カジノ法案が話題に上がるたび、株式市場でも盛り上がりを見せるカジノ関連株。
2016年12月15日にIR推進法案が成立し、2018年7月20日にIR実施法案が成立したことで、いよいよ日本初のカジノ建設が目の前まで迫ってきました。
今後さらに本格的に計画が進むにつれ、関連銘柄への物色や株価上昇が期待できることは間違いありません。
ここでは、ニュースでも度々話題になる「カジノ法案」とは?、日本にカジノができるメリットは??といった基礎知識から、有力候補地の大阪・和歌山について、そしてカジノ建設で上昇が期待できる「カジノ関連株」をご紹介します。
大阪万博と並ぶ”世界から注目されるイベント”のひとつとして、カジノ関連株の波に備えましょう。
目次
カジノ法案とは
日本でのカジノ解禁に伴い、ニュースなどでよく耳にする「カジノ法案」。
ここでは、“IR推進法案”と“IR実施法案”の2つからなる「カジノ法案」についてご説明します。また、日本にカジノを立てるメリットや目的もご紹介。
カジノ法案とは?IR推進法案とIR実施法案
ニュースや専門誌などで度々取り上げられる「カジノ法案」ですが、正式な名称は基本的なことを記した「IR推進法案」と、より詳細に記した「IR実施法案」の二つの法案を指します。
カジノ法案という言葉だけだと、ギャンブルに関する法律のように聞こえますが、実際はカジノに限った法律ではありません。
IR推進法案をめぐり、議論の中心となったのがカジノだったため、マスコミが「カジノ法案」と名づけ、現在のように広く使われるようになりました。
このIRという言葉、英語では「Integrated Resort」と表記し、日本語に訳すと「統合型リゾート」という意味になります。
統合型リゾート(IR)とは、「カジノを含む娯楽施設、ホテル、映画館、ショッピングモールや飲食施設などが合わさった複合エンターテイメント施設」のことを指します。
つまり、カジノ法案を分かりやすくすると「カジノを含む巨大複合エンターテイメント施設を日本でも合法化させて、この施設を観光の目玉にしよう!」という法律で、2016年12月15日にIR推進法案が成立、2018年7月20日にIR実施法案が成立しました。
ついに日本でも解禁となったカジノ。
今後、本格的な建設に向けて進むにつれ、カジノ関連銘柄も盛り上がること間違いなし。
このタイミングで、カジノが日本にどんなメリットを与えるのか把握しておくことで、出遅れ銘柄の発見にも役立つのではないでしょうか。
カジノ法案の目的とメリット
まず挙げられるのが外貨の獲得です。
2015年、中国人による「爆買い」で支出した金額は1兆4000億円にも上り、日本経済は間違いなく助けられました。
下のグラフは百貨店71店舗での外国人観光客の来客数と得られた売り上げです。
一番売り上げの多い2015年4月には、来客数約24万人・売り上げ196億円にもなり、百貨店にもかかわらず、1人平均8万円以上の買い物をしていることがわかります。
統合型リゾートを作ることで外国人観光客が増えると、「爆買い」と同じような経済効果が周辺の地域に期待でき、カジノに課税することで税金の獲得も可能になります。
意外にも、カジノが目的の観光客は少ないようで、ラスベガスではカジノが目的の観光客は10%以下だそうです。
あくまで観光客の目を引く一つの目玉として統合型リゾートを作ることで、飲食・サービス業を中心に周辺の地域経済が活性化し、雇用も増えることが期待できます。
他にも、カジノを合法化することによってパチンコも合法化される可能性があり、その場合パチンコ企業の上場も可能になることや、裏カジノへ流れていた資金が表へ流れるようになるというメリットもあります。
日本全体に大きなメリットを与えるカジノですが、その建設地はどこになるのでしょうか?
次は、大阪万博が追い風となっている大阪と、カジノ候補地として突如急浮上した和歌山についてご紹介します。
カジノ解禁!IR誘致の本命「大阪」と大穴「和歌山」
ついに日本でも解禁されたカジノですが、次なる話題は「候補地」です。
ここでは、大阪万博が追い風となって有力視されている候補地「大阪」と、大穴として急浮上した「和歌山」についてご紹介します。
大阪万博がカジノにも追い風に
現在、カジノ候補地として最も有力視されているのが大阪です。
府知事と大阪市長が一致団結して動いていることも注目されている上、昨年11月に大阪万博誘致が決定したことも追い風になっています。
大阪が強く推薦する場所は、大阪市此花区にある人工島「夢洲(ゆめしま)」です。
夢洲は、もともと2008年オリンピックの選手村にする予定でしたが、誘致が失敗に終わりほとんどが空き地となっている土地です。
大阪メトロ(出典)https://subway.osakametro.co.jp/news/library/20181220_katuryokuinfura/詳細資料_2.pdf
「無駄な公共投資」として大きな反感を買った夢洲を有効活用すべく、万博やカジノ誘致に動き、2025年には大阪万博の開催が決まりました。
夢洲は、万博用地100ヘクタール、IR用地70ヘクタールを計画しており、大阪万博の開催が大きな追い風となって現在最有力候補として見られています。
そして2023年4月、カジノを含む統合型リゾート(IR)について、政府が大阪府・市の提出した整備計画を認定する方向で最終調整していることがこの日複数のメディアで報じられました。建設予定地は大阪・関西万博の会場となる人工島・夢洲(ゆめしま)で、開業時期は2029年後半。
そして2024年にはIRの建設予定地が2025年大阪・関西万博の会場に隣接していることから、博覧会国際事務局(BIE)や日本国際博覧会協会が今夏、万博期間中の工事中断を要請。事業の継続が危ぶまれる状況となり、大阪IRが解除権を行使する可能性もありました。
ただこの件については政府が仲介し、府市やIR事業者と、BIEの間で工事方法の変更などの調整。
運営事業者の「大阪IR株式会社」が、事業から違約金なしで撤退できる権利を放棄する方針を固めたとも報じられ再び注目されています。
カジノ候補地に和歌山「マリーナシティ」が急浮上
カジノ候補地として急浮上したのが、和歌山の「マリーナシティ」です。
和歌山マリーナシティは人工島にある総合リゾートで、リゾートホテルやテーマパーク、天然温泉などがあり、すでに国内外から多くの観光客が訪れる観光地です。
和歌山県(出典)https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/020100/ir/kousou_d/fil/kaitei-j.pdf
そのため、観光客を集客するための交通アクセスにも優れており、関西国際空港からは車で45分の距離であることから、バス路線の開設など外国人観光客の集客も期待できるとしています。
次は、いよいよ実現が近くなった日本初のカジノに関連して、上昇が期待できる注目銘柄をご紹介します。
”カジノ運営”を手掛ける関連株
カジノ関連株と言えば、まずは”運営”に関する事業を手掛ける銘柄です。
海外でカジノ運営を担う企業から新規にカジノ事業への参戦を試みる企業までご紹介します。
[6460]セガサミーホールディングス
セガサミーホールディングス(6460)は、ゲームセンターなどのアミューズメント機器、ゲームソフトに加え、パチンコ遊技機事業やリゾート事業も行っている会社です。
傘下にパチンコ・パチスロ機メーカーのサミーを持ち、北斗の拳シリーズなどの人気機種を手掛けています。
また、韓国カジノ大手「パラダイスグループ」と合併会社を設立し、2017年4月20日、韓国初となる統合型リゾート「パラダイスシティ」をオープンするなど、カジノ関連事業にも積極的です。
ユニバーサルエンターテインメントと共に、合併会社「ジーグ」を設立するなど、他のカジノ関連企業との連携も多いことで注目されています。
[6425]ユニバーサルエンターテイメント(旧 アルゼ)
ユニバーサルエンターテインメント(6425)は、前社名アルゼの時代からカジノ向けアミューズメント機器の開発を行っている、世界的に有名なカジノ関連銘柄。
日本ではバジリスクやGODなどの有名パチスロ機種を提供している大手企業です。
また、フィリピン・マニラにて統合型リゾート施設 「OKADA MANILA」を運営しており、コナミHD同様カジノ事業のノウハウを兼ね備えているため、カジノ関連の本命銘柄として注目されています。
“カジノ建設”を手掛ける関連株
IRの建設には、カジノ施設はもちろんのこと、ホテルやショッピングモールといった大規模な建物がいくつも建てられます。
つまり、建設工事を手掛ける企業も恩恵を受けるため、カジノ関連株として要注目です。
[1847]イチケン
イチケン(1847)はパチンコホール大手のマルハン系の企業で、パチンコホールの建築や内装を主に手掛ける企業です。
すでにアミューズメント施設の内装を手掛けているという実績から、日本のカジノ建設の際に関わるかもしれないという思惑から関連銘柄として見られています。
また、カジノ設立にあたってパチンコが合法化される可能性もあり、そうすると関連会社であるマルハンが上場する可能性も考えられます。
[7836]アビックス
アビックス(7836)は商業用映像看板を開発・販売するファブレスメーカーです。
ファブレスメーカーとはfab(fabrication facility:工場)を持たない企業のことを言います。
LEDパネル自体に透過性を持たせることで、環境校を遮らず、ショーウィンドウなどにも使えるLEDビジョン「GLASS VISION」などを発売しており、高い技術が評価されています。
そして、カジノ施設に使われるであろうと予測されているサービスが「A-Line」です。
この「A-Line」は、横一列に高輝度LED (発先ダイオード)を等間隔に配置し、アビックス独自の残像技術を発光に活用しているものです。
また、コンピュータ制御によって発行パターンを自在に演出することが可能で、低コストなLEDで最大4096色を表現できるとしています。
「カジノと言えば華やかな装飾」というイメージ通り、日本のカジノにもアビックスのLED技術が使われるのではないかと思われています。
[1909]日本ドライケミカル
日本ドライケミカル(1909)は建築防災設備や防災用品、消火器・消火用具などの大手。統合型リゾート(IR)建設着手によって注目を集めやすい銘柄と言えます。
“アミューズメント”を手掛けるカジノ関連株
最後に、カジノには必須とも言えるスロットやルーレット、現金計数機・メダル計数機などアミューズメント機器を手掛ける銘柄をご紹介します。
カジノ関連株の中でも出遅れ銘柄が見つかりやすいカテゴリと言えます。
[3625]テックファーム
テックファーム(3625)は、他の企業がビジネスやサービスについて抱えている問題を解消し、円滑にする「システムソリューション」が軸の会社です。
このテックファームのグループ会社であるPrism Solutions Inc.が、カジノフロア向けの決済ソリューションを展開していることから、カジノ関連銘柄として挙げられています。
また、日本金銭機械の紙幣識別機とモバイル決済ソリューションをカジノのアミューズメント機器に連動させるという発表もありました。
紙幣識別機としてカジノ関連銘柄である日本金銭機械との連携に注目していきたいです。
[6418]日本金銭機械
日本金銭機械(6418)は、紙幣識別機や硬貨計数機などの貨幣処理機械の大手企業です。
日本のパチンコ店で運用している一方、すでにアメリカではカジノ向けに運用しており、一定のシェアを確立しています。
すでにカジノでの実績があることから、日本のカジノでも運用されるのではないかと思われます。
また、テックファームとの連携もあり、カジノとは切っても切れない関連銘柄となっています。
[6457]グローリー
グローリー(6457)は国内の通貨処理機を初めて開発した会社で、国内シェア7割を誇っています。また、コインロッカーや認証・識別機も販売しています。
通貨処理機、つり銭機、両替機、カードシステム機、両替機などカジノの運営には欠かせない機器を扱っており、国内シェア7割というのも相まって、日本のカジノ建設に関わってくるのではないかと思われます。
[9766]コナミホールディングス
家庭用ゲームやカードゲームのイメージが強いコナミホールディングス(9766)ですが、実はアメリカ・オーストラリアをはじめとする世界各国で、カジノ向けアミューズメント機器を展開しています。
カジノ事業は、地域ごとに最高位の健全性・適格性等の審査に合格し、ゲーミングライセンスを取得する必要があり、現在コナミHDは405のライセンスを取得しています。
また、スロットマシンの情報や顧客情報、会計などの管理をリアルタイムで行う「SYNKROS(シンクロス)」というカジノ向けマネジメントシステムも展開しており、カジノへのノウハウ・実績ともに申し分ない企業です。
間違いなくカジノ関連銘柄として本命の立ち位置ですが、時価総額が大きいので日本でのカジノ建設による大幅な上昇は期待できません。安定的に資産を運用したい方向けの銘柄となっています。
カジノ関連株の波を掴む“おすすめツール”
いよいよ現実味を帯びてきた、日本初のカジノを含んだIR施設。
今後も計画が進むに連れて株式市場で盛り上がりを見せることは間違いありません。
そんなカジノ関連株の波を掴むためにもオススメするツールが「投資顧問」です。
無数にある銘柄から有望株を探し出す銘柄選定は、個人投資家1人では最初の難関とも言えるほど骨の折れる作業でしょう。
しかし、投資顧問を活用することで、投資のプロが見定めた”これから上昇が期待できる有望株”を受け取ることができるため、これまでとは一線を画した投資を実現することができます。
また、保有中の銘柄はもちろんのこと、検討中の銘柄についても相談することができ、アナリストの分析・見解を自分の投資に取り入れることで“質”の向上が期待できます。
作業時間の短縮、投資のスキルアップのためにも、ぜひ一度プロの力を借りてみてはいかがでしょうか?