データ入力をはじめとする、これまで人間が行ってきた間接業務を自動化する「RPA(Robotic Process Automation)」
「人材不足の解決策として、RPAの導入は必要不可欠」とまで言われていることから、RPAに関連する事業を行う会社は、将来今以上に大きく成長するのではないかと株式市場でも注目を集めています。
2019年4月には、RPA関連銘柄の大本命「RPAホールディングス(6572)」がストップ高を演じ、一気に注目を集めることとなりました。
最近注目され始めた株式テーマなので、今のうちにRPAの基礎知識、期待の本命・出遅れ銘柄を把握しておくことで、すばやく上昇の波に乗れるのではないでしょうか。
RPAとは
ここ最近、株式投資界隈でも注目を集めている「RPA」。
これまで人間が行ってきた単純な定型業務の自動化を意味する言葉で、人材不足が深刻な問題となっている日本において非常にニーズが高いことから注目されています。
ここでは、RPAとはどんなテクノロジーなのか?何ができるのか?といった基本的な部分に触れていきます。
ロボットで業務を自動化する「RPA」とは?
RPAとは主に間接業務を自動化するテクノロジーを意味します。
間接業務とは、会社に対して直接的に利益を生み出さない業務のことで、データを収集・入力する事務職などが挙げられます。
人間が行っていた業務の手順を登録するだけで業務を自動化を実現することができるため、人材不足が深刻な問題となっている今の日本において非常にニーズが高く、金融・商社・サービス・小売・製造・自治体など多方面で用され始めています。
RPAを導入するメリット
前述したように、超高齢化社会に突入した日本では、人材不足が最重要課題となっており、10年、20年後には更に深刻化する見込みとなっています。
「METI Journal 経済産業ジャーナル 平成28年8,9月号」によると、職業別で見た今後の従業者数は、高度な技術や臨機応変な対応が必要な”人間による付加価値”がある職業が増加傾向にあり、調達やデータ入力などの職業は減少傾向にあるとされています。
METI Journal 経済産業ジャーナル 平成28年8,9月号(出典)https://www.meti.go.jp/publication/data/newmeti_j/160809.pdf
この減少傾向にある職業の人材不足を解決できるのがRPAです。
24時間稼働することができ、高い処理能力を持つRPAは、派遣社員30名の処理能力に匹敵すると言われており、人材不足の解決策として、将来的に導入は必要不可欠と言っても過言ではありません。
他にも、RPAひとつで派遣社員30名の役割を果たすことから人件費の削減ができ、ヒューマンエラー無しで人間と同等レベルの成果を上げられるため、生産性の向上にも貢献するといったメリットが期待できます。
RPA関連銘柄は「IoT」や「AI」とも関係性が?
RPAには3つの段階があり、ここまでご紹介してきたRPA・今実用化されているRPAは、まだ1段階目にすぎません。
第1段階のRPAは、ご紹介したように事務をはじめとする単純な業務を自動化するもので、明確なルールに基づいた業務しか対応できません。
しかし、第2段階のRPAでは大量のデータを解析・出力することができるようになります。
既存の画像をもとに新たな画像をカテゴリ分けしたり、ビッグデータから顧客の傾向を分析したりなど、AIやIoTと密接な関係を持つテクノロジーへと進化を遂げます。
さらに、第3段階のRPAでは自動で“判断”する機能が加えられ、顧客に対してコールセンターに繋ぐべきか、資料を送付するべきかといった臨機応変な対応が可能になります。
最終的には、マイクやカメラといったセンサがRPAの目・耳となり、AIが脳となって自動業務を自動化する未来が期待されているため、IoTや人工知能とは切っても切れない関係と言えるでしょう。
つまり、RPA関連銘柄は、AIやIoTに関する材料にも反応することがあり、逆にRPAの材料でAI・IoT関連銘柄が連鎖的に物色される可能性も十分あるということです。
「RPA+AI」や「RPA+IoT」を関連性の高いテーマとして見ることで、出遅れ株の急伸サインにもいち早く気づくことができるでしょう。
RPA関連銘柄の大本命「RPAホールディングス(6572)」がストップ高
RPA関連銘柄が注目される火付け役となったのが「RPAホールディングス(6572)」です。
その名の通りRPAに関する事業を手掛けており、国内実績No.1のRPAサービス「BizRobo!」を提供している会社です。
業績の向上から今年4月に急騰したことでRPA関連銘柄に注目が集まりました。
4月15日に発表した決算にて、19年2月期の連結経常利益が9億円(前期比2.0倍)、20年2月期も15.6億円(前期比71.9%増)に拡大し、4期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことで翌日ストップ高を演じました。
「BizRobo!」の追加導入や新規導入が順調に推移しているほか、新規分野の事業拡大も想定しているとのことで、今後もさらなる成長が期待できるRPA関連銘柄の大本命銘柄です。
続いて、このRPAホールディングスに追従して上昇を見せる本命RPA関連銘柄をご紹介します。
まだまだ注目され始めたばかりの株式テーマなので、急騰を誘う材料にすばやく反応するためにも、今から本命銘柄を把握しておきましょう。
今注目の“本命”RPA関連銘柄
RPAホールディングスを筆頭に注目を集める「RPA関連銘柄」。
ここでは、今後上昇が期待できる“本命”RPA関連銘柄をご紹介します。
[3853]アステリア(旧インフォテリア)
アステリア(3853)は、データ連携ミドルウェア「ASTERIAシリーズ」を主力に展開するIT会社です。
2018年10月、旧社名インフォテリアからアステリアに社名変更。
仮想通貨関連銘柄としても名を連ねるため、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
RPAホールディングスの子会社であるRPAテクノロジーズと提携を結んでおり、2017年にRPAの適用領域を拡張する「BizRobo Smart Connect」の提供を発表。
その後、2018年にも様々なシステムをプログラミングなしでデータ連携させられる「ASTERIA」からRPAロボットを起動できる「BizRobo!アダプター」の提供を発表しています。
RPA関連銘柄の中核であるRPAホールディングスと関連している上、時価総額も大きくなく、仮想通貨やブロックチェーンといったテーマ性も持つ注目の銘柄です。
[3655]ブレインパッド
ブレインパッド(3655)は、企業向けに大量データの分析受託や分析ソフト等のライセンス提供を手掛けている会社です。
ブレインパッドも同じくRPAテクノロジーズと協業しており、「BizRobo!」にAIを付加した高度活用を支援する「RPA×AI導入支援パッケージプラン」を共同開発、提供を開始しています。
ブレインパッド(出典)https://www.brainpad.co.jp/news/2018/11/12/8860
「RPA×AI導入支援パッケージプラン」は、ブレインパッドの「ブレインロボ(BrainRobo)」が提供するRPA×AIプラットフォームを活用しているため、RPAの導入はもちろんのこと、複数のAIやツール、サービスが予め用意されており、最適なプラグインを選択するだけでRPAを高度活用できるサービスです。
これにより、RPAの導入にあたってAI機能の開発が必要なく、コストと時間の大幅な削減が期待できるとしています。
また、ブレインパッドはAI関連銘柄としても注目されている銘柄で、人気テーマを複数含む銘柄として今後も目が離せません。
[4743]アイティフォー
アイティフォー(4743)は、金融機関、自治体、小売業、ECサイト向けの各ソリューションを手掛け、地方銀行シェア70%超の債権管理システムを誇るITソリューションプロバイダーです。
データ入力やコピー&ペースト、アプリの起動、ログイン・ログアウトなど、人間の行うPC作業を自動化できる「全自動ロボ ナイス・ロボティックオートメーション」を提供していることから、RPA関連銘柄として見られています。
RPAソフトウェアを手掛ける本命銘柄でる上、QRコード決済にも力を入れており、株式テーマ的にも時流に乗った銘柄と言えます。
[6193]バーチャレクス・ホールディングス
バーチャレクス・ホールディングス(6193)は、顧客関係管理の導入コンサルティング、システムソリューション提供、コールセンターの運営受託などを手掛ける会社です。
NTTが開発を手掛ける国産RPAツール「WinActor」の販売を担うことから、RPA関連銘柄の一角として見られています。
RPA関連銘柄の中でも時価総額の小さい銘柄になるので、材料によってはテーマ株らしい値動きが期待できるでしょう。
また、「NTTデータ(9613)」や「ニーズウェル(3992)」も同様に「WinActor」の販売を手掛けていることから、セットで注目しておきたいところです。
これから期待の“出遅れ”RPA関連銘柄
本命銘柄が上昇した際、後を追うように連鎖的に上昇を見せる出遅れ銘柄。
本命株に比べて時価総額が小さい銘柄が多いため株価も動きやすく、資金的に個人でも投資しやすいといった特徴を持ちます。
RPA関連銘柄を監視する上では、こちらも見逃せない銘柄と言えるでしょう。
[9445]フォーバルテレコム
フォーバルテレコム(9445)は、中小企業向けIP電話・光回線サービスを主力に、通信料を最適化して一括請求するサービスに強みを持つ会社です。
PC操作の自動化から複雑な業務・バックエンド業務まで、一連の業務処理を完全自動化するため、国産RPAツール「WinActor」と「ASTERIA WARP」を連動したとの発表から、RPA関連銘柄として注目を浴びています。
現在、月8時間以上の業務時間削減に成功しており、今後は月50時間以上の削減効果が気合できる見込みとのことです。
他にも、自動化により人的ミスをほぼゼロにするなど多大な効果が得られたとしています。
NTTとアステリアとの関連性が深いことから、出遅れ銘柄の中でも特に注目しておきたい銘柄です。
[4348]インフォコム
インフォコム(4348)は、情報システムの企画・開発・運用を手掛けるITサービス企業で、スマホ向けコミックストア「めちゃコミック」は、電子コミック業界第2位を誇ります。
「NICE RPA」「GRANDIT with RPA」「危機管理 with RPA」といったRPAソリューションを手掛けていることから、RPA関連銘柄として見られています。
時価総額はそこまで小さくはありませんが、めちゃコミックが好調であることから、業績面でも安定している銘柄です。
[4762]エックスネット
エックスネット(4762)は、金融機関向け資産運用管理支援システム「XNETサービス」が主力のITベンダーです。
現在RPA関連の事業は行っていませんが、「WinActor」を手掛けるNTTデータの子会社で、共に個人向け信託管理システムの開拓を行っていることから、今後RPA分野に進出する可能性もあるのではないか?との思惑から、RPA関連の出遅れ銘柄として見られています。
時価総額が小さいため、仮にRPA分野に乗り出せばスピード感のある値動きが期待できるのではないかと思われます。RPA関連銘柄を監視する上で、頭の隅においておきたい銘柄です。
これから上がるRPA関連銘柄を掴むには
ここまで、RPAとはどんなテクノロジーなのか?といった基本的な部分から、実際に急騰を見せたRPA関連銘柄、そして今後も注目の本命・出遅れ銘柄をご紹介してきました。
しかし、RPA関連銘柄はAIやIoTといった他の人気テーマと関係が深く、密接な関係にあるため、必ずしもRPA関連の材料で動くとは限りません。
複数テーマの材料を収集し、どの銘柄が動くかを予測するのは、個人投資家・兼業投資家にとって簡単なことではないでしょう。
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