地球温暖化対策として世界的に温室効果ガス(二酸化炭素やメタン等)の排出量を削減する流れとなり、再生可能エネルギー(太陽光・水素・風力・バイオマス等)や水素エネルギー、アンモニア燃料など、環境負荷の低いクリーンなエネルギー・次世代電源への移行が求められてきています。
世界各国が温室効果ガスの削減目標を発表してきていますが、そうした中で、2021年10月12日、フランスのマクロン大統領は「小型モジュール炉(SMR)」を2030年までに国内で複数導入することを発表しました。
日本では震災による福島での原発事故が大きな問題となりましたが、原子力発電について自民党の甘利明幹事長は“温暖化対策のために原発に一定割合頼るとすれば、より技術の進んだもので置き換える発送がなければいけない”とし、開発中の小型モジュール炉(SMR)を実用化して建て替えるべきであることを提唱しています。
温暖化ガスの削減目標を実現する上で、小型モジュール炉(SMR)は温暖化ガスを排出しない次世代電源として期待されてきているようです。
原子力発電に頼らずクリーンエネルギーだけで電力を補うことができればいいのですが、今回は注目を集めてきている「小型モジュール式原子炉(SMR)」について、その仕組みやメリット・デメリットなどについてまとめてみたいと思います。
関連事業を行っている企業についても記載していますので、追い風を受けそうな銘柄を探られている方は是非、最後までご参照になってみて下さい。
目次
小型モジュール式原子炉(SMR)とは?
小型モジュール式原子炉(SMR:Small Modular Reactor)とは、“従来の原子炉の数分の1サイズの核分裂炉”のことを言います。
つまり、その名の通り原子力発電であり、放射性崩壊する核分裂性物質を燃料として使います。
従来型の出力100万キロワット級の原子炉と異なる最大の違いはサイズが小さいことで、IAEA(国際原子力)では30万キロワットまでを小型、70万キロワットまでを中型としています。
2021年10月13日付で日本経済新聞に「小型モジュール炉とは 次世代電源として期待」という記事が掲載となっていますが、そちらでは“発電の出力は30万キロワット程度と小さく、スケールメリットが効かないため通常の原発と比べ発電コストが下がりにくい”と記載されています。
小型モジュール式原子炉(SMR)の仕組み
出典:GAO,based on Department of Energy documentation.
小型モジュール式原子炉(SMR)は原子力発電であり、その仕組みはウランの崩壊による熱を利用し液体を加熱し蒸気を発生させ、その蒸気でタービンを回し発電を行うというものです。
革新的な仕組みがあるという訳ではなく、その技術の殆どは、数十年前に既に考えられたもののようです。
SMRは1950年代から存在し、実は新しい技術という訳ではないようですが、再びこの技術に焦点があてられてきている背景としては“温室効果ガスの削減目標を実現するためには原発に一定割合頼る必要性”も選択肢の一つとして合理的に考えなければいけないという感じでしょうか。
小型モジュール式原子炉(SMR)のメリット・デメリット
フランスは小型モジュール炉を2030年までに複数導入するとし、10億ユーロ(約1300億円)を投じるとしていますが、2018年時点では2035年までに原子炉58基中14基を閉鎖し、エネルギー生産に占める原発の依存度を7割超から5割に下げると表明していました。
原子力発電が再評価される流れとなったのには様々な背景があるかとは思いますが、小型モジュール炉は“既存の原発と比べ安全性が高い”のがメリットとされています。
小型モジュール式原子炉(SMR)のメリット
フランスのマクロン大統領がパリで行われた演説にて“はるかに安全だ”と指摘されたようですが、SMRを支持する人は従来の原子炉より小型モジュール原子炉はより安全であることを主張しており、これが大きなメリットの一つとされています。
- 従来の原子力発電よりも安全性が高い
- 従来の原子力発電よりも早く建設することが出来る
- 大規模な集中型工場で製造できるためコストを安く抑えることが出来る
- 廃止された石炭火力発電所跡地に導入することが出来る
- 遠隔地の施設や地域社会にクリーンな電力を供給することが出来る
小型モジュール式原子炉(SMR)は、いま多くの国が開発に注力してきていますが、アメリカのスタートアップ企業の創業者は“はるかに異なるレベルの安全性です”“福島の事故のすべての教訓も設計に役立てました”などと話されているようです。
大半の原子炉には受動的安全機能が整備され、監理や運転に多くの注意が払われています。
従来の原子炉も高い安全性を誇っていたかと思いますが、それでもチェルノブイリや福島で原発事故は起こり、多くの人の命が奪われ、莫大な経済的損失をもたらすこととなりました。
研究開発を行う側の人は“高い安全性”を主張せざるを得ない立場かとは思いますが、原発事故が起こる可能性をゼロにできるわけではないと思うので、原発への依存度は可能な限り抑える方向性を期待したいものですね。
しかしながら、もし新たに導入するとすれば、大型な原子炉よりも、原子炉の容積に対する表面積が大きく冷却しやすい小型モジュール炉(SMR)にして欲しいかもしれないですね。
小型モジュール式原子炉(SMR)はプレハブ住宅のように事前に主要機器を工場で製造でき、現地に運んでから据え付けることができるようです。
小型でコストを抑えることができ、比較的狭い地域ごとに発電所が散在する形が想定され、万一の事故の影響も少ないとされています。
小型モジュール式原子炉(SMR)のデメリット
逆に、デメリットとしてはどういった点が挙げられるのか?
小型モジュール式原子炉(SMR)のメリットとして従来より安全性であることやコストが安いことが挙げられますが、デメリットとしては廃炉に時間とコストを掛かる点や、セキュリティ上の問題などが挙げられています。
- 廃炉には時間とコストが掛かる
- セキュリティにコストが掛かる
- 事故が起きた際は莫大な経済的損失をもたらす
- 賠償責任保険に上限が設定される
原子炉の廃炉には20~30年ぐらいかかると言われていたり、100年かかるとも言われていて、その廃炉に掛かるコストは「事故廃炉費用」という名目で8兆円計上されていたりします。
震災による影響で福島にて原発事故が起こってしまいましたが、日本政府は処理費を総額21.5兆円と見込んでいます。
福島での原発事故は日本経済全体に合計約1兆米ドルとみられる損失をもたらしたと言われていたりしますが、原子炉の廃炉に掛かる時間とコストはとても大きなデメリットと言えそうですね。
また、“濃縮された放射性物質”はテロリストが「ダーティーボム」と呼ばれる放射性物質を拡散することを目的とした爆弾装置を作るために喉から手が出るほど欲しい物質とされるため、原子炉は高いセキュリティが求められます。
サイズが小さくなったとしても、原子炉はどうしても高いセキュリティコストが必要となってくるようです。
小型モジュール炉の開発に取り組んでいる日本企業・関連銘柄一覧まとめ
それでは、小型モジュール炉(SMR)の開発に取り組んでる日本企業・関連銘柄についてまとめご紹介してみたいと思います。
小型モジュール炉(SMR)関連銘柄 日立製作所(6501)
日立製作所(6501)は総合電機・重電トップとなる企業ですが、GE(米ゼネラル・エレクトリック)との合併会社「日立GEニュークリア・エナジー」を茨城県日立市に設立し、出力30万キロワットの小型原子炉を開発中です。
開発中の小型モジュール炉(SMR)は“異常時でも外部電源と運転操作を必要とせずに炉心を冷却できる”のが特徴のようです。
原子炉を地中に埋めるため、より冷却しやすく、テロリストからの防護面においても優れた原子炉のようですが、北米で2030年ごろの実用化を目指しているようです。
小型モジュール炉(SMR)関連銘柄 東芝(6502)
総合電機大手の東芝(6502)は冷却材に液体ナトリウムを使用する高速炉など2種類を開発しています。
同社が開発中であるとされている小型ナトリウム冷却高速炉「4S(原子炉)」は、発電出力1万キロワットと5万キロワットの2種類が設計されています。
“小型の原子炉が中性子を漏らしやすい”という特徴を逆手に取った発想で、燃料を装填しただけでは臨界にならないという安全性を備えているとされています。
小型モジュール炉(SMR)関連銘柄 三菱重工業(7011)
総合重機最大手で航空・宇宙・造船・防衛産業などに注力している三菱重工業(7011)ですが、同社は建設費が1基あたり2000億円となる出力30万キロワットの原子炉を開発中です。
同社が開発を行っている小型原子炉は、蒸気発生器や加圧器といった主要機器を原子炉容器内に統合することで小型可を可能とするようです。
小型モジュール炉(SMR)関連銘柄 IHI(7013)
IHI(7013)は総合重機大手で航空エンジンで首位の会社ですが、同社は米スタートアップのニュースケール・パワー社へ4000万ドル(約44億円)を出資し開発計画に参画しています。
まず米アイダホ州での発電所建設に参加し、同業の米フルアと共に建設管理を担うようです。
小型モジュール炉(SMR)関連銘柄 日揮ホールディングス(1963)
日揮ホールディングス(1963)はエンジニアリング国内首位となる会社で、世界各地で石油、化学、発電、LNG関連プラントの建設を行っていますが、同社も米スタートアップのニュースケール・パワー社へ出資しています。
ニュースケール・パワー社が開発する小型モジュール炉(SMR)は複数の原子炉をまるごとプールに沈めて冷却する仕組みのようで、安全性が高いとされています。
小型モジュール炉(SMR)関連銘柄 関西電力(9503)
関西電力(9503)は原発依存度の高い電力会社ですが、小型モジュール炉(SMR)に関心を寄せており、2021年2月に発表した「ゼロカーボンビジョン2050」では、小型原子炉の導入の検討を盛り込むなど、脱炭素に向けた有力技術と捉えています。
小型モジュール炉(SMR)関連銘柄 助川電気工業(7711)
助川電気工業(7711)は温度測定・加熱製品メーカーで、熱制御技術に強みのある会社です。
原発から一般産業向けにシフトしてきていますが、同社は核融合炉のブランケット材として注目されている液化リチウム・溶融塩関連機器開発や液体ナトリウムの用途拡大の研究等を進めています。
また、同社は2021年4月16日に量子科学技術研究開発機構からJT-60SAダイバータカセットの制作を3億7620万円で受注したことを発表しています。
核融合エネルギーの早期実現のために、「国際熱核融合実験炉(ITER)計画」と並行して日本と欧州は共同でプロジェクト「JT-60SA計画」を実施してきていますが、この「ダイバータ」は、核融合反応で生じたヘリウムや不純物を排気してプラズマの純度を保持するとともに、プラズマからの高い熱を受け止める機器のようです。
熱制御技術に特化した製品を提供し、原発向けで高い実績を持っていることで原発関連の有力株として投資資金が向かった印象ですが、同社株はチャートを見ると2021年10月15日も大きく買われ8連騰となっていますね。
時価総額の軽さもあってかテーマ株らしい値動きをみせていますが、同社株が大きく買われたことで「原子力発電部材・部品」を関連テーマとした銘柄へ物色人気が更に波及してきそうな感じでしょうか。
原子力発電部材・部品関連銘柄の本命株・出遅れ株を上手く狙いたい人は?
脱炭素化は世界的な課題となっていますが、その実現は容易ではないため、再生可能エネルギーの導入が順調に進んだとしても、2050年時点の電源構成に占める割合は日本を含む多くの国で50~60%にしかならないとみられています。
なので、脱炭素化を実現するには“原発を組み合わせての実現”が現実的と考えられてきているようです。
日本は東京電力福島第1原発事故により原発への不信感が未だ強い印象ですが、甘利明幹事長の発言や「自民党の政策パンフレット(令和3年)」を見る限り、日本政府は環境と経済の好循環実現のために“安全が確認された原子力発電所の再稼働”や“SMR(小型モジュール炉)の地下立地”を支援・推進する方針となりそうな感じでしょうか。
直近では自民・甘利幹事長の発言が刺激材料となった印象ですが、小型モジュール炉の市場規模は2026年に113億米ドル到達と予測されていたりすることを考えると、テーマ株「小型モジュール炉(SMR)関連銘柄」や「原子力発電部材・部品関連銘柄」の値動きには今後も引き続き注目したいところではないでしょうか。
「原子力発電部材・部品関連銘柄」としては「助川電気工業(7711)」をご紹介しましたが、日本製鋼所(5631)、荏原(6361)、木村化工機(6378)、日本ピラー工業(6490)、帝国電機製作所(6333)、オルガノ(6368)、ニチアス(5393)なども買われていますね。
原子力発電部材・部品関連銘柄の中でも小型モジュール炉(SMR)との関連性が強そうで、時価総額が軽く出遅れ株として買われてきそうな銘柄がないか、しっかりと探っておきたいところではないでしょうか。
2021年10月12日付で日本経済新聞に『自民・甘利幹事長「原発、小型炉で建て替えを」』という記事が掲載となっていましたが、こうした銘柄はニュースや新聞で取り上げられたり、著名なアナリストが紹介したりするなどして物色人気を強めてきたりします。
なので、投資家からの注目を集め株価を上げてくる銘柄を上手く狙いたいと思われる方は、リアルタイムに最新の話題性に絡んだ銘柄情報などを配信している株情報サイトにメルマガ登録するなどして、『自分で時間をかけて色々と情報をチェックする』のではなく『アナリストなどが簡潔にまとめてくれた情報をリアルタイムに受け取る』ようにしておくといいかと思います。
2021年もあと2ヶ月半ほどとなりますが、2021年このあとの相場で流れに沿った個別銘柄を上手く物色していきたいと少しでも思われる方は、試しにでも一度、銘柄情報など株式投資に関連する情報を配信しているサイトを日々のトレードに活用してみることをおすすめします。
相場格言に「当たり屋につけ」という言葉がありますが、“株価2倍、3倍となるような上昇事例を数多く残してきている株情報サイトを上手く活用すること”は株式投資を行っていく上で大きなアドバンテージになるかと思うので、まだ配信情報をチェックされていないという方は、是非ご自身の目で推奨銘柄のパフォーマンスなどを確認してみて下さい。
「小型モジュール炉(SMR)」や「原子力発電部材・部品」に絡んだ銘柄にも今後注目しサイト内で取り上げてくるのでは?って気がします。
テーマ株投資に役立つ!オススメの株情報サイト【新生ジャパン投資】
「新生ジャパン投資」は、かつてラジオNIKKEI第1で毎週火曜に配信していた株式情報番組「株教室」(※現在は放送終了)でコメンテーターをしていた株の大魔神『高山緑星』こと「前池英樹」が代表を務めている株情報サイトです。
株初心者の方はご存じないかもしれませんが、20年以上にわたり数多くの大化け銘柄を輩出し続け、相場界のレジェンドとまで言われているのが『高山緑星』こと「前池英樹」です。
証券コード | 推奨銘柄 | 配信時株価 | 高値 | 推移 |
---|---|---|---|---|
5595 | QPS研究所 | 943 | 4,975 | 3ヵ月で5.27倍 |
3778 | さくらインターネット | 2,160 | 10,980 | 2ヵ月で5.08倍 |
5586 | Laboro.AI | 686 | 2,999 | 5ヵ月で4.37倍 |
7003 | 三井E&S | 691 | 2,898 | 3ヵ月で4.19倍 |
4011 | ヘッドウォータース | 6,320 | 20,490 | 5ヵ月で3.24倍 |
2970 | グッドライフカンパニー | 1,590 | 5,090 | 6ヵ月で3.20倍 |
3744 | サイオス | 412 | 1,285 | 1ヵ月で3.11倍 |
2160 | ジーエヌアイグループ | 1,390 | 3,865 | 7ヵ月で2.78倍 |
5285 | ヤマックス | 718 | 1,985 | 7ヵ月で2.76倍 |
4107 | 伊勢化学工業 | 8,080 | 20,750 | 7ヵ月で2.56倍 |
上記のような大化けを見せた銘柄はなんと無料で閲覧できる【朝刊】にて「本日の無料推奨銘柄」として紹介されていた銘柄です。
テーマ性を重視することで比較的短期間での上昇が狙える銘柄も多く、無料配信ながら上記のような大化けをするケースも。上記は極端かもしれませんが他にも比較的高いパフォーマンスとなっており、無料でチェックするには十分すぎる結果を残していると言えます。
ここまで相場の流れに上手く乗れていないと少しでも思われる方は、相場の流れに沿ったテーマ株を配信してきている「新生ジャパン投資」のような株情報サイトをチェックしておくことをオススメします。
株は“その時々の強いテーマ株を上手く狙えるかどうか”で日々の収支が大きく違ってくるかと思いますが、世の中が大きく変わった2020年、2021年にかけてだとコロナウイルス関連銘柄(ワクチン関連株・バイオ株)や、ウィズコロナ関連銘柄(テレワーク関連株や巣ごもり消費関連株など)、そして2023年生成AIが人気化したことをきっかけとしたAI関連株全般など、上手く狙えた人と狙えなかった人とで大きく収支の差があるのではないでしょうか。
テーマ性の流れに沿った銘柄を上手く狙えた方は結構な利益を得れているのではないかと思いますが、今後これからまた色々とテーマ性を強めてくる銘柄はあるかと思うので、効率良く期待値が高い情報を集め収益性が高いテーマ株投資をしていきたいと思われる方は、「新生ジャパン投資」のような業界で著名な方が顔を出していて、利益に繋がる銘柄情報を配信してきているサイトをチェックしておくのがベターかと思います。
今、新生ジャパン投資から"次なる大化け候補株1銘柄"を無料で配信してもらうことができますが、長きにわたり大化け銘柄を輩出し続けてきている相場界のレジェンドの銘柄発掘力を体感できるかと思いますので、利益に繋がる銘柄を知り、チャンスを逃さずしっかりと資産を形成していきたいと思われる方は、この無料で試せる機会をぜひ活用してみて下さい。↓↓