電線地中化関連銘柄

電線地中化関連銘柄のトップ画像

東京都知事の小池百合子氏が政策に挙げていることからも「電線地中化(無電柱化)」が話題になっており、これを機会に調べてみようと思った方も多いのではないでしょうか?

電線地中化は、昭和61年度から進められているにも関わらず、まだまだ普及しているとは言い難い状況となっています。しかし、茨城県つくば市や東京都では電線地中化を促進する条例が施行されたり、「政府が制度整備に着手する」との報道など、日本全体で前向きな姿勢であることは確かでしょう。

今が旬の電線地中化は一体どんなメリットがあるのか?そして、それに伴うデメリットや日本での動きをご説明します。また、注目すべき電線地中化関連銘柄を8銘柄、注意すべき電線地中化関連銘柄を3銘柄ご紹介します。



電線地中化とは?

電線地中化」とは、電線やその関連施設を地中に埋める事を指します。また、道路上から電柱をなくすことを「無電柱化」と呼び、電線地中化はその手法の一つとされています。現在、この電線地中化が推進されている理由や世界での普及率、そしてメリット・デメリットをご紹介します。

日本と海外での普及率

日本と海外の電線地中化普及率

国土交通省(出典)http://www.mlit.go.jp/road/road/traffic/chicyuka/chi_13_01.html

国土交通省の情報によると、ロンドン・パリ・香港での電線夢中化の普及率が100%に対して、日本では未だに東京23区で8%、大阪市で6%に留まっており、東京全体では5%も満たしていません。

メリット

景観の向上

まず、一番分かりやすいメリットが景観の向上です。
頭上に張り巡らされていた電線が道路上から無くなり、見通しの悪かった空が広く見えるようになっています。日本らしい景観が大切な観光名所では、観光価値の向上にもつながることから積極的に電線地中化が行われています。

景観比較画像

京都新聞社(出典)http://www.kyoto-np.co.jp/local/article/20170205000011/1

交通事故のリスク軽減

狭い歩道に立つ電柱のせいで、一旦車道に出なければならない。このような経験はありませんか?電線地中化によって電柱が無くなれば、このような交通の妨げも無くなることから、交通安全面でも電線地中化は効果を発揮します。

交通の妨げになる電柱画像

国土交通省(出典)http://www.mlit.go.jp/road/road/traffic/chicyuka/photo/chi_05.html

災害時の安全性を向上

日本は、地震大国と呼ばれるほど非常に地震が多い国です。そして、大地震後の火災の多くは、電柱が倒れて電気が漏電したことが原因とされており、電線地中化は二次災害の防止にも役立つとされています。

災害による電柱の倒壊状況画像

国土交通省(出典)http://www.mlit.go.jp/road/road/traffic/chicyuka/chi_13_05.html

デメリット

様々なメリットのある電線地中化ですが、もちろんデメリットも存在します。

莫大なコスト

多くのインフラ整備の最大の壁と言っても良い問題が、莫大なコストです。
電線地中化の場合、電柱と比べ10~20倍や1kmあたり5~7億円の費用がかかると言われていますが、実際のところ各道路の上下水道やガス管などの状況により費用の差が大きいため、一概に何倍と比較できないとされています。しかし、電柱よりも費用は高く手間がかかることは事実でしょう。

現在日本で主流となっている方式は、通信用のケーブルと電力用のケーブルをそれぞれ管路に通して地下深くの溝に埋設する「電線共同溝」となり、韓国でも採用されている方式です。

電線共同溝画像

国土交通省(出典)http://www.mlit.go.jp/road/road/traffic/chicyuka/chi_14.html

また、低コスト化を目指すために新方式の実証試験も進められています。

電線地中化低コスト画像

国土交通省(出典)http://www.mlit.go.jp/road/road/traffic/chicyuka/chi_17.html

直接埋設は、ロンドン・パリ・ベルリン・ニューヨークなどで採用されており、コストは電線共同溝の4分の1にカットできるとされています。

点検・復旧作業

電線地中化のデメリットの一つに、作業のたびに地中を掘り返す必要があり、点検・復旧作業が困難になることがよく挙げられます。

しかし、現在日本で採用されている「電線共同溝」であれば、作業員が歩道にあるマンホールから入って作業することが可能となり、高所作業車を配置して車道を止める必要がないことから、
むしろ簡略化できるとの声も上がっています。

ロンドンやパリで採用されている直接埋設であれば掘り返す必要があるので、今後低コストでの埋設に直接埋設が使われた場合、大きなデメリットとなるでしょう。

防犯カメラ・交通標識の設置場所

現在、街中の防犯カメラや交通標識の多くは電柱に取り付けられています。しかし、電線地中化により電柱が無くなると、これらを設置するための柱を新たに建てることになります。

「新しい柱を作らないと設置できない」か「新しい柱を作れば設置できる」のどちらで考えるかで変わってくる問題です。電線を無くすことで景観の向上にはつながりますが、新しく柱を設置した場合、交通の妨げになることに変わりはないかもしれません。

電線地中化関連銘柄に注目するワケ

大きなメリットがある一方、もちろんデメリットも抱えている電線地中化。しかし、その大きなメリットゆえに、つくば市や東京都では条例が施行され、日本の電線地中化の流れを加速させています。

つくば市無電柱化条例

2016年9月30日、茨城県つくば市にて日本初となる無電柱化の実施を義務付ける「無電柱化条例」が施行されました。

市が指定した無電柱化区域において、電線類の敷設を要請する場合には電線類を埋設しなければならなく、区域外においても電線地中化に務めるよう努力規定が設けられました。

また、この条例の違反者または違反の恐れのある開発事業者には勧告措置が行われ、正当な理由無く勧告に従わない場合は市のHPや広報誌で氏名・住所が公表されるという罰則規定が定められています。

つくば市の条例が日本の無電柱化への流れを加速させ、国全体の意識を向ける一つの要因にもなったのではないでしょうか。

東京都無電柱化推進条例

2017年6月7日、東京都議会で無電柱化条例が成立し、9月1日に施行されました。世界中の都市に比べて東京都は電線が非常に多く、外国人観光客が驚いて写真を撮るほどだそうです。都道での電柱新設を原則禁止する今回の条例により、都道に限っては今後電柱が増える事は少なくなり、東京都としては大きな一歩となったのではないでしょうか。

また、既存の電柱を撤去し電線地中化を進める上で、現在5%以下である東京都の電線地中化普及率の割合がどのように伸びるのか期待したいところです。

政府が制度整備に着手

1月14日「電柱や電線の地中化促進に向け、政府が制度整備に着手することがわかった」と報じられました。道路法を改正し、歩道も対象に含めるとされており、これまで幹線道路を中心に進められてきた電線地中化に拍車がかかりそうです。

また、2月19日「無電柱化推進計画」の概要が明らかになりました。防災上重要な道路や、高齢者が歩きにくくバリアフリー化が必要な道路を「重点的に無電柱化を進める対象」として、電線地中化を事実上強制するとしています。さらに、2018年度から3年間で1400kmの無電柱化を実現する目標を掲げ、電線地中化の流れを後押しする内容になっています。

まとめ

このように、現在日本では電線地中化に対して前向きな姿勢を見せており、つくば市や東京都の条例に続き兵庫県の芦屋市も条例化を目指すなど、地方自治体でも無電柱化推進の動きが見られています。

今後、電線地中化の流れが多くの地域に広まれば、関連企業への更なる恩恵も期待できるのではないでしょうか。「今以上に大きな動きが見られる前」に、電線地中化関連銘柄に目を付けておくことが大切だと思います。

電線地中化関連銘柄【電線共同溝に関連する銘柄】

電線や水道などを一緒に埋め込む溝「電線共同溝」に関する製造を手掛けている電線地中化関連銘柄です。現在日本では主流の手法となっており、電線地中化が推進されると共に需要の増加が期待できると思われます。

[5289]ゼニス羽田ホールディングス

[5289]ゼニス羽田ホールディングスの株価チャート

ゼニス羽田ホールディングスは、マンホールや落石防護柵などのコンクリート2次製品を主力とする会社です。

電線共同溝によって電線地中化を行う際にプレハブの役割を担うC.C.BOX」の製造を手掛けています。一般的な製品以外にも、浅層埋設方式に対応した製品や歩道などの狭い道路に対応した製品が用意されています。

ゼニス羽田製品画像

ゼニス羽田(出典)http://www.zenith-haneda.co.jp/products/ccbox・スロープホール/

2月14日に発表した8年3月期の連結業績予想では、営業利益を21億円から23億円(前期比10.2%増)、純利益を13億円から16億円(前期比29.7%増)へ上方修正しました。工場の生産効率向上が寄与したとされており、今後の利益の押上げにもつながるのではないかと思われます。

[5287]イトーヨーギョー

[5287]イトーヨーギョーの株価チャート

イトーヨーギョーは、マンホールやパイプ製品が主力の会社で、コンクリート二次製品の製造や水処理装置なども手掛けています。

前述した「電柱や電線の地中化促進に向け、政府が制度整備に着手」との報道で物色の矛先が向かった銘柄です。道路状況よって使い分けられる「D.D.BOXシリーズ」や、極めて細い道路でも電線地中化を可能とする「S.D.BOX」など、電線ケーブルを収納できるコンクリートボックス製品を扱っています。

イトーヨーギョー製品画像

イトーヨーギョー(出典)https://www.itoyogyo.co.jp/prd-ddbox_series.html

電線地中化事業ではイトーギョーの製品が最も多く使われるのではないかとの思惑もあり、電線地中化関連銘柄において本命視されている銘柄です。

[5603]虹技

[5603]虹技の株価チャート

虹技は、鉄鋼や自動車向け鋳型が主力の会社である一方、マンホールなどの鉄蓋にも多角化している会社です。

下水道鉄蓋やC.C.BOX用鉄蓋を取り扱っており、電線地中化において電線共同溝が主流になりつつある今、虹技の製品は非常に需要が高くなるのではないでしょうか。

虹技製品画像

虹技(出典)http://www.kogi.co.jp/bumon_kogata_eleline.html

[5268]旭コンクリート工業

[5268]旭コンクリート工業の株価チャート

旭コンクリート工業は、コンクリート2次製品の製造を手掛け、管路や貯水槽、共同溝などに使われる「ボックスカルバート」が主力の会社です。後にご紹介するセメント最大手「太平洋セメント」が大株主として名を連ねています。

一般的なC.C.BOXの他に、電気・電話・水道・ガスなどのライフラインをまとめて地下に敷設できるプレキャスト共同溝を製造しています。

[4204]積水化学工業

[4204]積水化学工業の株価チャート

積水化学工業は、住宅・高機能プラスチックス・ライフラインの3つを主軸としている会社です。戸建て住宅の売上が日本国内4位・自動車用中間膜の世界シェア40%・塩化ビニル管2位などの実績を持っており、海外でも活躍する大手企業です。

電線共同溝向けのパイプを手掛けていることから人気化し、電線地中化関連銘柄として名を連ねています。中でも3次元的に曲げられるフレキシブルなパイプは、予期せぬところで障害物が現れた場合も対応でき、今後各地で行われるであろう電線地中化のスムーズな工事に貢献するため、需要が高いのではないでしょうか。

積水化学公卿製品画像

積水化学エスロンタイムズ(出典)http://www.eslontimes.com/system/items-view/6/

電線地中化関連銘柄【材料・工事に関連する銘柄】

電線地中化によって大きな需要拡大が見込めるコンクリート・セメント事業を担う電線地中化関連銘柄です。

[5233]太平洋セメント

[5233]太平洋セメントの株価チャート

太平洋セメントは、海外にも事業展開しているセメント業界最大手企業です。建材や電材、環境関連事業など事業の多角化を行っています。

2月8日発表した18年3月期第3四半期累計では、連結経常利益が496億円(前年同期比12.7%)に伸び、通期計画の650億円に対する進捗率が76.4%を達しました。

電線地中化の工事に加え、東京オリンピックに伴う公共工事でもセメントの特需が期待できるため、電線地中関連・東京オリンピック関連ともに注目されている銘柄です。

[1721]コムシスホールディングス

[1721]コムシスホールディングスの株価チャート

コムシスホールディングスは、情報通信工事事業・電気設備工事事業・情報処理関連事業を行う子会社の経営管理等を行う企業です。NTT認定の総合電気通信事業会社における最大手企業で電気通信工事では首位を誇っています。

コムシスホールディングス子会社画像

コムシスホールディングス(出典)http://www.comsys-hd.co.jp/index.php

NTT認定の最大手企業であることから、電線地中化に伴う工事に関わるのではないかとの思惑で電線地中化関連銘柄として見られています。

2月6日に発表された18年3月期第3四半期累計の連結経常利益は前年同期比52.4%増の171億円に拡大しているほか、5期連続の増配を予定しており株主還元の姿勢が注目されています。

また、バブル期・ITバブル期・不動産バブル期もほぼ無傷で乗り越えており、その堅実経営も人気の一つではないでしょうか。

[1844]大盛工業

[1844]大盛工業の株価チャート

大盛工業は、上下水道工事については業界屈指の技術を持つ会社で、不動産事業や太陽光発電設備の建設・販売も手掛けています。

電線地中化を行うには、元々地下に設置されている水道・下水道を移設する必要があるうえに、東京都発注工事を積極的に受注していることから、今回の東京都無電柱化推進条例においてもビジネスチャンスが期待できるのではないでしょうか。

覆工板設置を先行することで仮復旧の必要がなくなり、高効率・短工期を実現した「OLY工法」が目玉の一つとなっています。人口密度の高い東京都において歩道での作業は多くの人に影響が出るため、短工期の実現は重要なものになるのではないでしょうか。

電線地中化関連銘柄【思惑で人気化した電線に関する銘柄】

電線地中化の工事に伴い、電線の交換による特需を考えて人気化した電線地中化関連銘柄です。しかし、意外にもその恩恵は限定的であることが多く、あくまで思惑での上昇ということを頭の隅に置いて見守りたいところです。

[5815]沖電線

[5815]沖電線の株価チャート

沖電気は、電線・ケーブルと電子部品の2つを中心に製造・販売を手掛ける沖電気工業グループの企業です。また、不動産賃貸や海外への事業展開も積極的に行っています。

電線を主力としているため、電線地中化に伴う新しい電線への交換で恩恵が期待できるのではないかとの思惑で人気化しました。しかし、公式HPにも電線地中化に関連する製品がないことから、あくまで思惑の域を脱しておらず、過度な期待は危険かもしれません。

[5809]タツタ電線

[5809]タツタ電線の株価チャート

タツタ電線は、電子材料を収益の柱とし、電線業界では中堅に位置する会社です。

沖電線と同じく、電線地中化に伴う電線交換においてタツタ電線の製品が使われるかもしれないとの思惑で物色の他先が向かいました。仮に採用されても恩恵は限定的だと思われるので落ち着いて動向を見守りたいと思います。

[5807]東京特殊電線

[5807]東京特殊電線の株価チャート

東京特殊電線は、古河電工系の電線中堅でケーブルや巻線を主力とする会社です。海外への事業展開に積極的で、非電線部品への多角化も行っています。

こちらも同じ理由での人気化ですが、やはりあくまで思惑。逆に「電線地中化・リニア新幹線に関する製品は取り扱っていない」との声も上がっており、真偽が分からない情報に惑わされないよう注意が必要です。

電線に関する銘柄が「電線地中化関連銘柄」になる時

上記のような電線に関する事業を行っている企業が、電線地中化関連銘柄として期待できる条件は、「日本での主流が直接埋設になったとき」または、「なりかけている時期」だと思います。

直接埋設には、土や自動車の重量に耐えうる電線が必要となるので、各社が新しい電線の開発に取り組むのではないでしょうか。そうなれば採用された時の恩恵に期待が持てるかもしれません。

これからコスト重視で直接埋設に移行することも考えられますが、今はメンテナンスの容易さからも電線共同溝が主流とされており、直接埋設へ期待するにはタイミングを見極める必要がありそうです。

まとめ

電線地中化において、先進国の中で遅れを取っている日本。つくば市や東京都での無電柱化に関する条例が後押しし、国全体の電線地中化が加速すると思われます。

この流れの中で、一体どの企業が恩恵を受けるのか、情報収集を行ったうえで使える情報を選別する必要があります。政府が制度整理に着手した今、国策銘柄としても波に乗っている電線地中化関連銘柄を確実にモノにしたいところです。

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