IoT関連銘柄

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第4次産業革命の中心として注目されてきているIoT関連銘柄。

まず大きく動くのは2020年と言われ、非常に大きな市場規模になると予測されていましたが、2019年12月18日、米IT大手のアマゾン・ドット・コム(Amazon.com, Inc.)、アップル(Apple)、グーグル(Google)の3社と、無線通信規格の策定を担う業界団体のジグビー・アライアンス(Zigbee Alliance)は、新たなワーキンググループを結成することを発表。

アップル(Apple)が発表したプレスリリースを読むと“セキュリティを基本的な設計思想として、新しいロイヤルティフリー(使用料無料)のコネクティビティ規格の開発、および採用を奨励することで、スマートホーム製品間の互換性を向上させることを計画しています”とありますが、現在は各社で異なるIoT機器の通信方式を共通の通信方式に統一する方向性で決まったようですね。

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」と言っても、通信方式の違いで好きなように簡潔に繋げれないんじゃって感じでしたが、通信方式が統一され機器メーカーの枠組みを超え互換性を持たせることが出来るようになるのはいいですね。

2020年後半に技術の仕様が公開される見通しのようですが、通信方式が統一されればIoT機器はより身近なものとなっていくのではないでしょうか。

問題はセキュリティ面になってくるかと思いますが、家電を人工知能(AI)スピーカーに話しかけることで簡単に動かせるようになり、通信機器を搭載したIoT機器が今後どんどん増えていくことが予想されますね。

英調査会社IHSテクノロジーによると、通信機器を持つIoT機器は、2021年に447億台と、2018年比で5割近く増える見通しのようです。

「IoT」は2020年また注目を集めてくるテーマ性ではないかと思われますが、「IoT」は「人工知能(AI)」や「ビッグデータ」「クラウド」など、様々な分野が関わるテーマだけあって、多くの関連銘柄が存在します。

また、IoTに似ている定義のものが多く、特に混合しがちなM2Mと間違って理解している人も少なくありません。

間違った銘柄を持ってしまわないように、まずはIoTとは何なのか、どんな分野が関わっているのか、どこで使われるのかを知るのが一番だと思います。

そして、IoT関連銘柄を調べる上でよく出てくる「ソリューション」とは何なのか?この言葉にフォーカスを当てて関連する銘柄をいくつかご紹介、そして本命銘柄はもちろんのこと、出遅れ・大穴銘柄も合わせて計12銘柄をご紹介したいと思います。

IoTとは

ニュースやネットで「IoT」という言葉をよく目にするようになったものの、正直なところ調べてみても同じような説明ばかりで、結局どういうことなのかイマイチまだ良く分かっていないという人も多いのではないでしょうか。

私自身、IoTを調べるにあたって色々なサイトを経由し、それぞれのサイトに書いてあることを繋ぎ合わせて、やっと理解することができました。

私なりに今回得た知識に基づいて、IoTとはそもそも何なのか?そして、混合しがちなM2Mとの違いを分かりやすく説明してみたいと思います。

IoTについて調べていると、「仕組み」が理解しにくかったりするかと思いますが、IoTの仕組みについてはIoTの構造を3層に分けることで、非常に分かりやすくなくなるかと思います。

IoTとは「あらゆるモノをインターネットに繋げる」こと

IoTとは「Internet of Things(インターネットオブシングス)」の略で、日本語に直訳すると「モノのインターネット」となります。

これは1999年Kevin Ashtonという人物によって作られた言葉で、「あらゆるモノ(道具)をインターネットに繋げる」ことを意味します。

インターネットというと、普段私たちが使っているグーグル(Google)などの検索エンジンを思い浮かべるかも知れませんが、検索エンジンはインターネットを使った1つのサービスです。

ここでのインターネットは「情報を送ったり受け取ったりする手段」と考えれば分かりやすくなります。

一つ例を挙げてみます。

家に誰も居ない時に宅配便が来た場合、普通は誰も対応することはできませんよね?しかし、インターホンがIoT化されたとしましょう。

まず、外出中に宅配便が来た場合、スマートフォンに通知が届き(情報を受け取る)ます。

そして、そのまま外出先でインターホンに出て対応する(情報を送る)ことができるんです。

このように、従来は情報を送受信する機能が付いていなかったモノにインターネットを繋げることで、私たちがモノから情報を受けとったり、逆に情報を送ることができるのがIoTです。

そして、IoTとよく混合しがちなものに「M2M」があります。

IoTとM2Mの違い

M2Mとは、「Machine-to-Machine(マシンツーマシン)」の略で「to」と「2(two)」が同じ発音であることから、M2Mと略されています。

日本語訳は特にありませんが、あえて訳すと「機械から機械へ」となります。

M2Mとは言葉通り、機械から機械へ情報を伝達することを表します。

CMで見かける自動ブレーキなどの自動運転技術で例えると、機械Aが車外の状況を読み取り、機械Bに伝えます。

その情報を受け取った機械Bが正しい運転を実行する。

といった風に、機械だけで完結するものがM2Mです。

つまり、IoTとM2Mの違いは、私たちが介入できるかどうかです。

IoTは、遠隔から操作したり・データを受け取ったり、あくまで私たちがモノを使います。

M2Mはリアルタイムでの正確な動作を機械が判断し、機械が実行することを意味します。

IoTの仕組みは、3層に分けると簡単

では、IoTとは一体どんな仕組みで成り立っているのでしょうか?

IoTのことを調べる上で一番複雑で難しい部分だと思います。

IoTは、デバイス・ゲートウェイ・サーバーの3層に分けることができ、この3つが連携してデータを送りあっているだけです。

あとは、それぞれの言葉の意味を知るだけで簡単にIoTの仕組みを理解することができるかと思います。

1.デバイス

「デバイス」とは私たちの使う家電製品に当たるもので、この「デバイス」には2つの役目があります。

1つ目は「センシング」と呼ばれる、状況を読み取る役目です。

デバイスに搭載された「センサ」を使って温度や速度を測定したり、光や画像を認識したりなど様々な状況を読み取ります。

例えると、温度を皮膚で感じ、目で画像を見る人間の五感と同じ役割です。

そして2つ目の役割が「フィードバック」です。

フィードバックとは、情報を受け取った際に実行する行動を指し、このフィードバックには「可視化」「通知」「制御」の3種類あります。

フィードバック分類表

このように、状況を読み取ること実行することを担っているのがデバイスです。

2.ゲートウェイ

モノをインターネットに繋げると言うと、家電製品などが直接インターネットに繋がっていることをイメージするかもしれません。

しかし実際は、回線やコストなど様々な要因によって接続できないモノが多数存在し、それを解決するのがゲートウェイです。

ゲートウェイは、モノとインターネットを仲介する通り道と考えて下さい。

モノから送信されたデータはゲートウェイを通り、インターネットを介して他のモノに送信され、逆に受け取る場合はインターネットからゲートウェイを通ったデータを受け取ります。

ルータのような機能を備えた機器で、要は多種多様なデバイスからのデータをインターネットを通りやすく処理するのがIoTゲートウェイって感じでしょうか。

IoTゲートウェイによりサーバーや送信経路であるインターネットの負荷を軽減することができます。

3.サーバー

サーバーとはデータを蓄積する機械のことです。

センサが読み取った情報は、用途によって他のデバイスに送信されることもあれば、サーバーに蓄積されることもあります。

私たちの捨てたゴミが地域ごとに決められたごみ収集所へ集められるように、データも各企業・用途ごとに決められたサーバーへ集められます。

デバイス・ゲートウェイ・サーバーの3層を連携させると、

  1. デバイスが読み取った状況をゲートウェイに送る。
  2. ゲートウェイからインターネットを介して他のデバイス・サーバーに送られる。
  3. それを受け取った他のデバイスが実行。サーバーが受け取った場合はデータを蓄積。

というIoTの仕組みが理解できると思います。

そして、最後に出てきた「サーバー」、実はこの「サーバー」の使い方を変えたことによってIoTが大きく進歩しました。

IoTを進歩させたクラウドとビッグデータの関係

IoTを調べる上で「クラウド」と「ビッグデータ」という言葉をよく目にすると思います。

これらは非常にシンプルで、それぞれ

  • クラウド – 必要な時に必要な分だけサーバーを利用できるサービス
  • ビッグデータ – 膨大な量のデータ

といった簡単な意味合いになります。

一見、「クラウドとビッグデータに何の関係が?」と思うかもしれません。

しかし、この2つは密接な関係にあり、IoTを大きく進歩させました。

IoTによって膨大なデータを得られるようなにった反面、毎日増えていく膨大なデータを蓄積し続けるには、大きなサーバーを増やし続けなくてはならず、管理作業とコストも増加し続ける悪循環にありました。

しかし、クラウドの発達によって、サーバー管理の必要が無くなり、初期費用が圧倒的に安くすむようになったので、様々な企業が活用することが可能となりました。

そして今後、IoTで収集されたビッグデータは様々な用途に活用され、大きな市場規模を形成すると予測されています。

また、IoTは企業だけでなく、私たちの身の回りにも活用され始めています。

IoT機器の活用例と市場規模

今後、私たちの生活に浸透するであろうIoT技術はどういう風に役立つのか?

そしてどれくらいの市場規模を形成するのか?具体的な活用例と今後の市場規模予測をご紹介します。

IoTの活用例

皆さんはオムニ家電・スマート農業という言葉をご存知ですか?

巷で話題のIoTは、私たちの身近な家電製品・医療・農業にも活用されています。

家電製品におけるIoT-オムニ家電

IoT関連で一番身近なものと言えば家電製品でしょう。

IoTを使った家電製品はオムニ家電と呼ばれ、例えば、音声認識で今日の献立を一緒に決めてくれるオーブンなどが話題になりました。

その他、スマートフォンで中身を確認できたり、Amazonに商品を注文できる冷蔵庫や、IoT家電と連動して指示したことを実行してくれるロボットも発表されてきています。

IoT化が進むことで、「200℃でオーブンを予熱しておいて」「賞味期限が近い食材は?」など、問いかけるだけで家電製品が全てこなしてくれるSF映画のような未来が次々と現実のものとなっていこうとしています。

しかし、家電製品のほとんどがIoT化することについて、セキュリティ面が懸念されています。

あらゆるモノがネットに繋がるということは、現在起こっているPC・スマートフォンへの不正アクセスが、冷蔵庫・オーブン・洗濯機などにも及ぶ危険性があるということになります。

これにより、1台で家中すべてのIoT家電用を守るセキュリティシステム製品も開発・販売されてきています。

医療におけるIoT

2017年12月、大塚製薬(4578)が医薬品と医療機器を一体化した「デジタル薬」を世界で初めて実用化しています。

錠剤に極小センサーを内蔵したもので、胃の中に入った錠剤が解け、胃液にセンサーが触れるとセンサーから電気信号が発信され患者の腹部に張り付けた受信用の検出機器が信号を捉えます。

どういう時に使用するものなの?と思われた人もいるかと思いますが、統合失調症の患者の4割の方は退院してから6ヵ月ほど経つと薬をきちんと飲まなくなるようで、このデジタル薬を使用し、きちんと飲んだのかどうかが分かることで、適切な治療や医療費抑制に繋がるようです。

また、グーグル(Google)系列のVerily Life Sciencesはコンタクトレンズにインターネットとセンサーを搭載して、涙の成分から血糖値を測定する「糖尿病患者医療支援コンタクトレンズ」の開発を進めていました。

センサ搭載コンタクト画像

リアルタイムで血糖値などの状態が分かるようになれば、特別な医療機器を装着したり、わざわざ病院へ足を運んで血液検査をする必要がなくなるということで注目を集めましたが、2014年に立ち上げられたこの糖尿病患者の血糖値を涙液で測定するスマートコンタクトレンズの開発は2018年に“涙液膜中の少量のグルコースから正確な血糖値を測定するのは難しい”という結論から打ち切られることとなりました。

しかしながら、白内障や老眼のためのスマートレンズの開発はAlconと共に続け、血糖値測定ツールに関しては、スマートレンズ以外の形で開発していく計画のようです。

農業におけるIoT-スマート農業

一見関係のなさそうに思える農業ですが、スマート農業と呼ばれる農業のIoT化が進んでいます。

農業では、AIやIoTを駆使することで農機の自動走行による安全な無人作業の実現、ロボットによる自動収穫など、様々な作業の自動化が研究されきています。

また、画像解析を使うことで「赤いトマト」を判別し、収穫すべきもののみ収穫したり、害虫による植物病の兆候を早期発見するなど、生産現場での「可視化」が進んでいます。

作業を正確に効率よく行えるこの農業ロボットのコストは、2027年までには人が行う場合と変わらないくらいのコストになっており、農業の高齢化に伴う人手不足の改善につながると言われています。

様々な場面で活用され始めているIoTですが、今後、一体どれくらいの市場規模になってゆくのでしょうか?

IoTの市場規模

様々な産業の市場調査のレポートを公開しているReportsnReportsによると、2016年には160億ドル(約1兆8000億円)だったIoT市場は、2023年には1950億ドル(約22兆円)にまで成長すると予測されています。

NCTAデバイス数予測グラフ

また、アメリカのテレビ事業者連盟NCTAは、2014年にIoT機器の普及予測グラフを公開しています。

グラフによると、2017年では約300億台にまで増加し、2020年には500億台以上ものIoT機器が世界中で使われていると予測されています。

さらに、ICTアドバイザリ企業のGartnerは2014年に「IoT半導体はどの分野からの収益が多いのか」を示したグラフを公開しています。

IoT需要分野グラフ

消費者自動車産業工業関連その他に分かれており、消費者がほとんどを占めている2013年から時間と共に自動車産業工業関連からの需要が伸びていく予測です。

企業で使われるIoT機器の増加の背景には「ソリューション」が関係しています。

この「ソリューション」によって様々な場面のIoT化が進んでいるといっても過言ではありません。

IoTソリューションとは?IoT関連銘柄の中でも期待大!

IoT関連銘柄を調べていると「IoTソリューション」という言葉がよく出てきますよね?

これはIoTを使ったビジネスモデルの1つであり、IoTを駆使することで企業の問題を解決するサービスのことです。

IoTによって企業の問題を解決するIoTソリューションですが、一体どのような場面で役立っているのでしょうか?

NECが行っているIoTソリューションの画像と共に紹介します。

IoTソリューション画像

IoTソリューションで可能になることは「見える化」が主に挙げられます。これはデバイスの説明に出てきた「可視化」を分かりやすくした言葉です。

例えば、物流の分野を「見える化」すると、何がどこにどのように届いているのかをリアルタイムで把握できるようになります。

流通・サービスの分野では、店舗の売り上げデータから最適な特売価格を算出する「特売価格最適化」。

また、複雑な条件を加味して商品の需要を高精度に予測し、販売計画の見直しを図るこ「商品需要予測」。

そして、店舗などに設置しているカメラで画像解析をすることで、人の行動パターンを解析する「人流解析」を行い、どのコーナーを見た客が次にどこに行きやすいかなどを「見える化」することで、商品を置く場所を最適化するための参考データを得ることができます。

画像解析は人流解析だけでなく、犯罪防止のためのセーフティ機能にも使われています。

大量の顔画像から短時間で同一人物を特定したり、混雑環境での異変、犯罪に繋がりやすい行動を検知することが可能です。

上記以外にも様々なIoTソリューションサービスがあり、これから説明する本命IoT関連銘柄では、NSW(9739)、日立製作所(6501)、NEC(6701)がIoTソリューションに力を入れている会社になります。

IoT関連銘柄【情報・通信業で注目の本命銘柄7選】

情報・通信業でIoTサービスを強化してきているNSW(日本システムウエア)を筆頭とし、IoT関連銘柄の本命として注目したい7銘柄ご紹介します。

IoT関連銘柄 NSW(日本システムウエア)【9739】

9739 NSW(日本システムウエア)のチャート

NSW(日本システムウエア)はIoTソリューションサービスの一環として、様々な事業内容に対してのプラットフォームを展開しています。

IoT化が進む今、IoT専用クラウドプラットフォーム「Toami」が注目されています。

IoT専用プラットフォーム「Toami」とは、通信環境を選ばないアプリを使ってネット上でIoTを編集できるというものです。

様々な機能をクリック一つで追加でき、プログラミングを使わずにIoTの開発ができます。

これにより、IoTサービスの導入までのスピード短縮・コスト削減を可能にしています。

この「Toami」によってIoT化を比較的容易にし、IoT発展の促進に貢献しているNSW(日本システムウエア)ですが、他社のプラットフォームとの競争が気になるところです。

IoT関連銘柄 日立製作所【6501】

6501 日立製作所のチャート

日立製作所(6501)もIoTソリューションサービスに力を入れている一つの企業です。

鉄道・公共・製造・医療・物流・エネルギー・農業の分野に分けて展開しています。

また、NSW(日本システムウエア)と同じくプラットフォームを開発しており、IoTプラットフォーム「Lumada」を使って数々の企業の経営課題を解決しています。

近年心配されている建物の老朽化に伴う現状把握を効率的に実施したい、という依頼では、電車や営業車にセンサを取り付け、走行中に建物のデータを収集するという画期的な方法を提案しています。

独自のプラットフォームとソリューションサービスを持つ日立は、農業のIoT化にも精通しており、IoT関連銘柄に加えスマート農業関連とも言えるでしょう。

IoT関連銘柄 NEC(日本電気)【6701】

6701 NECのチャート

NEC(日本電気)は2015年7月に、2020年のIoT関連事業の売上高を3000億円に拡大、チームの人員を500人に拡大することを発表。

これによりIoT関連事業の本格的な拡大の意向が見受けられ、IoT関連銘柄の本命として注目されました。

ソリューションとはでご紹介したサービス以外にも、新たに様々なソリューションを発表しています。

NEC(日本電気)は2017年5月に、AIを活用してCustomer Experience(顧客経験価値)の理解を通すことで、企業と顧客の絆を強化するソリューションを体系化し「NEC Customer Experience Solution」として確立させました。

これによりビジネスモデルが劇的に変わる業種(製造、金融、流通、サービス業)の顧客を中心に提案していくとのことです。

また、ガスメーターの指針データをIoTで送信し、それをAIで分析することでガスの供給計画や配送ルートを提案するサービスを開発中との発表もあり、IoTに積極的な銘柄の1つとなっています。

他にも、多様なデータをリアルタイムで収集する小型IoTゲートウェイ端末「エッジゲートウェイ(Linux Debian搭載)を取り扱っていたり、IoTセキュリティ製品も取り扱っています。

規模が大きいだけに様々な事業を展開してきてますが、時価総額も大きいので安定的な銘柄と言えるでしょう。

IoT関連銘柄 三菱電機【6503】

6503 三菱電機のチャート

三菱電機(6503)は日本の大手総合電機メーカーで、三菱グループの中核の会社です。

IoTを第4次産業革命と捉え、特に力を入れて展開しています。

代表すべき事業は電波の「見える化」です。

対象となるエリアの航空写真から3次元モデルを構築することで、現実に近い条件での電磁界シミュレーションを可能にしました。

また、この電波の「見える化」によって専門家による無線機器の配置設計が不要になり、街全体だけでなく、トンネルやオフィスへのIoT導入にかかる時間やコストの削減にも貢献するそうです。

電波の見える化画像

IoTを導入にするにあたって下地となる技術を開発した三菱電機は、IoT関連には欠かせない銘柄といっても過言ではないでしょう。

また、IoT化の急激な成長に伴いデータ通信が膨大な量となることでエッジコンピューティングが必要とされてきてますが、三菱電機はエッジコンピューティングを核とし、ものづくり全体のIoT化、最適化を実現するFA-IT統合ソリューション「e-F@ctory」を提供してきています。

※エッジコンピューティングとは:データを遠く離れたデータセンターへ送信することはせず、端末の近くにサーバーを分散配置するネットワーク技法のこと。エッジ処理と呼ばれたりするが、そのデバイス自体、または近くのサーバーもしくはコンピューターで必要なデータ処理を行うことで、上位システムへの負荷や通信遅延を解消する。

IoT関連銘柄 三井物産【8031】

8031 三井物産のチャート

三井物産(8031)は資源・エネルギー、物流ネットワーク、生活産業、インフラの4つに関する様々な事業を展開している商社です。

また、三井物産は多くのIoT企業と連携・出資を行っています。

ハードウェア・クラウドを得意とするウフル、AIを使ったIoT事業を行うGRID、IoTデータ管理ソフトウェアの開発・販売を行っているOSIsoftなどの会社と連携事業を行っており、IoTに積極的な会社なので注目しておきたいです。

様々な会社・テーマに関連する銘柄なので、IoT関連だけでなく他のテーマ株としても目が離せません。

IoT関連銘柄 TIS【3626】

3626 TISのチャート

TIS(3626)は三菱東京UFJ銀行のシステム子会社として設立された会社です。

金融向けが主力の情報サービス大手で、JCBを中心としたクレジットカード会社の基幹システム(主な業務を支えるシステム)として国内シェア率50%弱で首位。

また、デビットカード・プリペイドカードのシステム構築おいても注目されてきています。

TISは2016年4月5日、IoTを活用した「消費電力可視化サービス」の開始を発表しています。

これは、配線にクリップセンサを取り付けることで、消費電力データを収集し、専用のWebサイトでリアルタイムに確認できるというサービスです。

TIS電力可視化資料1

これらのデータを分析することで、消費電力の抑制に加え、各機器の利用時間帯を把握できるため、多くの拠点を持つ飲食業などで利用を見込みるサービスとなります。

TIS電力可視化資料2

また、TISはEU(欧州連合)の次世代インターネット官民連携プログラム(FI-PPP)で開発・実装された基盤ソフトウェア「FIWARE(ファイウェア)」の普及を推進する比営利団体「FIWARE Foundation」にゴールドメンバーとして参画したことを2018年6月に発表(日本企業としては2社目)。

「FIWARE」は、公共サービスを提供する自治体や企業などの業種を越えたデータの利活用やサービス連携を促すためのオープンソース・ソフトウェア(OSS)として開発され、標準化されたオープンAPIを持つIoTサービスプラットフォームですが、TISは、「FIWARE」を「ロボット間のデータ連携」と「ロボットやIoT、オープンデータなどのデータ連携」に活用し、ロボットのインテグレーションサービスを提供するための「人とロボットの共生」を実現するプラットフォームの研究開発を行ってきています。

時価総額が大きいですが、堅調に業績を伸ばしてきていて、PERは19倍ほど、基幹システムでの実績に加え、飲食店による「消費電力可視化サービス」の利用などでIoT関連銘柄として今後も期待できそうな銘柄ではないでしょうか。

IoT関連銘柄 セゾン情報システムズ【9640】

9640 セゾン情報システムズのチャート

セゾン情報システムズ(9640)は工場でのIoT化の実装を行う際に直面する、開発コスト、運用負荷、セキュリティ対策、データ欠損やネットワーク帯域圧迫などの課題を解決する製品「HULFT IoT」を取り扱っている会社です。

2018年3月に日本電産(6594)とIoTクラウド分析サービス「Simple Analytics(シンプル アナリティクス)」を共同事業として提供することを発表。

2019年2月にTISインテックグループのクオリカと製造業向けIoTプラットフォーム提供で提携しています。

製造業のファクトリーオートメーション(FA)や産業機器もIoT活用の先進的な取り組みが行われてきていますが、こちらもIoT関連事業が伸びてくることを期待したい銘柄ではないでしょうか。

IoT関連銘柄【狙い目となりそうな大穴・出遅れ銘柄5選】

時価総額が小さめのぷらっとホームをはじめとする、大穴・出遅れIoT関連銘柄を5つご紹介します。

IoT関連銘柄 ぷらっとホーム【6836】

6836 ぷらっとホームのチャート

ぷらっとホーム(6836)はゲートウェイを開発・販売している会社です。

同社製品は「OpenBlocks IoT」と呼ばれ、最新のものは「OpenBlocks IoT BX5」になります。

OpenBlocks IoT画像

この「OpenBlocks IoT BX5」は従来のOpenBlocks IoTシリーズがNTTドコモ LTE/3GやKDDI LTEに対応したもので、IoTの導入に必要な要素・部品が全てパッケージ化されているため、IoT導入を非常に容易にしました。

これによりIoT化を考えている企業が導入しやすくなり、産業のIoT化を促進させました。

また、このOpenBlocks IoTを売り出すにあたって、「センサ」「デバイス」に精通した企業と連携をとる「IoTセンサー・デバイス パートナープログラム」を開始しました。

開始時点で7社が参加しましたが、IoT関連のプレスリリースを色々と発表してきており、今後も多くの企業との連携が期待できそうです。

さらに、ぷらっとホームは時価総額が20億円と極小

業績悪化で不人気銘柄となった印象ですが、IoT関連需要が伸び業績が上向いてくればって感じの銘柄でしょうか。

IoT関連銘柄 アプリックス【3727】

3727 アプリックスのチャート

アプリックス(3727)は元々、パソコン・スマートフォン向けのソフトウェアを電子機器メーカーにライセンスすることが柱の企業でした。

しかし、高い収益性を維持するのが難しくなったことから、従来の事業を整理した上でIoT事業を中核とすることを2016年2月22日発表しました。

アプリックスでは、製品に組み込むことで効率的に管理できるモジュールから、アプリ、ビッグデータ対応のクラウドサービスまでを一貫して提供することで、世界最大手キッチンシンクメーカー「フランケ」や北米大手ペット用品メーカー「OurPet’s」をはじめとする国内外の企業からの採用が増加しています。

ビジネスモデルを転向したことによって、IoT関連銘柄として脚光を浴びることとなったアプリックス。

令和元年12月は赤字が縮小してきていますが、自己資本比率が高い会社なので、IoT関連事業が伸びてくるとしたら注目を集めてきそうな銘柄ではないでしょうか。

IoT関連銘柄 イルグルム【3690】

3690 イルグルムのチャート

イルグルム(旧社名:ロックオン)は元々、インターネット上での企業と顧客のコミュニケーション円滑化を目的とする「マーケティング オートメーション カンパニー」として活動していました。

また、デジタルマーケティングとEコマース(電子取引)の2つの分野で事業を展開しており、両事業国内シェアNo.1の会社でした。

しかし、2015年11月17日の決算発表にて、「マーケティング ロボット カンパニー」へと経営方針を変革することを発表。

この「マーケティング ロボット カンパニー」とは、リアルとネットを融合した「企業と顧客のコミュニケーションの円滑化(自動化・効率化)」を目的とした営業方針です。

つまり、これまでの事業で培った「ビッグデータ」「人工知能(AI)」「IoT」の技術とビジネスモデルを活用し、ネット上に限らずリアル領域(現実)でも事業を推進していくとのことです。

経済産業省の試算では、ロボット事業は2035年には10兆円産業になるとされており、ロックオンもロボットを使ったリアル領域(現実)へのマーケティングに踏み切ったことで、新たなIoT関連銘柄として脚光を浴びた経緯がある銘柄です。

経済産業省ロボット事業グラフ

IoT関連銘柄 JIG-SAW(ジグソー)【3914】

3914 JIG-SAW(ジグソー)のチャート

ジグソー(3914)は、2016年に株価を大きく上げるも、ジグソーについてWell Investments Research社が考察したレポート“とても「不可解な」株式”が悪材料視され急落した経緯がある銘柄ですが、企業運営のクラウド・サーバー自動監視や保守業務を行っている会社で、IoT組込やAI活用を展開してきています。

AI(人工知能)によるビッグデータの自動制御やネット環境の自動監視システム、システム管理・システム運用においてのサポートを展開していて、ビッグデータを得意としていることから、AI、ビッグデータ、IoT関連銘柄と様々なテーマに関連している銘柄です。

2017年5月、サーバー・クラウドの運用を行っているGMOクラウドと「IoTの窓口」における提携を発表しました。

「IoTの窓口」とは、MGOクラウドが提供する、企業がIoT化するにあたっての企画・開発、無料相談などを行うサービスです。

サーバー・クラウドを運用し、20年以上にわたりインターネットにかかわり続けてきたMGOクラウドと、ビッグデータの監視・運用のノウハウを持つジグソーが提携することで、様々な問題に対応することが可能となりました。

2016年はAIやIoTなどの流行テーマにて人気化し、株価 5,420円から23,920円と2ヶ月で4倍以上にまで値上がりしましたが、悪材料されたレポートの印象もだいぶ薄れたのではないかと思われるので、今後AI、ビッグデータ、IoT関連銘柄としてまた注目されるかもしれません。

IoT関連銘柄 ユビキタスAIコーポレーション【3858】

3858 ユビキタスAIコーポレーションのチャート

ユビキタスAIコーポレーションは、ソフトウェアの開発・ライセンス提供を行っている会社です。

IoT関連ソリューションに注力してきている会社ですが、IoT製品の基盤となるプラットフォーム「dalchymia(ダルキュミア)」を提供したことでIoT関連として名前が挙がるようになりました。

しかし、事業譲渡に伴い2017年4月1日より、dalchymiaはソーバル株式会社が運営することとなりました。

譲渡後もユビキタスAIコーポレーションとソーバルはIoT事業において提携し、ユビキタスAIコーポレーションのソフトウェア開発技術とソーバルの注力するAI・クラウドの連携によって新たなサービスを提供していく方針となっています。

プラットフォームを譲渡したことで、ユビキタスAIコーポレーションは元々得意とするソフトウェア開発に力を入れることができ、ソーバルは譲り受けたプラットフォームと共にAI・クラウドの開発を進めることができるので、今後この2社の連携によってより良いサービスができることを期待したいです。

また、ユビキタスAIコーポレーションは2019年4月からセキュアIoTサービス開発ソリューション「Edge Trust」を販売していますが、ソリューション「Edge Trust」で使用される独自技術を特許申請しています。

IoT関連銘柄としてジグビー・アライアンス(Zigbee Alliance)のメンバー企業にも注目?

米大手IT3社と、無線通信規格の策定を担う業界団体のジグビー・アライアンス(Zigbee Alliance)が規格づくりを主導する「プロジェクトコネクテッドホーム・オーバーIP」を立ち上げると発表したことで、ジグビー・アライアンス(Zigbee Alliance)のメンバー企業に注目が集まるかもしれません。

なので2008年にジグビー・アライアンス(Zigbee Alliance)が日本でオープンハウスイベントを開催した際のメンバー企業も記載しておきたいと思います。

ジグビー・アライアンス(Zigbee Alliance)のメンバー企業

テキサス・インスツルメンツ/ エンバー・コーポレーション/ フリースケール・セミコ
ンダクタ/ デインツリー・ネットワークス/ アトメル/ ジェニック・リミテッド/ メシュネティクス/ ルネサス テクノロジ/ トリリアント・ネットワークス/ レディオパルス/ CEST/ OTSL/ 沖電気工業/ KDDI 研究所/ ディジ インターナショナル/ ZigBee SIG-J/ NEC エンジニアリング/ 三菱電機/ ワイヤレス・グルー・ネットワークス/ NEC エレクトロニクス/ 日立製作所

KDDI(9433)はIoTプラットフォームを提供している会社「ソラコム」を連結子会社とすることを2017年8月に発表してますね。

ソラコムは2017年6月15日にグーグルクラウドと連携することを発表している会社で、IoT製品の土台部分の開発やグーグルとの連携で注目されていた会社です。

また、沖電気工業(6703)は2019年10月、「社会インフラ×IoT」をキーメッセージに高度IoT社会を実現するための重要施策として、AIエッジコンピューティング戦略を発表しています。

2019年12月18日にアップル(Apple)が発表したプレスリリースではジグビー・アライアンス(Zigbee Alliance)委員会メンバー企業として“IKEA、Legrand、NXP Semiconductors、Resideo、Samsung SmartThings、Schneider Electric、Signify (formerly Philips Lighting)、Silicon Labs、Somfy、Wulian”などが挙げられ、統一規格づくりに日本勢は参加していない印象を受けましたが、2020年後半に技術の仕様が公開となった際は、恩恵を受けそうな銘柄がないか、またいち早く探っていきたいところでしょうか。

IoT関連銘柄まとめ

IoTは家庭製品だけでなく様々な産業を大きく進歩させるものであり、2020年を境に大きな市場を形成していくのではないかと思われます。

IoT関連銘柄の中には業績が悪く株価の動きも低迷している銘柄もありますが、通信方式が統一されIoT化が大きく進むことで業績を伸ばしてくる会社もあることでしょう。

なので今後業績を伸ばしてきそうなIoT関連銘柄にはしっかりと注目していきたいところではないでしょうか。

IoT関連銘柄は非常に数が多いので、IoT自体のことをきちんと理解し、各銘柄のサービス内容が何に使われるのか、提供しているものが本当に関係あるのか、見極めながら物色していくのが大切かと思いますが、最近は株情報サイトで取り上げられることで人気化するケースも珍しくないので、IoT関連銘柄を上手く物色していきたいと思われる方は、最新のテーマ株情報などをリアルタイムに配信してくれる株情報サイトを上手くトレードに活用してみるといいかと思います。

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