海運株(コンテナ船関連銘柄)の今後の見通しは?【2022年最新版】

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株式市場で海運株(コンテナ船関連銘柄)が買われ強い値動きとなってきています。

2021年に入ったあたりから海運大手3社「日本郵船(9101)・商船三井(9104)・川崎汽船(9107)」あたりを買われていた方は結構なプラス収支となられていたりするかと思いますが、今からまだ買っていいものか?とこれから海運株を買ってみようか考えられている方も多いのではないでしょうか。

船関連ということで倉庫関連株まで買われる流れとなってますが、今回はテーマ株「海運関連銘柄」について、なぜ買われているのかであったり今後の見通しなどについてまとめご紹介してみたいと思います。

投資妙味のありそうな銘柄をお探しの方は是非、最後までご参照になってみて下さい。

なぜ海運株(コンテナ船関連銘柄)の株価が上昇しているのか?今後どうなる?

海運株(コンテナ船関連銘柄)の株価上昇を目にし、なぜ買われているの?って人もいるかと思いますが、海運株は新型コロナウイルスの影響によりコンテナ不足となったことで運賃が急騰し、著しく業績が拡大したことが大きな買い材料となっています。

特に海運大手3社(日本郵船、商船三井、川崎汽船)はコンテナ部門を統合し2017年7月に設立した共同出資会社「ONE(オーシャン・ネットワーク・エクスプレス)」が大きな利益を稼ぎ出しており、その結果3社の業績も物凄いことになっています。

コンテナにつられ原材料輸送を行うドライバルク船や自動車船も運賃上昇がみられるようですが、経営状況が一気に良くなったことが株価にも反映されてきている感じですね。

参照:日本郵船の連結業績推移(単位:億円)
決算期 売上高 営業益 経常益 最終益
2019年3月期 18,293.00 110.85 -20.52 -445.01
2020年3月期 16,683.55 386.96 444.86 311.29
2021年3月期 16,084.14 715.37 2,153.36 1,392.28
2022年3月期予想 22,000.00 2,650.00 9,300.00 9,300.00

経常利益のうちコンテナ船事業が占める割合は日本郵船が72%、商船三井が85%、川崎汽船が95%ほどとなるようですが、日本郵船の業績推移を見ると2021年3月期に著しく業績を拡大し、2022年3月期も前年を大きく上回る見通しとなっていますね。

また、好業績に伴い増配や復配が行われてきており、高い配当利回りやPERの低さも大きな魅力となっています。

海運株(コンテナ船関連銘柄)は2022年も上がる?今後の見通しは?

業績拡大に伴い株価を上げてきていますが、海運関連株は「市況関連株」に分類されるので注意が必要です。

市況関連株は売上と利益が循環的に上下するのが特徴として挙げられ、景気敏感株(シクリカル銘柄)と言われたりもしますが、航空会社がコロナの影響により業績を落とし株価を下げたように、海運株もコロナの影響が落ち着きコンテナ船の運賃価格が正常化することとなれば、株価も今後の見通しを織り込みにいくことが予想されます。

市況関連株は好景気で株価が何倍にもなったりしますが、その逆もあるので景気の流れをしっかりと見通すことが大切です。

日本郵船の丸山徹執行役員が“中国の春節(2022年2月)まではコンテナ船の混雑状況は緩和されないと見ている”と記者会見で述べられたようですが、新型コロナウイルスの感染者数が減少し、混和状況が緩和されてくることとなれば海運株人気も薄れるのではないかと思われます。

なので海運株(コンテナ船関連銘柄)を高値掴みし、急落・暴落に巻き込まれないように注意しましょう。

また、配当取りを意識した買いが入っていたりするかと思うので、配当落ちとなるタイミングで売られることも予想されそうですね。

海運株(コンテナ船関連銘柄)の急落・暴落を回避するには?

海運株の急落・暴落に巻き込まれることを回避したいと思われる方は、「バルチック海運指数」や「中国コンテナ指数」をチェックしておくことをおすすめします。

バルチック海運指数とは?
バルチック海運指数(The Baltic Dry Index=通称BDI)とは、国際的な海上運賃の指標となっている指数で、イギリスのバルチック海運取引所が1日1回算出し公表している。
中国コンテナ指数とは?
中国コンテナ指数(China Containerized Freight Index=通称CCFI)とは、上海の航運交易所が算出し毎週金曜日に公表している中国出しコンテナを対象とした運賃指数のこと。

バルチック海運指数チャートや価格は「TradingView」で見れ、CCFIのチャートは「Shanghai Shipping Exchange」で見ることができますが、不定期船・コンテナ船を主力とする企業の株価と連動性が高いとされているので、関連性がある銘柄を保有する際はしっかりと確認しておきたいところです。

バルチック海運指数と東証1部海運株の推移を表す画像

出典:【特集】次なる「海運株」を探せ(https://kabutan.jp/news/marketnews/?b=n202109080381)

上の画像を見るとバルチック海運指数と海運株の値動きが連動しているのが見て取れますね。

2022年1月末あたりからバルチック指数が上昇し、海運大手3社「日本郵船(9101)・商船三井(9104)・川崎汽船(9107)」の株価も強い値動きをみせてきていますが、海運株の急落・暴落を回避したいと思われる方は、連動性が高いとされる指数の動きをなるべく確認しておくようにしましょう。

海運株(コンテナ船関連銘柄)高配当利回りランキング

海運関連株としてはコンテナ船(定期船)事業を行う会社や倉庫事業を行う企業などが注目されてきているかと思いますが、今からまだ注目するとしたら配当利回りの高い銘柄でしょうか。

海運関連株の高配当ランキング上位10銘柄
銘柄名(コード) 株価(円) PER(倍) 配当利回り(%)
日本郵船(9101) 10,910 2.0 11.00
商船三井(9104) 9,920 1.9 10.58
乾汽船(9308) 2,423 6.1 7.72
NSユナイテッド海運(9110) 4,205 4.5 6.78
丸紅(8002) 1,215 5.3 3.72
住友倉庫(9303) 2,127 9.1 4.35
兵機海運(9362) 1,511 6.3 3.97
川崎汽船(9107) 8,230 1.5 3.65
飯野海運(9119) 864 9.1 3.36
伏木海陸運送(9361) 1,238 7.6 3.23

※株価、PER、配当利回りは2022年3月1日時点。

株式投資について書かれた本などを読むと、PERの適正水準は15~20倍程度と書かれていたりしますが、海運株は利益の変動が激しいので、単純にPERが低いから買いというわけではありません。

PERが低いに越したことはないかと思いますが、海運株は低PERよりも配当利回りの高い銘柄の方が人気を集めそうな印象でしょうか。

また、海運関連株と言っても必ずしも業績が著しく良いというわけではありません。

テーマ株は本命株が大きく買われるとテーマ性だけで関連株も買われたりしますが、しっかりと事業で儲けている銘柄に注目することが大切です。

海運株(コンテナ船関連銘柄)の本命株 日本郵船(9101)

9101 日本郵船のチャート

※時価総額:1兆8,553億円、PER:2.0倍、PBR:1.41倍、配当利回り:11.00%、信用倍率:5.12倍(2022年3月1日時点)

日本郵船(9101)は海運売上高で国内トップとなる会社です。

商船三井(9104)、川崎汽船(9107)とコンテナ船事業を統合して立ち上げた「ONE(オーシャン・ネットワーク・エクスプレス)」が利益の大半を稼ぎ出しています。

2022年2月3日に「2022年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」を発表していますが、今期の連結業績予想は純利益が前期比6.68倍の9,300億円となる見通し。

また、今期の期末配当を前回発表予想から400円増の1,000円とし、年間配当を1,200円(前期は200円)にすると併せて発表しています。

海運株(コンテナ船関連銘柄)の本命株と言えば日本郵船(9101)が挙げられるかと思いますが、海運関連株の中でも配当利回りの高さが際立っている印象なので、3月期末を控え強い値動きが予想されるのではないでしょうか。

商船三井(9104)が1:3の株式分割実施を発表しましたが、日本郵船も株価水準が高いので株式分割が発表されるのを期待したいところですね。

海運株(コンテナ船関連銘柄)の本命株 商船三井(9104)

9104 商船三井のチャート

※時価総額:1兆1,966億円、PER:1.9倍、PBR:1.12倍、配当利回り:10.58%、信用倍率:6.84倍(2022年3月1日時点)

商船三井(9104)は世界最大級の航路網、保有船を誇る会社です。

日本郵船(9101)、川崎汽船(9107)と同様に共同出資会社「ONE」が大きな利益を叩き出していることで同社の業績も絶好調となっています。

2022年1月31日に「2022年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」を発表していますが、今期の連結業績予想は純利益が前期比6.99倍の6,300億円となる見通し。

また、今期の期末配当を前回発表予想から250円増の750円とし、年間配当を1,050円(前期は150円)にすると併せて発表しています。

海運大手3社の中では川崎汽船(9107)の配当がやや低い印象ですが、日本郵船(9101)と商船三井(9104)はPER2倍以下で配当利回りが10%以上というのが魅力的な印象ですね。

株式分割が発表となりましたが、同社株も3月期末を控え強い値動きが予想されるのではないでしょうか。

今から買うならどの銘柄?海運株の次は?テーマ株の本命・出遅れ株を狙う上でおすすめの株情報サイト

今回は海運株(コンテナ船関連銘柄)について簡単にまとめご紹介してみましたが、いかがでしたでしょうか?

海運業は2021年から2022年にかけ投資家から注目を集めてきているセクターかと思いますが、海運関連株は12年~13年に一回ぐらいの周期で爆上げしており、今回もまだ上値追いの展開が期待されそうですね。

しかしながら、配当落ちとなったら材料出尽くしで利益確定売りに押される展開も予想されそうです。

なので海運株を今から買うならどの銘柄?と探られている方も多いかと思いますが、海運株の次にきそうなテーマ株を探っておくことも大切かと思います。

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ABOUTこの記事をかいた人

リョウジ

運営チーム統括。株式投資歴15年以上の30代後半。日々のマーケットの動きを注意深く観察し、リスク管理と長期的な視点を重視した投資戦略で収益は比較的安定。愛犬と過ごす時間を大切にしており、散歩の時間は長め。投資家仲間や友人と情報交換を行いながら、常に最新の市場トレンド、株式テーマをキャッチアップし、短期トレードの儲けのコツ「テーマ株・材料銘柄投資」に関する役立つ情報をご紹介しています。