2020年3月9日、ニューヨーク市場でWTI(ウエスト・テキサス・インターメディエート)原油先物が大きく売られ前週末比25%安と急落。
OPEC(石油輸出国機構)にロシアなど非加盟産油国を加えた「OPECプラス」の協調減産体制が崩壊したことが急落の要因で、一時30%超えとなる下げとなり、1991年の湾岸戦争以降で最大となる下げ幅を記録。
現行の減産合意の期限が3月末以降に切れるようですが、ロシアがOPECによる追加減産と減産延長に関する提案を拒否し、サウジアラビアは4月の生産量を日量1000万バレルを大きく上回る水準に引き上げる見通しのようです。
3月末以降、サウジアラビアとロシアが主導した3年にわたるOPECプラスの協調体制が崩れたことで自由に産油量を決定するかたちとなり、石油価格戦争の様相を強め原油安ショックが広がる流れとなっています。
サウジアラビアに追随し他のOPEC加盟国であるイラン、クウェート、アラブ首長国連邦なども4月から販売価格を大きく引き下げてきそうですが、価格戦争の標的が米国のシェールオイルの場合、“原油価格の下落は長期化する公算が大きい”との見方もあるようです。
2019年にアメリカが1949年以来70年ぶりとなる「純輸出国」となったことで中東やロシアへの依存度が減り地政学的なバランスが大きく変わる可能性が指摘されてきていますが、原油安に関連する報道が増えてくるのではないかと思うので、原油安メリット関連銘柄をいくつか挙げておきたいと思います。
原油安メリットが期待されそうな関連銘柄「日本通運(9062)」など陸運株
日本通運(9062)は総合物流最大手でグローバルに展開している会社。
新型コロナウイルスの影響で航空便の一部運休による遅延が発生しており、懸念材料もありそうですが、輸送関連事業を行う銘柄は原油安メリット関連銘柄として注目を集めることが予想されます。
新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大で巣ごもり消費関連株が注目されましたが、流通を担う会社は巣ごもり消費による需要増も期待されてきています。
日本通運(9062)は新型コロナウイルスの感染拡大で相場が崩れ2020年3月10日安値4,505円までの下落となっていますが、中長期的にみると値ごろ感が強まっている印象ですね。
宅配便最大手のヤマトホールディングス(9064)も原油安メリット関連銘柄として注目か
ヤマトホールディングス(9064)は「クロネコヤマト」が有名で「宅急便」など各種輸送に関わる事業を行っている会社。
メルカリ(4385)の投函ボックス「メルカリポスト」の集荷パートナーをヤマトホールディングス(9064)傘下のヤマト運輸が展開するようですが、中古品市場の売買は巣ごもり時間が長引くとともに増加することが予想されます。
佐川急便の配達員が感染し営業所が業務停止となった報道がありましたが、巣ごもり消費でネット通販の需要が伸びているようなので、宅配便最大手のヤマトホールディングス(9064)は宅配増と原油安メリットを見込まれ注目されてくるかもしれません。
アマゾンのデリバリープロバイダ「遠州トラック(9057)」も原油安メリット関連銘柄として注目?
遠州トラック(9057)は2019年3月28日にAmazon(アマゾン)との宅配提携事業を強化するために組織再編を発表していますが、2018年から地域限定配送業者としてアマゾンと提携し静岡を中心に宅配を担っている会社です。
2020年3月の連結業績予想を見ると、売上が前年同期比13.0%増の321億円、営業利益が28.3%増の20.5億円、経常利益が29.4%増の20.3億円、親会社株主に帰属する当期純利益が33.3%増の13.2億円の見通しとなってますが、巣ごもり消費でアマゾンでの販売需要増が見込まれそうなので、好業績が期待されそうな銘柄でしょうか。
2020年2月7日に好決算を発表したファイズホールディングス(9325)が地合いが悪い中で逆行高となってますが、ファイズ社は2018年の途中からAmazon(アマゾン)のデリバリープロバイダから撤退したようです。
2020年2月26日付けのKabutanの記事に“新型肺炎の感染拡大で巣ごもり消費がテーマとして浮上するなか、米アマゾンを主要顧客にEC事業者向けの荷物の取り扱いを主力とする同社株は関連有力株として投資資金の物色対象となっている”とありましたが、ファイズ社はまだAmazon(アマゾン)の宅配を担っているのでしょうか?
新型コロナウイルスの感染拡大で世界景気減速懸念が強まり好業績株でもインバウンド消費に関係ないような銘柄でも新型コロナウイルス関連で恩恵がありそうな銘柄でも関係なくとにかく売られる展開となりましたが、市況・相場の流れを分析し、注目を集めてきそうなテーマ性にしっかりと着目していくようにしたいですね。
原油安メリット関連銘柄として空運株も注目したいところですが
原油安メリット関連銘柄として日本航空(9201)、ANAホールディングス(9202)、などの航空会社にも注目したいところですが、新型コロナウイルスの感染拡大で渡航制限が発表されてきているので、原油安メリットを受けれそうといっても大幅な乗客減が見込まれる航空会社は厳しい展開が予想される感じでしょうか。
空運株の中では北九州-羽田間が主力のスターフライヤー(9206)が原油安メリット関連銘柄として注目かもしれませんね。
しかしながら、空運株はこれまで原油安メリット株として動意づいたりしてきているので、新型コロナウイルスが収束に向かい、原油安が続いているようなら戻りを期待した買いが入ってくるかもしれませんね。
原油安が与える影響は陸運業界よりも空運・海運業界の方が大きいようで、人件費の比率が高いトラック輸送よりも、受けれる原油安メリットは空運・海運業界の方が大きいようです。
原油安メリットを享受できろうな関連銘柄を上手く狙いたい人は
原油安メリットが期待されてきそうな銘柄をいくつか挙げてみましたが、テーマ性を強めてくるかどうかは今後の報道内容にもよってくるかと思います。
株価は“今後への期待感”“思惑”などで大きく上げたりするものですが、今の相場は“新型コロナウイルスの感染拡大がいつ収束に向かうか”を見極めることが大切です。
今の相場は原油安のメリットを享受できる銘柄も含め幅広く売られてきています。
宅配や輸送に関連した企業は原油安でコロナウイルスによる悪影響を一部相殺できると考えれそうですが、“どこまで下げたら織り込むのか”を見定めるのが難しい局面となっているので、新型コロナウイルスに関する最新情報やWHOの発表内容は日々しっかりと確認するようにしましょう。
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