東京都知事の「小池百合子」氏が推進してきていることなどから「電線地中化(無電柱化)」は話題になってきてますが、「2020年東京都知事選」が2020年7月5日に実施される予定となっており、改めて恩恵を受けそうな関連銘柄がないか調べてみようと思われた方も多いのではないでしょうか?
2020年の東京都知事選は元ライブドア(livedoor)社長で実業家のホリエモンこと「堀江貴文」氏が立候補に意欲を示していることが報道され話題となってきていますが、東京都知事選が迫り政策関連銘柄として「電線地中化(無電柱化)関連銘柄」がまたテーマ性を強めてくるかもしれません。
電線地中化は、昭和61年度から進められているにも関わらず、まだまだ普及しているとは言い難い状況かと思いますが、茨城県つくば市や東京都で電線地中化を促進する条例が施行されていたり、「政府が制度整備に着手する」などと報道されてきていることから、日本全体で前向きな姿勢であることは確かでしょう。
度々話題となってきている電線地中化は一体どんなメリットがあるのか?であったり、電線地中化に伴うデメリットや日本でのこれまでの動きなどを改めてまとめてみたいと思います。
また、電線地中化(無電柱化)関連銘柄として「電線共同溝に関連する銘柄」や「材料・工事に関連する銘柄」や「思惑で人気化した電線に関する銘柄」などについてもまとめているので、是非最後までご参照になってみて下さい。
目次
電線地中化(無電柱化)とは?
「電線地中化」とは、文字通りですが電線やその関連施設を地中に埋める事を指します。
また、道路上から電柱をなくすことを「無電柱化」と呼び、電線地中化はその手法の一つとされています。
なかなか最新データを見つけられなかったりで現状の進捗や普及率はどうなんだろうって感じですが、電線地中化が推進されるようになった流れを把握するために、世界と日本での普及率や、電線地中化が推進される理由や、メリット・デメリットなどをまずご紹介してみたいと思います。
日本と海外における無電柱化の普及率
国土交通省(出典)http://www.mlit.go.jp/road/road/traffic/chicyuka/chi_13_01.html
まず日本(東京23区、大阪市)と海外(欧米やアジアの主要都市)における無電柱化の現状を見てみましょう。
少し古いデータですが国土交通省の情報「無電柱化の整備状況(国内、海外)」によると、「ロンドン・パリ」「香港」「シンガポール」における無電柱化の普及率が100%なのに対して、日本では2017年度末の状況(道路延長ベース)で東京23区8%、大阪市6%に留まっています。
「ロンドン・パリ」「香港」が2004年の状況で100%、「シンガポール」が2001年の状況で100%というのを見ると、日本の無電柱化が遅れているのが分かりますね。
最初から地中に埋めていれば…って感じですが、ではなぜ地中化した方が良いとされているのでしょうか?
電線地中化(無電柱化)のメリット
電線地中化が推進されてきている理由は、やはり電線を地中化するだけのメリットがあるからでしょう。
東京都公式動画サイトが「無電柱化ってなに?~東京を安全で美しい街に!~」という動画をYouTubeにて公開していますが、電線地中化(無電柱化)のメリットとしては“景観の向上”や“災害時の倒壊を防げる”などが挙げられています。
電線を地中に埋めることで景観が向上する
まず、電線地中化(無電柱化)の一番分かりやすいメリットは景観の向上でしょうか。
電線が張り巡らされた景観も嫌いじゃないって人もいるかもしれませんが、電柱や電線が道路上から無くなれば、見通しの悪かった空が広く見え、すっきりした空間になることでしょう。
日本らしい景観が大切な観光名所では、観光価値の向上にもつながることから積極的に電線地中化が行われてきています。
京都新聞社(出典)http://www.kyoto-np.co.jp/local/article/20170205000011/1
京都の観光名所など電柱や電線が昔ながらの雰囲気を台無しにしていた印象ですが、こうして写真で見比べてみると日本らしい景観を大切にしたい場所はやはり電線がない方がいいですね。
電線地中化により交通事故のリスクを軽減できる
狭い歩道に立つ電柱のせいで、一旦車道に出なければならない。
このような経験はありませんか?電線地中化によって電柱が無くなれば、このような交通の妨げも無くなることから、“交通事故のリスク軽減”も電線地中化はその効果が期待されます。
国土交通省(出典)http://www.mlit.go.jp/road/road/traffic/chicyuka/photo/chi_05.html
写真のような電柱が歩行者や自転車の妨げとなっている風景、誰しも一度は目にされた経験あるのではないでしょうか。
電線地中化は災害時の安全性を向上する
最近また地震が増えてきている印象を受けるのが気になるところですが、日本は地震大国と呼ばれるほど非常に地震が多い国です。
そして、大地震後の火災の多くは、電柱が倒れて電気が漏電したことが原因とされており、電線地中化は二次災害の防止にも役立つとされています。
国土交通省(出典)http://www.mlit.go.jp/road/road/traffic/chicyuka/chi_13_05.html
台風の大型化による電線倒壊も問題視されてきていますが、電線を地中化すれば災害時の安全性は大きく向上しそうですね。
電線地中化(無電柱化)のデメリット
様々なメリットを期待できる電線地中化ですが、無電柱化は地中深くに電線や通信線を通す巨大な管路など埋設する必要性があるため、“設置コストにかかる費用の高さ”や“点検・復旧作業の大変さ”などがデメリットとして挙げられます。
無電柱化には莫大な費用がかかる
多くのインフラ整備の最大の壁と言っても良い問題が、莫大なコストです。
電線地中化の場合、電柱と比べ10~20倍や1kmあたり5~7億円の費用がかかると言われていますが、実際のところ各道路の上下水道やガス管などの状況により費用の差が大きいため、一概に何倍と比較できないとされています。
しかし、電柱よりも費用は高く手間がかかることは事実でしょう。
現在日本で主流となっている方式は、通信用のケーブルと電力用のケーブルをそれぞれ管路に通して地下深くの溝に埋設する「電線共同溝」となり、韓国でも採用されている方式のようです。
国土交通省(出典)http://www.mlit.go.jp/road/road/traffic/chicyuka/chi_14.html
また、低コスト化を目指すために新方式の実証試験も進められてきています。
国土交通省(出典)http://www.mlit.go.jp/road/road/traffic/chicyuka/chi_17.html
直接埋設は、ロンドン・パリ・ベルリン・ニューヨークなどで採用されていて、コストは電線共同溝の4分の1にカットできるようですが、写真を見るとなんだか雑に感じてしまいますね。
地中に埋められた電線の点検・復旧作業
また、電線地中化のデメリットの一つに、作業のたびに地中を掘り返す必要があり、点検・復旧作業が困難になることがよく挙げられます。
しかし、現在日本で採用されている「電線共同溝」であれば、作業員が歩道にあるマンホールから入って作業することが可能となり、高所作業車を配置して車道を止める必要がないことから、むしろ簡略化できるとの声も上がっています。
ロンドンやパリで採用されている直接埋設であれば掘り返す必要があるので、今後低コストでの埋設に直接埋設が使われた場合、大きなデメリットとなるでしょう。
電線地中化で交通標識や防犯カメラの設置場所も課題に
現在、街中の交通標識や防犯カメラの多くは電柱に取り付けられています。
しかし、電線地中化により電柱が無くなると、これらを設置するための柱を新たに建てることになります。
「新しい柱を作らないと設置できない」か「新しい柱を作れば設置できる」のどちらで考えるかで変わってくる問題です。
電線を無くすことで景観の向上にはつながりますが、新しく柱を設置した場合、交通の妨げになることに変わりはないかもしれません。
電線地中化は“電線が景観を大きく損ねている場所”や“電柱が交通の妨げとなっている場所”などで行う分には大きなメリットを期待できそうですが、人通りが殆どないような場所はコスト面を考えると無理に地中化する必要はないかもしれませんね。
電線地中化(無電柱化)関連銘柄に注目するワケ
大きなメリットが期待される一方、設置にかかる費用などデメリットも抱えている電線地中化。
しかし、その大きなメリットゆえに、つくば市や東京都では条例が施行され、日本の電線地中化の流れを加速させています。
つくば市が日本初となる「無電柱化条例」を施行
2016年9月30日、茨城県つくば市にて日本初となる無電柱化の実施を義務付ける「無電柱化条例」が施行されました。
市が指定した無電柱化区域において、電線類の敷設を要請する場合には電線類を埋設しなければいけなくなり、区域外においても電線地中化に務めるよう努力規定が設けられました。
また、この条例の違反者または違反の恐れのある開発事業者には勧告措置が行われ、正当な理由無く勧告に従わない場合は市のHPや広報誌で氏名・住所が公表されるという罰則規定が定められています。
つくば市の条例が日本の無電柱化への流れを加速させ、国全体の意識を向ける一つの要因にもなったのではないでしょうか。
東京都の無電柱化推進条例
2017年6月7日、東京都議会で無電柱化条例が成立し、9月1日に施行されました。
世界中の都市に比べて東京都は電線が非常に多く、外国人観光客が驚いて写真を撮るほどだそうです。
都道での電柱新設を原則禁止する今回の条例により、都道に限っては今後電柱が増える事は少なくなり、東京都としては大きな一歩となったのではないでしょうか。
既存の電柱を撤去し電線地中化を進めることで、東京全体では5%に満たなかった東京都の電線地中化普及率の割合がどのように伸びるのか注目したいところですね。
電線地中化に向け政府が制度整備に着手
2018年1月14日「電柱や電線の地中化促進に向け、政府が制度整備に着手することがわかった」と報じられました。
道路法を改正し、歩道も対象に含めるとされており、これまで幹線道路を中心に進められてきた電線地中化に拍車がかかる流れとなりました。
また、2018年2月19日に「無電柱化推進計画」の概要が明らかになりました。
防災上重要な道路や、高齢者が歩きにくくバリアフリー化が必要な道路を「重点的に無電柱化を進める対象」として、電線地中化を事実上強制するとしています。
さらに、2018年度から3年間で1400kmの無電柱化を実現する目標を掲げ、電線地中化の流れを後押しする内容になっています。
つまり電線地中化関連株は国策銘柄として注目
このように、日本では電線地中化に対して前向きな姿勢を見せててきており、つくば市や東京都の条例施行に続き、阪神大震災の教訓から兵庫県の芦屋市も2018年11月10日に無電柱化推進条例を施行するなど、地方自治体でも無電柱化推進の動きが見られています。
政府が制度整備に着手してきていることから電線地中化(無電柱化)関連株は国策銘柄と言えそうですが、今後、電線地中化の流れが多くの地域に広まれば、関連企業への更なる恩恵も期待できるのではないでしょうか。
電線地中化関連銘柄は電線地中化を推進する人が出馬する選挙前や、台風が多く日本に上陸する時期などにテーマ性を強めてきている印象ですが、中長期的なテーマ株かと思いますので、物色人気の流れに上手く乗れるよう、関連銘柄をしっかりと把握しておくことが大切になってくるかと思います。
なので“どの企業が電線地中化に絡んでいそうか”“無電柱化推進計画の恩恵を受けそうか”なるべく抑えておきたいところではないでしょうか。
電線地中化関連銘柄【電線共同溝に関連する銘柄】
電線や水道などを一緒に埋め込む溝「電線共同溝」に関する製造を手掛けている電線地中化関連銘柄です。
日本で主流の手法となっており、電線地中化が推進されると共に需要の増加が期待できると思われます。
ベルテクスコーポレーション(5290)
ベルテクスコーポレーション(5290)は「ゼニス羽田ホールディングス株式会社」と「株式会社ホクコン」が共同株式移転の方法により平成30年(2018年)10月1日付けで設立した両社の完全親会社です。
親会社設立に伴い上場廃止となりましたが、ゼニス羽田ホールディングスはマンホールや落石防護柵などのコンクリート2次製品を主力としていることから電線地中化関連銘柄として注目されてきた会社です。
電線共同溝によって電線地中化を行う際にプレハブの役割を担う「C.C.BOX」の製造を手掛けています。
一般的な製品以外にも、浅層埋設方式に対応した製品や歩道などの狭い道路に対応した製品などが用意されています。
ゼニス羽田(出典)http://www.zenith-haneda.co.jp/products/ccbox・スロープホール/
ベルテクスコーポレーションは2020年5月15日に2020年3月期決算を発表しましたが、2021年3月期の連結業績予想(通期)は、前年同期比で売上高が2.5%増の400億、営業利益が5.6%増の40億、経常利益が1.0%増の40億、親会社株主に帰属する当期純利益が7.0%増の25億にそれぞれ伸びる見通し。
併せて発表となった自社株買いや連続最高益更新予想が好感され買われてきていますが、2020年東京都知事選が迫りテーマ性を強めてくるかもしれないので、今後の株価推移にも注目したい銘柄ではないでしょうか。
イトーヨーギョー(5287)
イトーヨーギョー(5287)は、マンホールやパイプ製品が主力の会社で、コンクリート二次製品の製造や水処理装置なども手掛けています。
前述した「電柱や電線の地中化促進に向け、政府が制度整備に着手」との報道で物色の矛先が向かった銘柄です。
道路状況よって使い分けられる「D.D.BOXシリーズ」や、極めて細い道路でも電線地中化を可能とする「S.D.BOX」など、電線ケーブルを収納できるコンクリートボックス製品を扱っています。
イトーヨーギョー(出典)https://itoyogyo.co.jp/products/
電線地中化事業ではイトーヨーギョーの製品が最も多く使われるのではないかとの思惑もあり、電線地中化関連銘柄において本命視されてきている銘柄です。
虹技(5603)
虹技(5603)は、鉄鋼や自動車向け鋳型が主力の会社である一方、マンホールなどの鉄蓋にも多角化している会社です。
下水道鉄蓋やC.C.BOX用鉄蓋を取り扱っており、電線地中化において電線共同溝が主流になりつつある今、虹技の製品は非常に需要が高くなるのではないでしょうか。
虹技(出典)http://www.kogi.co.jp/bumon_kogata_eleline.html
旭コンクリート工業(5268)
旭コンクリート工業(5268)は、コンクリート2次製品の製造を手掛け、管路や貯水槽、共同溝などに使われる「ボックスカルバート」が主力の会社です。
後にご紹介するセメント最大手「太平洋セメント」が大株主として名を連ねています。
一般的なC.C.BOXの他に、電気・電話・水道・ガスなどのライフラインをまとめて地下に敷設できるプレキャスト共同溝を製造しています。
積水化学工業(4204)
積水化学工業(4204)は、住宅・高機能プラスチックス・ライフラインの3つを主軸としている会社です。
戸建て住宅の売上が日本国内4位・自動車用中間膜の世界シェア40%・塩化ビニル管2位などの実績を持っており、海外でも活躍する大手企業です。
電線共同溝向けのパイプを手掛けていることから人気化し、電線地中化関連銘柄として名を連ねてきています。
中でも3次元的に曲げられるフレキシブルなパイプは、予期せぬところで障害物が現れた場合も対応でき、今後各地で行われるであろう電線地中化のスムーズな工事に貢献するため、需要が高いのではないでしょうか。
積水化学エスロンタイムズ(出典)http://www.eslontimes.com/system/items-view/6/
電線地中化関連銘柄【材料・工事に関連する銘柄】
続いて、電線地中化に伴い需要拡大が期待されることから電線地中化関連銘柄として注目されてきているコンクリート・セメント事業を担う会社をご紹介します。
太平洋セメント(5233)
太平洋セメント(5233)は、海外にも事業展開しているセメント業界最大手企業です。
建材や電材、環境関連事業など事業の多角化を行っています。
2021年3月期の連結業績予想(通期)は、前年同期比で売上高が0.9%減の8,760億、営業利益が9.8%減の550億、経常利益が10%減の545億、親会社株主に帰属する当期純利益が18.3%減の320億にそれぞれ減る見通しとなってますが、PER10倍ほどでPBR1倍以下と割安感がある銘柄ですね。
チャートを見ると2020年3月23日安値1,580円から調製を挟みつつ株価を上げてきている印象ですが、電線地中化関連株として中長期的に注目したい銘柄ではないでしょうか。
コムシスホールディングス(1721)
コムシスホールディングス(1721)は、情報通信工事事業・電気設備工事事業・情報処理関連事業を行う子会社の経営管理等を行う企業です。
NTT認定の総合電気通信事業会社における最大手企業で電気通信工事では首位を誇っています。
コムシスホールディングス(出典)http://www.comsys-hd.co.jp/index.php
NTT認定の最大手企業であることから、電線地中化に伴う工事に関わるのではないかとの思惑で電線地中化関連銘柄として見られてきています。
2021年3月期の連結業績予想(通期)は、前年同期比で売上高が0.2%減の5,600億、営業利益が2.4%減の380億、経常利益が3.9%減の385億、親会社株主に帰属する当期純利益が1.9%減の255億にそれぞれ減る見通しとなってますが、増配や自社株買いなど株主還元の姿勢が注目されてきています。
また、バブル期・ITバブル期・不動産バブル期もほぼ無傷で乗り越えており、その堅実経営も人気の銘柄ではないでしょうか。
大盛工業(1844)
大盛工業(1844)は、上下水道工事については業界屈指の技術を持つ会社で、不動産事業や太陽光発電設備の建設・販売も手掛けています。
電線地中化を行うには、元々地下に設置されている水道・下水道を移設する必要があるうえに、東京都発注工事を積極的に受注していることから、東京都無電柱化推進条例の施行によりビジネスチャンスが期待されてきている銘柄かと思います。
覆工板設置を先行することで仮復旧の必要がなくなり、高効率・短工期を実現した「OLY工法」が目玉の一つとなっています。
人口密度の高い東京都において歩道での作業は多くの人に影響が出るため、短工期の実現は重要なものになるのではないでしょうか。
電線地中化関連銘柄【思惑で人気化した電線に関する銘柄】
電線地中化の工事に伴い、電線の交換による特需を考えて人気化した電線地中化関連銘柄です。
しかし、意外にもその恩恵は限定的であることが多く、あくまで思惑での上昇ということを頭の隅に置いて見守りたいところです。
タツタ電線(5809)
タツタ電線(5809)は、電子材料を収益の柱とし、電線業界では中堅に位置する会社です。
電線地中化に伴う電線交換においてタツタ電線の製品が使われるかもしれないとの思惑で物色の他先が向かいました。
仮に採用されても恩恵は限定的だと思われるので落ち着いて動向を見守りたいと銘柄かと思います。
東京特殊電線(5807)
東京特殊電線(5807)は、古河電工系の電線中堅でケーブルや巻線を主力とする会社です。
海外への事業展開に積極的で、非電線部品への多角化も行っています。
こちらも同じ理由での人気化ですが、やはりあくまで思惑。
逆に「電線地中化・リニア新幹線に関する製品は取り扱っていない」との声も上がっており、真偽が分からない情報に惑わされないよう注意が必要です。
沖電線(5815)
沖電気(5815)も同じ理由で人気化した経緯がある銘柄ですが、2017年12月に沖電気工業(6703)が株式公開買付けにより議決権所有割合86.76%の株式を取得し親会社となったことで、2018年3月に上場廃止となりました。
沖電気は電線・ケーブルと電子部品の2つを中心に製造・販売を手掛ける沖電気工業グループの企業です。
また、不動産賃貸や海外への事業展開も積極的に行っています。
上場時は電線を主力としているため、電線地中化に伴う新しい電線への交換で恩恵が期待できるのではないかとの思惑で人気化しました。
電線に関する銘柄が「電線地中化関連銘柄」になる時
上記のような“電線”に関する事業を行っている企業が、電線地中化関連銘柄として期待できる条件は、「日本での主流が直接埋設になったとき」または、「なりかけている時期」だと思います。
直接埋設には、土や自動車の重量に耐えうる電線が必要となるので、各社が新しい電線の開発に取り組むのではないでしょうか。
そうなれば採用された時の恩恵に期待が持てるかもしれません。
これからコスト重視で直接埋設に移行することも考えられますが、今はメンテナンスの容易さからも電線共同溝が主流とされており、直接埋設へ期待するにはタイミングを見極める必要がありそうな感じでしょうか。
電線地中化(無電柱化)関連銘柄まとめ
電線地中化(無電柱化)において、先進国の中で遅れを取っている日本。
つくば市や東京都での無電柱化に関する条例施行が後押ししてきている印象ですが、国全体の電線地中化は今後より加速していくのではないかと思われます。
政府が制度整理に着手し、国策銘柄としても注目のテーマ株なので、電線地中化関連銘柄を上手く狙いたいと思われている方も多いのではないでしょうか。
しかしながら、この流れの中で一体どの企業がまた注目され株価を上げてくるのか、日々アンテナを張り情報収集を行った上で個別銘柄を絞るのもなかなか骨の折れる作業かと思います。
電線地中化を推進する「小池百合子」氏が出馬する東京都知事選前や、台風が多く日本に上陸する時期などに物色されてきているテーマ株かと思いますが、今時はネットで情報を集めやすくなり“株情報サイトで情報配信されることで人気化するケース”も珍しくありません。
なのでテーマ株の流れに上手く乗りたいと思われる方は、“投資顧問と呼ばれる株情報サイトが日々配信している銘柄情報などをチェックしておく”という方法が要領良く旬なテーマ株などをチェックできたりでお勧めです。