月で約5.83倍
7214GMB8873,3502ヵ月で3.77倍
5132pluszero4,30010,302ヵ月で2.39倍
7047ポート1,2802,9307ヵ月で2.28倍
4570免疫生物研究所4329614ヵ月で2.22倍
3992ニーズウェル4239244ヵ月で2.18倍
6430ダイコク電機2,7105,8507ヵ月で2.15倍
5253カバー1,4703,1703ヵ月で2.15倍
3984ユーザーローカル1,6033,3754ヵ月で2.1倍
7047ポート1,4212,9306ヵ月で2.06倍
4415ブロードエンタープライズ1,1062,2404ヵ月で2.02倍
3992ニーズウェル4589243ヵ月で2.01倍
4270BeeX2,0954,2206ヵ月で2.01倍

上記のような大化けを見せた銘柄はなんと無料で閲覧できる【朝刊】にて「本日の無料推奨銘柄」として紹介されていた銘柄です。

テーマ性を重視することで比較的短期間での上昇が狙える銘柄も多く、無料配信ながら上記のような大化けをするケースも。上記は極端かもしれませんが他にも比較的高いパフォーマンスとなっており、無料でチェックするには十分すぎる結果を残していると言えます。

ここまで相場の流れに上手く乗れていないと少しでも思われる方は、相場の流れに沿ったテーマ株を配信してきている「新生ジャパン投資」のような株情報サイトをチェックしておくことをオススメします。

株は“その時々の強いテーマ株を上手く狙えるかどうか”で日々の収支が大きく違ってくるかと思いますが、世の中が大きく変わった2020年、2021年にかけてだとコロナウイルス関連銘柄(ワクチン関連株・バイオ株)や、ウィズコロナ関連銘柄(テレワーク関連株や巣ごもり消費関連株など)、そして生成AIが人気化した2023年のAI関連株全般など、上手く狙えた人と狙えなかった人とで大きく収支の差があるのではないでしょうか。

テーマ性の流れに沿った銘柄を上手く狙えた方は結構な利益を得れているのではないかと思いますが、今後これからまた色々とテーマ性を強めてくる銘柄はあるかと思うので、効率良く期待値が高い情報を集め収益性が高いテーマ株投資をしていきたいと思われる方は、「新生ジャパン投資」のような業界で著名な方が顔を出していて、利益に繋がる銘柄情報を配信してきているサイトをチェックしておくのがベターかと思います。

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