「VRって以前から話題になってきているけど、今から銘柄・関連株を探すのはもう遅い?」と思われている方も少なくはないと思います。
しかし、日本経済新聞に2021年4月22日付で『ソニー子会社社長「VR潜在市場は巨大」 PS5安定供給へ』という記事が掲載となっていましたが、VR市場はまだ成熟しきっておらず、大穴・出遅れ銘柄はもちろん、ソニーグループ(6758)やバンダイナムコホールディングス(7832)などの人気の本命銘柄ですら、今後の事業展開が大きな買い材料となってくるかもしれません。
「一番の盛り上がりを見せた時期は、【VR元年】と呼ばれた2016年」という印象が強いVR(仮想現実)ですが、実は2016年はハードウェア(機器・パーツなど)の時代。
このハード時代のお陰で、2017年はソフト・コンテンツ(製品・企画)の時代が始まりました。
様々な企業が、VRに使用するゴーグル状のデバイス「ヘッドマウントディスプレイ」を発売し、現在もその開発・改良が取り組まれてきていますが、デバイス開発に関わっている企業より圧倒的に多い数の企業がVRコンテンツやサービスの開発に取り組んでいます。
VR関連銘柄はゲームコンテンツに携わる企業が多く、過去の急騰例を見ても、新作アプリのリリースや決算発表などが材料となるものが多く、まだVRが材料となった例が少ないのが現状です。
これからVRが更に普及していくと共に、VR市場も盛り上がっていくと思われるので、今のタイミングはVRコンテンツにおいて大きなチャンスと言っても過言ではないでしょう。
今人気のVR(仮想現実)とは?
VRとはバーチャルリアリティの略で、360度3D空間に囲まれた世界(仮想現実)を体験できる技術です。
VRと聞くとゲーム関連のイメージを持たれる方が多いかもしれませんが、医療分野における人命救助の訓練や手術のシミュレーション、旅行業界におけるVR観光、不動産業界におけるVR内見、VRを活用したスポーツ観戦やライブ配信など、VRの活用領域は幅広いものとなってきており、学校のカリキュラムに組み込もうという動きまで見られています。
現段階でも初体験した人誰もが驚く技術ですが、まだまだ発展途上の段階であり、これからさらに進化を遂げるため日々開発が進められています。
VR技術とは
ヘッドマウントディスプレイと呼ばれるゴーグル状のディスプレイを頭に装着することで、視界が360度3D空間の世界=仮想現実を体験することができる技術。
視線と連動してディスプレイが動き、立体的な音も加わって五感を刺激します。
人間の感覚は約80%が視覚、約10%が聴覚が司っているとされています。
つまり、VRによって感覚の約90%以上が支配され、実際に自分自身が仮想現実の中に入ったかのような錯覚を起こします。
「PlayStation VR」の発売もあり、どうしてもゲームのイメージが強いVRですが、実は医療や教育の場でも活用されています。
医療に役立つVR事業
VRは仮想現実を作り出すことによって、様々な練習材料に活用することができます。
医療現場を例にとってみると、内視鏡手術は一般的に切開よりも負担が少ないですが、特殊なコントローラーを扱うため、非常に難易度が高いとされています。
しかしVRを使えば、仮想現実によって簡単に練習の場を作り出すことができます。
さらに、バーチャルなので通常は見えない血管や腫瘍までもが再現されます。
これまでのプラスチック製の模型や献体(解剖用の遺体)で学ぶという歴史がVR活用により大きく変化してきている印象ですが、VR医療シミュレーションを導入することにより外科医のトレーニングは5倍も速くなると言われています。
教育の場ではVRで成績アップ
教育VRコンテンツを提供する「Lifeliqe」は、VRを活用した教育プログラムを組み、実験的に実施しました。
すると、85%の生徒が、従来の授業よりVRを使った授業の方を好み、86%の生徒が、通常の座学を受け続けていた生徒より成績が高いという結果となりました。
実際には体験できないことをVRで体験することによって楽しんで学ぶことができ、従来の授業より知識が定着しやすいそうです。
また、親からも「宇宙飛行士やパイロットなどの夢の後押しになる」と評価の声が上がっているそうです。
VR元年(2016年)から規模を拡大するVR市場
パソコン・モバイルを含むビデオゲーム市場の市場情報を提供する、アメリカ・ニューヨークの調査会社「SuperData」が、2016年から2020年までのVR市場規模の予測を発表していましたが、VR市場は2017年にハードウェア・ソフトウェア合わせて49億ドルまで拡大し、2020年には377億ドルまで成長するとされていました。
また、2016年のソフトウェア収益は3億ドルでしたが、2017年にはこれが4倍の12億ドルにもなり、2020年には199億ドルに到達する見込みとされていました。
こうした予測などからVR関連銘柄は投資家から注目されてきているかと思いますが、テクノロジー専門調査会社「IDC」の最新レポート(2020年11月17日)によると、VR・ARのグローバル市場は2020年~2024年まで年率54%で成長し、市場規模は120億ドルから728億ドルに拡大すると予測されています。
消費者向けとしては「VRゲーム」「VRビデオ」「ARゲーム」が大部分を占め、法人向けとしては「人材トレーニング」「産業メンテナンス」「リテール」などでの活用が主軸となると予想されているようですが、将来的には店頭などでもVRを使った案内が実施されたり、私達の生活にVRがより溶け込んでいそうですね。
VRの用途はゲーム・動画コンテンツ・ユーザーのやりとりでコンテンツを作り出すソーシャルメディアが上位となっており、これは現在とあまり変わらない印象ですが、各コンテンツのクオリティと数は今とは比べ物にならないはずです。
VR元年と呼ばれた2016年ですが、新型コロナウイルスの影響もありVRへの注目は再び高まり「2021年は真のVR元年に?」という記事も飛び交ってきています。
今後、VRはより普及していくと見られ、成長性のある事業分野であることを考えると、VR関連銘柄に今から注目するのはまだまだ遅くないと考えられるのではないでしょうか。
VR関連銘柄一覧まとめ
VR元年と呼ばれた2016年からVRを活用した事業領域の広がりに伴い関連銘柄も増えてきている印象ですが、これまでに注目されてきている銘柄を一覧にしてみました。
下記銘柄だけではなくVR関連銘柄は他にもたくさんあるかと思いますが、VR関連銘柄の【本命株】【出遅れ・大穴株】として頭に入れておきたい銘柄をピックアップしてまとめてみましたので、是非ご参照下さい。
本命株
銘柄名 | 市場 | 業種 | 関連事業 |
---|---|---|---|
[6758]ソニーグループ | 東証1部 | 電気機器 | デジタルコンテンツ、カメラ、テレビ、音楽分野 |
[7832]バンダイナムコHD | 東証1部 | その他製品 | トイホビー、ネットワークエンターテイメント、映像プロデュース |
[9684]スクウェア・エニックスHD | 東証1部 | 情報・通信 | デジタルエ ンタテイメント、アミューズメント、フィギュア・グッズ |
[9697]カプコン | 東証1部 | 情報・通信 | デジタルエンタテイメント、アミューズメント、グッズ |
[3668]コロプラ | 東証1部 | 情報・通信 | モバイルゲームサービス、VRサービス、位置情報コンサルティング |
[3632]グリー | 東証1部 | 情報・通信 | ゲーム、メディア、広告 |
[3903]gumi | 東証1部 | 情報・通信 | ネイティブアプリサービス、VRサービ |
[3904]カヤック | マザーズ | 情報・通信 | ソーシャルゲーム、ゲームコミュニティ、ゲーム音楽、e-sports、ウエディング、葬儀、不動産 |
[3791]IGポート | 東証JQS | 情報・通信 | 映像制作、出版 |
[3697]SHIFT | マザーズ | 情報・通信 | ソフトウェアの品質保証、テスト事業 |
出遅れ・大穴株
銘柄名 | 市場 | 業種 | 関連事業 |
---|---|---|---|
[6731]ピクセラ | 東証2部 | 電気機器 | パソコン関連、ホームAV、AVソフトウェア、IoT関連、自動多言語翻訳システム、AR・VR |
[3698]CRI・ミドルウェア | マザーズ | 情報・通信 | 音声、映像、ファイルシステム、ミドルウェア、ゲーム分野、家電組み込み分野、医療・ヘルスケア分野 |
[3907]シリコンスタジオ | マザーズ | 情報・通信 | ゲームエンジン、ミドルウェア、人材サービス |
[3676]デジタルハーツホールディングス | 東証1部 | 情報・通信 | ソフトウェアテスト、メディア、ゲーム開発、CG映像制作 |
[6038]イード | マザーズ | サービス業 | メディア事業、リサーチ事業 |
[3913]sMedio | マザーズ | 情報・通信 | IoT、セキュリティ、AI |
VR関連銘柄【人気のオススメ本命銘柄】
数々の企業が参入してきているVR事業。
その中でも本命視されてきている印象の人気の銘柄10選を、過去急騰した例と共に紹介します。
ソニーグループやバンダイナムコHDなどの有名企業の名前が並びますが、見逃しはありませんでしょうか?
[6758]ソニーグループ
世界中にファンを持つゲームデバイス「PlayStation 4」の周辺機器として「PlayStation VR」を発売し、VR市場へ本格参入したソニー(6758)。
他社のヘッドマウントディスプレイと比べて格安というのもあり、2018年にシェア率が世界1位で30%を占めました。
また、2017年4月28日、連結営業利益が前期比73%増の5000億円になる見通しだとの発表がありました。
これは、熊本地震で工場が被災した半導体事業の回復に加え、「PlayStation VR」の売れ行き、「PlayStation VR」を使うための「PlayStation 4」の売れ行きも後押ししたものと思われます。
予想と期待で初動を掴んだ投資家が、2017年18日から24日までに買い注文をしたのか、発表前に3,400円台から値上がりし始めます。
そして28日、再び値上がりし、4,000円を超えることとなりました。
同社株はチャートを見ると2019年、2020年、2021年と堅調に株価を上げてきていますが、同社の成長をけん引してきているゲーム事業が更に伸長してくるのではと考えると今後の株価推移にも注目したい銘柄ではないでしょうか。
[7832]バンダイナムコHD
バンダイナムコHD(7832)は、ドラゴンボールやワンピースなどの大人気アニメのコンテンツ制作・販売を行う会社です。
2017年5月10日の決算では、営業利益が前年比24.7%増の632億円となり、特にネットワークエンターテイメント事業と映像音楽プロデュースが好調だったとのことです。
この決算の株価への影響は、投資家の予想と期待により10日ほど前からの値上がりとなり、決算当日は急騰しています。
その後も上がり続けましたが、2020年に株価を更に大きく上げ2020年12月1日高値9,795円までの上昇となってますね。
同社は日本最大級のVR体験施設「VR ZONE SHINJUKU」を2017年7月14日にオープンしましたが、ドラゴンボールやエヴァンゲリオン、マリオなどの人気作品を取り入れるほか、振動・熱・風などの五感を刺激する周辺設備を展開してきています。
クチコミ・評判が良く、今では人気のVRエンターテインメント施設となっている印象ですが、今後のVRに関連した事業展開にも期待したい銘柄ではないでしょうか。
[9684]スクウェア・エニックスHD
大人気ゲーム「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」を手掛けるスクウェア・エニックスHD(7832)。
グリーと共同開発した「乖離性ミリオンアーサーVR」を、世界最大規模のPCゲーム販売プラットフォームであるSteamで発売したり、ハウステンボスにはヘッドマウントディスプレイ不要のVRアトラクション「バハムートディスコ」を展開したりなどVR事業に積極的な企業です。
2018年にはバンダイナムコアミューズメントと「ドラゴンクエストVR」を開発し、先程紹介した新宿の「VR ZONE SHINJUKU」などで稼働されました。
しかし、同社株は有名作品であるドラゴンクエスト、ファイナルファンタジーなどに関連したゲームアプリが目立ち、VR事業はまだあまり目立ってはいません。
株価上昇の材料となってきているのは、スマホアプリ「SINoALICE -シノアリス-」「ドラゴンクエストウォーク」「ロマンシング サガ リ・ユニバース」「ドラゴンクエストタクト」「ニーア リィンカーネーション」などのヒットかと思います。
中でもARゲーム「ドラゴンクエストウォーク」は2019年9月に配信開始となってから物色人気が強まり投資家の期待が伺えました。
同社はロサンゼルスで開催される世界最大のコンピュータゲームイベント「Electronic Entertainment Expo」、通称「E3」にて発表となる新作ゲームが注目されてきていますが、今後またVR対応となるゲームが発表となり注目を集めてくるかもしれませんね。
ドラゴンクエスト、またはファイナルファンタジーの本編がVRに対応する時が来るのではないかと思われるので、今から準備しておくべきかもしれません。
引き続き新作ゲームの発表に注目していきたい銘柄です。
[9697]カプコン
「バイオハザード」や「モンスターハンター」などの有名タイトルを持つカプコン(9697)。
2016年のE3にて「バイオハザード7 レジデント イービル」を完全VR対応で発表し、世界中のファンを驚かせました。
そして、2017年4月27日の決算発表では、営業利益が13.5%増の136億5000万円との発表がありました。
「バイオハザード7 レジデント イービル」を主力に、「モンスターハンターダブルクロス」や「バイオハザード4~6」の現行機移植版を発売したことが大きく後押ししたものと思われます。
「バイオハザード7 レジデント イービル」がVR対応になったことで、VR関連銘柄として挙げられるようになりましたが、チャートを見ると2019年、2020年、2021年と株価を大きく上げてきていますね。
ゲーム株は新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う巣ごもり需要が追い風となってきている印象ですが、ヒット作の多い同社も引き続き新作ゲームの発表に注目したい銘柄ではないでしょうか。
[3668]コロプラ
「白猫プロジェクト」や「魔法使いと黒猫のウィズ」などの人気スマホゲームを手掛けてきているコロプラ(3668)。
大ヒットした「白猫プロジェクト」を題材にしたVRゲーム「白猫プロジェクト」を配信したり、ヘッドマウントディスプレイにカメラを設置し、表情を読み取れるシステム「Face」を開発するなどVR事業にも積極的です。
この「Face」は、表情に加え眉毛や瞬きまで読み取り、アバターと呼ばれる「ゲーム内の自分」に表情をリアルタイムでは反映するシステムです。
これによってVR内での会話に違和感が無くなり、相手のリアクションを確認できるようになります。
新型コロナウイルス感染症の拡大によりテレワーク環境に関連したツールが注目されてきている印象ですが、VRを使っての会議・ミーティングも一般的となってくるかもしれませんね。
同社はVRゲーム「TITAN SLAYER」を配信したことや、“今までにない自由なゲーム”を目指した「Project:PaniPani」などの新作リリースが期待され株価を上げたりしてきていますが、任天堂からの損害賠償請求訴訟が長引きそうなことや業績悪化などが懸念視されてきている感じでしょうか。
チャートを見ると冴えない動きとなってきている印象ですが「“VRと言えばコロプラ”を目指したい」というコロプラ代表取締役「馬場功淳」氏の言葉と、コロプラの行っているVR事業により、同社株もVR関連銘柄として頭に入れておきたい銘柄かと思います。
今後もスマホ・VRゲームの新作に注目したいです。
[3632]グリー
ソーシャルゲームで有名なGREEですが、今はスマホ向けアプリへシフトし、さらにVR市場への参入も果たしています。
2015年11月5日に新スタジオ「GREE VR Studio」を設立し、本格的にVR市場へ参入しました。
その後、GREE VR Studioの第一弾となるスマートフォン向けVRゲーム「シドニーとあやつり王の墓」を配信しました。
また、アドアーズと提携を結び、VR体験施設「VR PARK TOKYO」をオープンし、2ヶ月で1万人の集客に成功しました。
そして、人気スマホアプリ「乖離性ミリオンアーサー」を題材としたVRゲーム「乖離性ミリオンアーサーVR」をスクウェア・エニックスと共に共同開発し、現在もSteamやPSで配信中です。
VRで話題を集めてきているGREEですが、同社はスマホアプリ「アナザーエデン 時空を超える猫」などのヒットでも投資家から注目を集め株価を上げてきています。
同ゲームは一見普通のスマホRPGだと思われていたのですが、スタミナ制やクエストといったお馴染みのスマホゲームの概念を排除し、全てが地続きなフィールドを歩き回れるゲームとなっています。
スマホゲームではあまりなかったこのシステムが話題となり、リリース後ダウンロード数・評価数共に好調な出だしを迎えました。
また、2020年にはVR(仮想現実)空間上で商談会や見本市を開催できる仕組みの提供を開始しました。
コロナ環境下で需要増が期待できるサービスかと思いますが、今後もVRを活用したサービス展開に注目したい銘柄ではないでしょうか。
[3903]gumi
「ブレイブフロンティア」や「ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス」などの人気スマホゲームを手掛けるgumi(3903)。
しかし、スマホゲームだけではなく、VR市場への早期参入を図った合弁会社「VR Startup」の設立や子会社「gumi VR」の設立など、日本のVR業界を牽引してきたと言っても過言ではない企業です。
「VR Startup」とは、インキュベーションと呼ばれる、新たに事業を起こすベンチャー企業などに各種支援(資金、場所、開発を促進する技術など)を行う会社です。
この取り組みにより、様々なベンチャー企業のVR事業を後押しし、日本のVR市場への早期参入を成功させました。
また、本格参入のための「gumi VR」設立に関しては、PCなどの外部機器との接続を必要としない「スタンドアロン型」のヘッドマウントディスプレイのリリースを目標とし取り組んできています。
同社株は将来、市場の急拡大が見込まれるXR市場に関連したXR事業(VR、AR、MR等)に注力してきているので、優位なポジションを築き収益化が強まってきたら面白そうですね。
同社はブロックチェーン事業も注目されてきている印象ですが、需要増が期待される事業を展開してきているので、「VR Startup」をはじめとする、今後のVR事業での活躍に期待したい銘柄ではないでしょうか。
[3904]カヤック
面白法人カヤック(3904)は様々なVRコンテンツの制作における受託を行っている企業です。
グリーとスクウェア・エニックスの共同開発した「乖離性ミリオンアーサー」の開発にも協力しています。
面白法人というだけあって、他企業からの面白い制作案を現実の物とする高い技術が評価されてきています。
大きな話題となったタグチ工業PROJECT-Gの1つ「GUZZILLA VR(ガジラ ブイアール)」の制作も手掛ており、巨大ロボットを操縦し、爆発寸前の汚染施設から脱出するストーリーの中で、家庭用ゲームと変わりないグラフィックを実現しました。
カヤックは、株式の投資単位あたりの金額を引き下げることにより、流動性の向上および投資家層の拡大を図るため、2017年7月1日から、1対2の株式分割を行うことを2017年5月19日に発表しました。
この発表により株価が急騰し、一時は2015年8月来となる2,400円台を付ける場面もありました。
今後、どのようなVRコンテンツの制作に関わっていくのか、引き続き新作の発表に期待したい銘柄ではないでしょうか。
[3791]IGポート
IGポート(3791)は劇場アニメ、テレビアニメ、ゲーム用アニメーションの制作、コミックの企画・出版などの事業を展開している会社です。
数々の人気アニメを手掛けており、VRスマートフォンアプリ「攻殻機動隊 新劇場版 Virtual Reality Diver」の配信や、フィールドVRアクティビティ「攻殻機動隊ARISE Stealth Hounds」の制作協力としての参加など、アニメを題材にしたVRコンテンツを多数展開してきています。
2017年6月2日、人気アニメ「ブレイブウィッチーズ」を題材にした体験型VRコンテンツ「ブレイブウィッチーズVR-Operation Baba_Yaga-雪中迎撃戦」の全世界配信日の発表した際は、株価を大きく上げました。
今後も「攻殻機動隊」をはじめとする、人気アニメを題材にしたVRコンテンツを展開していくことが期待されそうな銘柄ではないでしょうか。
[3697]SHIFT
SHIFT(3697)は、ゲーム、Web、スマートフォン、そしてVRなど様々な分野におけるソフトウェアテストを提供している会社です。
ソフトウェアテストとは、品質を落とさず、企画機能を満たした状態で、安全・快適に使用できるかどうかをテスト・修正するものです。
また、製品の開発・動作環境に合わせてテスト環境を作っているようです。
VRに関しては、VRコンテンツ専門のチーム体制を構築し、さらに専門スタジオを完備して、機能テストからVR酔い対策のサポートまで手掛けています。
VRコンテンツの制作側としても、安全面・快適面のテストクリアは、リリース時のアピールにもなります。
さらに、SHIFTは他分野でのソフトウェアテストですでに実績を持っているので、今後VR市場拡大と共にVRのソフトウェアテストも成長していくものと思われます。
VR関連銘柄 【大穴・出遅れ銘柄の投資はここ】
「VRを主軸としていない」、「一見VRには関連性のなさそう」でも実はVR市場と関係があり、中にはVRコンテンツと密接な関係にある銘柄や、VR関連銘柄の中でも時価総額が軽めな銘柄を「大穴・出遅れ銘柄」としていくつか紹介していきます。
[3676]デジタルハーツホールディングス
デジタルハーツホールディングス(3676)は、ゲーム・スマートフォン・Webサイトなどのデバッグを提供する会社です。
デバッグとはバグと呼ばれるプログラムのミスや欠陥を見つけ、修正する作業のことを言います。
ゲーム開発において、このデバッグ作業は必ず必要なものであり、VRゲームにおいてもこのデバッグが必要とされています。
2017年6月19日、同社株が急騰しました。
同月週末16日の取引終了後、本社と子会社の移転を発表したことから、経営地盤の強化を期待した買いが入ったようです。
ゲームには欠かせないデバッグ作業を担う同社。
2020年3月安値552円から株価を上げ上昇トレンドが続いている印象ですが、今後のVRゲームの普及と共に同社もVR関連銘柄の1つとして頭に入れておきたいところではないでしょうか。
[6731]ピクセラ
PC向けチューナーや回線事業者向けチューナーが柱のピクセラ(6731)ですが、VR市場にも参入しており、様々なVR映像コンテンツが収録され、VRでのライブストリーミング(生放送)にも対応しているアプリ「パノミル」をリリースしています。
さらに「パノミル」には、VRの映像内にサブモニターとして視界の端に別の画面を映し出す技術「MagicVision」が搭載されており、この技術は特許の出願が行われています。
そして、ピクセラの急騰の材料はいくつかが合わさったものとなりました。
2017年5月15日、4300万円の赤字との予想から一転、3000万円の黒字(前年同期は2億3500万円の赤字)との決算発表がありました。
さらに同年6月7日、ピクセラの次世代テレビ事業の進歩状況について、「ピクセラの開発力は米グーグルに評価され、グーグルが展開する新たなテレビ事業におけるパートナー企業10社のうちの1社として紹介された」との報告が合わさり、急騰に繋がりました。
「赤字予想をしていた企業がグーグルのパートナー企業になる」という誰も予想しなかった大材料によって、元々100円以下での取引もあったピクセラ株は一時400円台に乗ることとなりました。
現在は株価を下げ20円台を推移してきており、あくまで会社の軸はチューナーやテレビ事業ですが、映像技術という面でグーグルに評価された技術を持っているピクセラのVR事業は今後も注目しておきたいところではないでしょうか。
[3698]CRI・ミドルウェア
様々なミドルウェアの開発を手掛けるCRI・ミドルウェア(3698)。
ミドルウェアとは、基本的な制御を行うOS(オペレーティングシステム)とアプリケーションの中間[ミドル]で、主に映像や音に関しての役割を果たす製品[ウェア]のことです。
CRI・ミドルウェアが販売するミドルウェアは用途によって様々で、サウンド関連、ムービー関連はもちろん、ゲームコントローラーへの振動パターンを30種類の搭載した触覚関連まで多種多様です。
中でもVR対応の「CRI Sofdec for VR」は、不動産屋医療分野などでの実写動画を扱ったVR活用を考え、高画質で軽量ながら、遅延やカクカクしない滑らかな再生を実現しました。
この滑らかな再生によりVR酔いへの対策にもなっています。
同社は2017年5月17日、ゲーム分野における同社のミドルウェア新規採用タイトル数が公開されました。
17期2Q時点で新規採用タイトル100本を超えており、これがきっかけで株価は値上がりすることとなりました。
まだ現状ではスマートフォンでの採用が多いミドルウェアですが、今後VR市場が拡大するとともに、家庭用ゲーム機やその他(一体型ヘッドマウントディスプレイなど)の採用タイトルも増えていくのではないかと思われます。
VRゲームが普及すると、必然的にミドルウェアの採用タイトル数も増えると思うので、常に頭の隅においておきたい銘柄ではないでしょうか。
[3907]シリコンスタジオ
シリコンスタジオ(3907)は、ゲームエンジンやミドルウェアの開発を手掛ける企業です。
2017年4月にVR対応のゲームエンジン「Xenko(ゼンコ)」を発売しました。
この「Xenko」には、リアルタイムでCGを描写するPBR(Physically Based Rendering:物理ベースレンダリング)技術やデザイン・オブジェクトの保持・再利用など様々な機能が搭載されています。
また、2017年3月9日から11日に韓国・ソウルで開催される「VR EXPO 2017」に招待され、「Introduction to VR development using the Xenko Engine(Xenkoを使ったVR開発についての説明)」について登壇しました。
シリコンスタジオの急騰につながる材料は2つありました。
1つは、シリコンスタジオが現在も開発を続ける業界最高水準の大域照明ミドルウェア「Enlighten」が、任天堂の手掛けるゲーム機「Nintendo Switch」に対応したという発表です。
「Enlighten」は素材による光の反射の仕方、光が吸収される方法を計算したり、イルミネーションをリアルタイムで計算し、ミリ秒単位で更新できるという世界最高水準のミドルウェアです。
さらに、『シリコンスタジオとミストウォーカーコーポレーションによって、スマートフォン・PC向けゲーム「テラバトル2」の共同開発が進んでいる』と「週刊ファミ通」によって発表されました。
その他、「テラバトル2」が、人気スマホゲーム「テラバトル」の続編ということもあり、高い期待が寄せられました。
またミストウォーカーは、「ファイナルファンタジー」シリーズの開発の中心人物である、坂口博信氏や植松伸夫氏などによって設立されたゲーム開発会社というのも、1つの期待の要因になったと思われます。
ゲームエンジン、ミドルウェア、ゲーム開発、すべてにおいて期待を寄せられてきているシリコンスタジオ。
今後、VR対応のゲームエンジンが、どう評価されるのか期待したい銘柄ではないでしょうか。
[6038]イード
イード(6038)は、Webによるニュースサイトを中心に、「レスポンス」など専門性の高いメディアを多数運営している会社です。
利用者は月間約3,300万人に及び利用者数の多さが注目されました。
このWebでのメディア業を担うイードが発表したのが「EINYME(エイニーミー)」。
株式会社シータと業務提携を行い、アイドルの実写映像に特化した高品質なVR映像を配信するプラットフォームです。
この「EINYME」の展開を発表した2017年2月13日、イードの株価は急騰し、大きく値上がりすることとなりました。
しかしその後、落ち着くとともに下落し、現在は800円台から900台あたりを推移してきています。
この「EINYME」は2018年時点でアクセスしても繋がらない状況となったいるようですが、新コンテンツ発表で急騰の可能性もあるかもしれないので、注目しておきたい銘柄として挙げておきたいと思います。
[3913]sMedio
sMedio(3913)はIoT事業、AI事業、マルチメディア事業などに関わる会社で、VR関連では、Windows対応360度ビデオプレイヤー「sMedio True VR」や、VRでの立体音響技術を提供する「sMedio True VR Sound」を配信してきています。
「sMedio True VR」では、360度カメラで撮影された最大4K Ultra-HD画質のVR映像を再生でき、2017年度中にヘッドマウントディスプレイでの再生にも対応することが予定され注目されました。
また、「sMedio True VR Sound」は、前後左右だけでなく、高さ方向や遠近感に対しても対応しており、動く音源を忠実に再現することができます。
2017年5月12日の決算発表では、経常利益が前年同期4200万円の赤字から一転、2800万円の黒字との発表で一時急騰しています。
今後、360度カメラの開発が更に進み、コスト削減やコンパクト化で一般的になる時代がくるかもしれません、その時に他デバイスにも対応した「sMedio True VR」がどのような立場になるのか注目しておきたいところでしょうか。
VR関連銘柄まとめ
各企業が行っているVR事業と過去の急騰例をいくつか完結にまとめご紹介してみましたが、VR市場はまだまだ拡大し、これからが本番ということを少しは実感できたのではないでしょうか?
今後、VRがテレビ市場を上回り、ゲーム・メディアの殆どが、VRによって作られた仮想現実の中で行われる未来が来るかもしれません。
ソニー・バンダイナムコHDをはじめとする数々の企業によって、VR元年以上に成長していくVR市場を考えると、関連銘柄には引き続きしっかりと注目しておきたいところではないでしょうか。
また、こうした市場で注目を集めるテーマ株は、業界で注目を集める人が顔を出している株情報サイトなどで取り上げられることで盛り上がりをみせてきたりします。
なのでリアルタイムに株式投資に関連した情報をチェックし、テーマ株の流れに上手く乗っていきたいと思われる方は、株価2倍、3倍となるような推奨事例をいくつも残してきている以下のようなサイトに予めメルマガ登録しておくことをお勧めします。