量産化できれば産業革命に匹敵するポテンシャルを秘めた「QMONOS(クモノス)」を開発し、IPOや関連銘柄の動向に注目が集まる「Spiber(スパイバー)」。
スパイバーは、世界で初めて人工クモ糸の生産に成功したことで、繊維製品を扱う企業やバイオ技術の開発を行う企業などから、合計で”224億円”もの出資が行われてきました。
特に近年は、QMONOS製品の開発や上場に関するニュースといったポジティブな材料が出た際、スパイバーに関連した企業の株価が上昇しており、投資家たちからの注目度の高さも伺えます。
このページでは、スパイバーとは?上場はいつ?といった投資家であれば必ず抑えておきたい基本知識はもちろんのこと、IPOに備えてチェックすべき株主構成、2019年に注目すべきスパイバー関連銘柄までご紹介します。
目次
スパイバー関連銘柄が注目される理由とは?
2019年の本命IPO(新規上場)株として多くの投資家から期待を集めるSpiber(スパイバー)。
同社が開発した「QMONOS(クモノス)」は従来の繊維にはない、さまざまな分野に活かせる特徴を持っており、IPOが決定すれば関連株も人気化すると予想されています。
まずは、スパイバー関連銘柄が注目される理由から見ていきましょう。
Spiber(スパイバー)とは?
Spiber(スパイバー)とは、人工クモ糸繊維の生産に世界で初めて成功した慶應義塾大学発のバイオベンチャー企業です。
人工クモ糸繊維の開発は、米軍やNASAですら諦めた課題であり、世界が注目する日本の新技術だと言えます。スパイバーが開発した人工クモ糸繊維「QMONOS(クモノス)」は、鋼鉄の340倍の強度を誇り、ナイロンを上回る伸縮性や300度を超える耐熱性まで兼ね備えています。
このことからアパレル業界はもちろん、工業分野や宇宙事業などでも活用が期待されており、現在もさまざまな企業と提携し、大量生産を行うための工場の確保やQMONOS製品の開発が行われています。
革新的な技術という強みから世界的に注目を集めるスパイバーですが、投資家の間でも”IPO(新規上場)はいつなのか?”と話題になっています。
次は、スパイバーのIPOに期待が高まっている理由をご紹介します。
IPO(新規上場)に期待が高まるスパイバー
「スパイバーのIPOはいつ?」という疑問について、2017年ごろから話題に上がっていますが、あくまで「噂」の段階です。
2019年5月現在も未上場ですが、その年を代表する超大型の新規上場株だけに、IPOへの期待は日に日に高まるばかりです。
従来の繊維にはない特徴を持つQMONOSを扱うスパイバーは、独自性の高い事業であることから競合他社がほぼ見られません。
強いて競合をあげるとすれば、アメリカで同事業を営むボルトスレッズ社がありますが、スパイバーはボルトスレッズ社よりも早く、人工クモ糸の製品化へ向けたプロトタイプ試作などの取り組みに成功しています。
すでに中量の生産が可能な紡糸設備も保有しており、競合他社と比較しても設備面で大きな強みを持っています。
また、現在開発中ではあるものの、IPS細胞や再生医療といった技術を扱うバイオ市場の将来性も高いと見られており、バイオ関連株は一気に値を上げることで有名です。
そのため、バイオベンチャー企業であるスパイバーもIPOが正式に決定すれば、人気化する可能性が高く、同様に関連銘柄の物色も旺盛になる可能性が高いと言えます。
つまり、近い未来に訪れるであろうスパイバーのIPOに向けて出資を行う企業や銀行などの株主構成は把握しておく必要があります。
スパイバーのIPOに備えて株主構成をチェック
未上場であることからスパイバーの株主構成は公表されていませんが、株式会社である以上株主は存在しており、これまでにいくつかの銀行や企業から増資が行われて成長してきました。
増資に関わってきた銀行や企業をチェックすることで、来たるべきスパイバーのIPO正式決定で株価が上昇する可能性が高い関連株を見つけるために役立てることができるでしょう。
スパイバーの増資履歴は以下の通りです。
日付 | 増資内容 |
---|---|
2019年04月 | 三菱UFJ銀行、地域金融機関(山形銀行、荘内銀行、鶴岡信用金庫)から65億円 |
2018年10月 | クールジャパン機構、その他非公開の引受先から50億円 |
2018年06月 | 三菱UFJ銀行から2億円 |
2018年01月 | 非公表の引受先から9億9,994万円 |
2017年10月 | トヨタ紡織株式会社、第一生命保険株式会社から16億40万円 |
2015年10月 | 株式会社ゴールドウインから30億円、その他非公表の引受先から65億円8,416万円 |
2014年10月 | きらやかキャピタル株式会社、新生銀行、荘内銀行などから25億5,000万円 |
2013年04月 | 野村リサーチ&アドバイザリー、KISCO、やまがた地域成長ファンド、荘内銀行から8億円 |
2009年12月 | ニッセイキャピタル投資事業有限責任組合から5,010万円 |
2009年08月 | ジャフコ・産学バイオインキュベーション投資事業有限責任組合から2億5,000万円 |
2009年05月 | 非公表の引受先から1,000万円 |
2008年12月 | 非公表の引受先から1,000万円 |
2008年06月 | 非公表の引受先から1,000万円 |
スパイバーは多くの増資を繰り返してきたことにより、設立当時の2007年に1,000万円だった資本金は2019年5月現在、224億4,366万円にまで膨らみました。
出資者には、企業が本社を置く山形県の地域金融機関に加え、繊維製品や輸送機器を扱う企業が名を連ねており、スパイバーのIPOが正式に決定する前に必ずチェックしておくべきといえます。
また、増資した企業の中でも、アウトドアブランドの”THE NORTH FACE”で知られる「ゴールドウイン(8111)」は、QMONOS製品をスパイバーと共同開発しており、好調な業績と株価が継続しています。
スパイバー関連株を見極めるためにも過去に上昇した銘柄の値動きや理由はおさえておきましょう。
スパイバー関連株「ゴールドウイン(8111)」が右肩上がりに株価上昇
スパイバー関連株の中でも、QMONOS製品を共同開発した出資企業として人気を集める「ゴールドウイン(8111)」。
2016年6月に1,990円だった株価は、今や18,270円にまで上っており、度々発表される業績の上方修正や大幅増配などから、投資家たちの信用を集め、長きにわたって右肩上がりの株価チャートを描いています。
また、2016年の8月には、テレビ東京「カンブリア宮殿」にスパイバーの関山和秀代表が出演することを受け、出資企業であるゴールドウイン(8111)が急騰。
人気のTHE NORTH FACEシリーズでQMONOS製品のプロトタイプ「MOON PARKA」を開発していたことからも注目を浴び、大きく物色されました。
さらに、現在も制作は進められており、QMONOSを使用した高い機能性を持つスキージャケット「Goldwin SKI JACKET」が英国ロンドンの「Beazley Designs of the Year 2018」にノミネートされるなど、国内だけでなく世界からの注目も増すばかりです。
このように、QMONOSの実用化が進むにつれて高まるスパイバー上場への期待と共に関連銘柄の株価も上昇しており、設備が整って開発が進んでいる今こそ、スパイバー関連銘柄に当たりをつけておくべきと言えるでしょう。
次は、2019年注目のスパイバー関連株をご紹介します。
2019年に注目すべきスパイバー関連株7選
QMONOS製品の発表や上場に関するニュースから株価上昇を見せるSpaiber(スパイバー)関連銘柄。
ここでは、2019年に注目すべきSpiber(スパイバー)関連株7選をご紹介します。
[8713]フィデアホールディングス
フィデアホールディングスは、秋田の北都銀行と山形の荘内銀行が経営統合して誕生した、秋田県・山形県・宮城県を営業エリアとする地方銀行です。
中でも荘内銀行は、スパイバーが本社を置く山形県鶴岡市の地元企業でもあるため、スパイバー設立当初から現在までで何度か融資を行っていることが地元紙でも報じられています。
さらに、鶴岡市の「加茂水族館(クラゲドリーム館)」が移転する際に、荘内銀行は「クラゲドリーム債」といった金融商品を発売しました。
わずか数日で売り切れており、他の銀行では見られないような特殊な営業を行うことから、今後の成長にも期待が持てるでしょう。
[8111]ゴールドウイン
ゴールドウインは、アウトドアブランドの「THE NORTH FACE」をはじめとしたスポーツウェア・用品の製造と販売を手掛ける企業です。
前述したようにQMONOSを使用したスパイバーと共同開発の「MOON PARKA」や「Goldwin SKI JACKET」を製造しており、スパイバー関連株の中でも特に注目の銘柄です。
近年は、アウトドアブランドが販売好調なことから業績が拡大し、株価が右肩上がりに上昇。
QMONOS製品の製造・販売が本格化すればもう一段の株価上昇が望めるスパイバー関連株だと言えます。
[6090]ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ
ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズは、体内代謝物の分解析技術を用いて製薬会社などを支援するメタボローム解析事業が主力の慶応大学発のバイオベンチャー企業です。
スパイバー代表の関山和秀氏が恩師という富田勝教授が創業したことに加えて慶応大学発ということもあり、スパイバーが正式に上場するとなれば恩恵を受ける可能性が高い関連株になります。
新たな医薬品の開発や再生医療・遺伝子治療の進展など、ポジティブな材料が発表されるたびに躍進を見せるバイオ関連株であるという点からも要チェックの銘柄です。
[8595]ジャフコ
ジャフコは、日本、米国、アジアの三極を主軸にベンチャー企業などの未上場企業に対して投資活動を行っている国内最大のベンチャーキャピタル企業です。
スパイバーに2.5億円の出資を行っており、IPOが正式決定した場合には、スパイバー関連株として大きな恩恵を受ける可能性が高いと注目されています。
また、ファンドとしての運用実績も高く、ジャフコから投資を受けてIPOを達成した企業もあるため、企業の育成支援力と信用力を持ち合わせたベンチャーキャピタルだと言えます。
[3116]トヨタ紡織
トヨタ紡織は、国内トップシェアを誇る自動車フィルターや内装品を主力にトヨタ車に採用する自動車シートやユニット部品の製造を手掛ける自動車部品メーカーです。
スパイバーの出資企業であり、パリモーターショーでは、QMONOSを使用したLEXUSの新コンセプトシート「Kinetic Seat Concept」を出展しました。
スパイバーの先進技術を用いて運転時の疲労低減や運転のしやすさなど機能性を向上させた製品の開発に注力しています。
本格的に実用化されれば、トヨタ車やレクサスなどのシートに採用される予定で、普通自動車のシートが新素材になる可能性があり、今後も目が離せないスパイバー関連株の1つです。
[8750]第一生命ホールディングス
第一生命ホールディングスは、生命保険や保障性商品の販売を行っており、株主数が国内最多の生命保険の大手企業です。
2017年10月、インパクト投資としてトヨタ紡織と共同でスパイバーに16億40万円の出資を行っていることからスパイバー関連銘柄として見られています。
また、米国と豪州でも顧客数の急拡大を見せており、ゴールドウイン同様、業績からの流動性向上を期待できるスパイバー関連株と言えるでしょう。
[4503]アステラス製薬
アステラス製薬は、泌尿器疾患や移植、がん領域の医療用医薬品を開発・製造・販売を中心に再生医療を手掛ける国内製薬大手の企業です。
スパイバーとアステラス製薬は、効率的な生産技術を開発することが目的の「高機能遺伝子デザイン技術研究組合」に加入しており、協力関係にあることからスパイバー関連株の一角であるとされています。
QMONOSを更に効率よくコストを下げて生産できれば、業務拡大を見込むことができ、IPOやバイオ関連としての株価上昇に拍車がかかります。
上場に備えて、高機能遺伝子デザイン技術研究組合と共に動向をチェックしておく価値のある銘柄です。
スパイバー関連銘柄の本命株を掴むには?
ここまで、スパイバーとは?上場はいつ?といった基本的な部分から、IPOに備えてチェックすべき株主構成、2019年に注目すべきスパイバー関連銘柄までご紹介してきました。
量産化できれば産業革命に匹敵するポテンシャルを秘めるQMONOSの実用化に伴い、新製品の開発や上場に関するポジティブな材料によって株価が上昇するスパイバー関連銘柄。
しかし、複数ある出資先や提携企業の中から本格的な株価上昇を描く銘柄を見つけ出すことはプロでも至難の技であり、材料が出てすぐに買い付けるのも難しいという方も多いのではないでしょうか?
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