注射器・注射針(新型コロナワクチン接種)関連銘柄

【2021年02月03日投稿】
※この記事は2021年12月02日に追記・更新しました。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンは、米大手製薬会社の「ファイザー(Pfizer Inc.)」やバイオテクノロジー企業の「モデルナ(Moderna)」、中国の「科興控股生物技術(シノヴァク・バイオテック)」や「中国医薬集団(シノファーム)」、イギリスの製薬大手「アストラゼネカ」などが開発し、予防接種が進められてきています。

新型コロナウイルスワクチンを開発した企業等の画像

出展:AnswersNews https://answers.ten-navi.com/pharmanews/17853/

イギリスやアメリカ、EC(欧州連合)、中国、シンガポール、ミャンマー、イスラエル、ネパールなど、新型コロナウイルスのワクチンは世界各国で承認されてきていますが、日本においては2021年2月17日から医療従事者等の先行・優先接種が開始され、その後、高齢者、一般接種(64歳以下)とワクチン接種(1回目・2回目)が行われてきています。

注射器・注射針(新型コロナワクチン接種)関連銘柄』は2020年11月あたりから需要増が期待され物色人気を強めたテーマ株かと思いますが、新たな変異株「オミクロン型」の流入を受け、3回目のワクチン接種が日本で開始となってきているので、改めて関連銘柄の動きに注目しておきたいところではないでしょうか。

当ページでは注射器製造メーカーや注射剤を入れる容器(管瓶)を取り扱っている企業など、新型コロナワクチン接種に際し特需を期待できる関連銘柄について改めてまとめてみたいと思います。

注射器・注射針(新型コロナワクチン接種)関連銘柄の本命株や出遅れ株を上手く狙いたいと思われる方は是非ご参照になってみて下さい。

注射器・注射針(新型コロナワクチン接種)関連銘柄一覧

注射器・注射針(新型コロナワクチン接種)関連銘柄一覧

  • 4568 第一三共 東1
  • 4901 富士フイルムホールディングス 東1
  • 4543 テルモ 東1
  • 3402 東レ 東1
  • 4088 エア・ウォーター 東1
  • 8086 ニプロ 東1
  • 7915 NISSHA 東1
  • 7749 メディキット JQ
  • 7702 JMS 東1
  • 5491 日本金属 東1
  • 6899 ASTI 東2
  • 6400 不二精機 JQ
  • 4242 タカギセイコー JQ
  • 5212 不二硝子 JQ
  • 4586 メドレックス 東M
  • ※時価総額の大きい順(2021年12月2日時点)

ざっと一覧にまとめてみましたが注射器・注射針(新型コロナワクチン接種)関連銘柄として注目されてきている銘柄はワクチン注射器開発で連携することを発表している第一三共(4568)、テルモ(4543)をはじめ、「マイクロニードル(皮膚に貼る注射)関連」として注目されてきているメドレックス(4586)など、上記15銘柄が挙げられそうな感じでしょうか。

他にもまだあるかと思いますが、新型コロナワクチン接種関連銘柄としては、「注射器・注射針」の製造メーカーほか、輸送や保管に利用する「保冷庫」の増産を行ってきているツインバード工業(6897)や、温湿度管理に利用される「温度ロガー」を取り扱う神栄(3004)なども注目されてきていますね。

ワクチンは輸送や保管に超低温での保存が必要なことから、コロナワクチン接種関連から派生したテーマ性として「保冷庫関連」や「冷凍輸送関連」や「ディープフリーザー関連」や「ドライアイス関連」などがあるかと思いますが、米ファイザー製のワクチンにも対応する保冷容器を開発したパナソニック(6752)もワクチン接種関連の報道があった際に強い値動きをみせてきていますね。

天昇電気工業(6776)も新型コロナワクチン関連銘柄として物色されてきている印象ですが、同社株は医療廃棄物容器「ミッペールシリーズ」を取り扱っていることが手掛かり材料となってきているようです。

新型コロナウイルスのワクチン接種が追い風となってくることが連想される企業へ期待感が先行した買いが向かってきている印象ですが、“ワクチン接種と言えば注射器”という流れから“輸送や保管に必要なものを取り扱う銘柄”へと物色人気が派生してきている印象ですね。

日本政府はこれまで、新型コロナワクチンを開発した米ファイザー社と6000万人分、米モデルナ社と2500万人分、英アストラゼネカ社と6000万人分の供給契約を結び、ワクチン接種(1回目・2回目)を進めましたが、大幅に感染者数が減ったところで新たな変異株「オミクロン型」が再び流行することのないよう、外国人の新規入国を“原則禁止”とするなど、水際対策に注力してきていますね。

WHO(世界保健機関)のライアン氏が日本の対応を「理解困難」と批判しているようですが、どうにか感染拡大を抑え込んで、いち早く3回目の接種を進め、コロナ収束に向け取り組んで欲しいものです。

日本経済新聞に2021年12月2日付で『3回目接種開始 相次ぐ前倒し要望、実施なら供給懸念』という記事が掲載となっていますが、ファイザー製のワクチンは、2022年接種分として1億2000万回分を契約済で、モデルナ性はまだ3回目接種の薬事承認が下りていないようです。

なので、注射器は単純に「1億2000万個」はまた必要になってくるということですかね。

副反応でけっこう熱がでた方など、3回目のワクチン接種に抵抗がある人もいるかと思いますが、日本国内における感染者数はだいぶ落ち着きをみせてきているので、ワクチン効果が低減してしまう前に、迅速に3回目の接種を全国的に進めれるといいですね。

注射器・注射針(新型コロナワクチン接種)関連銘柄の本命株

注射器・注射針(新型コロナワクチン接種)関連銘柄は結構な数の注射器・注射針が必要となってくることが予想されることから、物色人気を強めてきているテーマ株ですが、中でも本命株とされ注目されてきている銘柄は第一三共(4568)、テルモ(4543)、ニプロ(8086)、日本金属(5491)、不二精機(6400)あたりでしょうか。

注射器・注射針関連銘柄の本命株 第一三共(4568)

4568 第一三共のチャート

※時価総額:5.52兆円、PER85倍、PBR4.15倍、信用倍率4.14倍(2021年12月2日時点)

第一三共(4568)は国内3位となる製薬大手ですが、新型コロナウイルス感染症対策への取組としては「メッセンジャーRNA(mRNA)」という遺伝子を使うコロナワクチンの開発に乗り出しているほか、英アストラゼネカ社が開発したワクチンの日本供給に協力しています。

また、新型コロナウイルスへの治療効果が期待されている日医工の急性膵炎薬を吸入製剤化した「ナファモスタット吸入剤」の研究開発を理化学研究所などと共同で実施し、2021年3月迄に臨床試験移行を目指すことを発表し注目を集めました。

テルモ(4543)とワクチン注射器開発で連携することを2012年に発表しており、注射針の長さを約2ミリと既存の製品より短くした投与しやすい注射器の開発に取り組んできているようです。

時価総額が大きい東証1部銘柄で、2022年3月期第2四半期(累計)の連結税引前利益は前年同期比28.3%増の859.55億円となっています。

通期の同利益予想は前年同期比24.1%増の920億円の見通しで、上振れが期待されそうですが、注射器の特需が期待されそうなので、注射器関連銘柄の本命株として今後の株価推移にも注目したい銘柄ではないでしょうか。

注射器・注射針関連銘柄の本命株 テルモ(4543)

4543 テルモのチャート

※時価総額:3.47兆円、PER37.6倍、PBR3.83倍、信用倍率2.59倍(2021年12月2日時点)

テルモ(4543)は医療器具大手でカテーテルや人工心肺装置では世界高シェアを誇っている会社です。

先ほど書きましたが、第一三共(4568)とワクチン投与に使用する注射器の技術開発で連携することを発表しています。

2020年7月、加藤勝信厚生労働大臣が注射針やシリンジの製造販売会社6社のトップらと会合し、新型コロナワクチンを安定供給できるよう協力を要請したことが報じられましたが、会合に参加した1人として三村孝仁テルモ会長が挙げられています。

政府は針・シリンジ確保に向け約50億円の予算を配分していることが報じられていましたが、日本でのワクチン接種実施はチャートを見ると同社に追い風となってきている印象ですね。

こちらも時価総額が大きい東証1部銘柄ですが、日本でコロナワクチンの3回目接種が進められる流れとなれば再び注目されるのではないかと思われるので、こちらも注射器関連銘柄の本命株として今後の株価推移に注目しておきたい銘柄ではないでしょうか。

※2021年2月4日に決算発表を控えている銘柄です。

注射器・注射針関連銘柄の本命株 ニプロ(8086)

8086 ニプロのチャート

※時価総額:1,840億円、PER11.8倍、PBR0.99倍、信用倍率2.16倍(2021年12月2日時点)

ニプロ(8086)は使い捨て医療器具を取り扱う大手メーカーで、注射・輸液関連製品としてシリンジも取り扱っています。

国立循環器病研究センターやダイキン工業(6367)などと医療用高性能マスクを共同開発することを発表しており、マスク関連銘柄としても注目されてきている印象の銘柄。

同社社長佐野嘉彦も先ほど記載した2020年7月に行われた加藤勝信厚生労働大臣がコロナワクチン用針・シリンジを安定供給することに協力を要請した会合に参加しています。

こちらも時価総額が大きい東証1部銘柄ですが、第一三共やテルモと比べれば時価総額が低めで、PERは11.8倍ほど、そこまで高い株価水準ではなさそうな印象ですね。

2022年3月期第2四半期累計の経常利益(連結)は前年同期比0.6%減の124億円となり、従来予想の2.8%増益から一転して減益で着地となってますが、今後発表となる決算の内容次第では面白そうな銘柄かもしれませんね。

注射器・注射針関連銘柄の本命株 日本金属(5491)

5491 日本金属のチャート

※時価総額:60.4億円、PER30.2倍、PBR0.29倍、信用倍率1.35倍(2021年12月2日時点)

日本金属(5491)はステンレス圧延・加工事業を行っている会社で、金属を圧力で押しつぶし伸ばす金属化工を行っています。

自動車向けの部品や家電向けが中心ですが、注射針に使用される材料を手掛けていることから注射器・注射針関連銘柄の本命株として注目されてきています。

2020年11月18日に発表となったニュースリリース『日本金属オリジナル鋼種「NK-304NKM」2021年5月施行の欧州医療機器規則コバルト規制対応 注射針向ステンレス鋼の出荷開始』が買い材料視され、2020年11月26日高値1,824円までの急騰をみせました。

チャートを見ると2021年10月高値から株価を下げ弱い値動きとなっている印象ですが、またテーマ株人気の流れに乗り物色人気が強まってくるかもしれないので、こちらも今後の株価推移に注目しておきたい銘柄ではないでしょうか。

注射器・注射針関連銘柄の本命株 不二精機(6400)

6400 不二精機のチャート

※時価総額:46.7億円、PER8.7倍、PBR1.86倍、信用倍率3.91倍(2021年12月2日時点)

不二精機(6400)は自動車向けや医療機器向けの金型を主力としている会社ですが、注射器の精密金型も製造販売していることから注射器・注射針関連銘柄の本命株として注目されてきています。

ここまで書いた東証1部の銘柄と比べ時価総額が46.7億ほどと軽いジャスダック市場に上場する銘柄ですが、チャートを見ると2020年11月19日始値355円から12月14日高値1,670円までで株価4.7倍ほどとテーマ株人気の流れに乗り大きく上げてますね。

直近は25日移動平均線を割り株価を下げてきていますが、日本でワクチン接種(3回目)が進められれば関連報道がまた増えてくるのではないかと思われるので、このあとの株価推移にもしっかりと注目しておきたい銘柄ではないしょうか。

注射器・注射針(新型コロナワクチン接種)関連銘柄の出遅れ株

注射器・注射針(新型コロナワクチン接種)関連銘柄の本命株として注目されてきている印象の銘柄を5銘柄ご紹介しましたが、このあと出遅れ感から物色人気を強めてくる銘柄もあるかと思います。

関連テーマとして「マイクロニードル」などが挙げられる富士フイルムホールディングス(4901)、東レ(3402)や、注射針の生産能力を増強してきているエア・ウォーター(4088)など、テーマ性の流れに沿った銘柄はチャートを見ると強い値動きをしてきている印象ですが、出遅れ株として注目するとすれば針がない注射器を手掛けているタカギセイコー(4242)や、注射剤を入れるための容器(管瓶)を取り扱っている不二硝子(5212)などでしょうか。

NISSHA(7915)、ASTI(6899)、メドレックス(4586)などもマイクロニードル関連として注目されてきている印象ですが、時価総額が比較的軽い銘柄はテーマ株の盛り上がりとともに大きく株価を上げたりするので、今後の関連報道と併せ値動きに注目しておくようにしたいですね。

使い捨て医療機器メーカーのメディキット(7749)、JMS(7702)あたりも関連銘柄として物色人気が強まった経緯のある銘柄かと思うので、
ワクチン関連報道があった際は、併せて値動きを監視しておきたいですね。

新型コロナワクチン接種関連銘柄の出遅れ株を上手く狙いたい人は?

新型コロナワクチン接種関連銘柄として「注射器・注射針」「保冷庫」「冷凍輸送」「ディープフリーザー」「ドライアイス」などに関連した銘柄へ物色人気が波及してきていますが、まだ他にも特需発生が期待されるテーマ性が新たに出てくるかもしれません。

なので今後の急騰株や出遅れ株を上手く狙っていきたいと思われる人は、「ワクチン接種」から需要増が連想されるものが他にないかであったり、見逃されている銘柄がないか改めて探ってみるといいかもしれません。

しかしながら、株式投資を専業で行われている方ならば個別銘柄を探る時間を取れたりするかと思いますが、サラリーマン投資家や主婦をしながら株取引を行われている方などは、なかなか調べるのが大切なのは分かっていてもそうした時間を取れない方が殆どではないでしょうか。

そうした方にチェックしておくことをおすすめしたいのが、“最新のテーマ株情報などを配信してきている株情報サイト”です。

今時はネットで個別銘柄に関する情報を色々とチェックできるようになり、銘柄選びも昔に比べだいぶ楽になった印象ですが、こうした株情報サイトを上手く活用し、「色々と自分で調べチェックする」のではなく、「買いどきの銘柄情報などを配信してもらう」方が無駄な時間を省け何倍も楽かと思います。

配信情報をチェックするだけで時事ネタやテーマ性の流れに強くなり、相場の流れの沿ったトレードを行っていけるようになるのではないかと思うので、まだ配信情報をチェックしないで頑張られている方は、本当に試しにでも一度配信情報を見てみることをおすすめします。

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