「全ての交通機関を一貫するサービス」として注目されてきている「MaaS(マース:Mobility as a Service)」ですが、英国の調査会社「ジュニパーリサーチ社(Juniper Research)」発行の「MaaS(Mobility as a Service)-ビジネスモデル、ベンダー戦略、市場予測:2020年~2027年」によると、MaaSプラットフォームを使用し生み出される収益は、2020年の4億500万米ドル(約433億円)から、2027年までに520億米ドル(約5兆5640億円)を超える見通しのようです。
2020年、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により交通量が大幅に削減されることとなりましたが、2021年以降には劇的な成長が実現すると予測されています。
「MaaS」を最初に提唱したのはフィンランドのようですが、中国、アメリカ、ドイツ、イギリス、フィリピンなど、世界各国で導入が進められてきていて、日本ではトヨタ自動車(7203)とソフトバンクグループ(9984)が共同で設立したMaaS会社「MONET Technologies」や、JR東日本(9020)が2020年1月16日より提供を開始したMaaSアプリ「Ringo Pass」などが話題となり注目されてきている感じでしょうか。
経済産業省と国土交通省により「スマートモビリティチャレンジ推進協議会」が設立され、全国各地におけるMaaSの実証実験は新たなモビリティサービスとして支援され“国策”として取り組まれてきていることから「国策テーマ」とも言えるMaaSですが、自動運転やIoTといった人気テーマとの関連性も持っており、材料が豊富で息が長そうなので、中長期的に注目したいテーマ株ではないでしょうか。
このページでは、MaaSにおける基礎知識や、MaaS関連銘柄として急騰を見せた「ジョルダン」を振り返り、2020年注目のMaaS関連銘柄の本命株などについてまとめてみたいと思います。
今後また注目されてくるであろう出遅れ株や値動きの大きい銘柄に素早く反応するためにも、改めてMaaS関連銘柄について知りチェックしてみましょう。
目次
MaaS(マース:Mobility as a Service)とは
MaaS(マース:Mobility as a Service)とは、ITを活用してあらゆる交通手段をパッケージ化し、目的地までの最適な移動手段を一括で検索・予約・決済できるサービスです。
「MaaS」を最初に提唱し、MaaSという概念の生みの親とされているのは、フィンランドのベンチャー企業「MaaS Global社」の創設者でありCEOの「Sampo Hietanen(サンポ・ヒエタネン)」氏であり、同社は世界初の本格的なMaaSプラットフォーム「Whim(ウィム)」を提供する会社として知られています。
MaaSアプリの「Whim」は2017年11月にフィンランドの首都ヘルシンキにてサービス開始となりましたが、日本では2019年12月に、千葉県の「柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)」を始めとし様々なパートナーと共にプロジェクトが開始され、2020年中の本格的な導入を目指しているようです。
Whimはバスやタクシーやカーシェアなど、様々な交通手段を組み合わせ最適な移動を提供する“世界初の交通サブスクリプション(月額定額制)”が特徴ですが、日本でもサービス導入が進めば、その便利さが話題となりまた「MaaS関連銘柄」が注目されてくるかもしれませんね。
※日本におけるMaaSの実証実験にはトヨタファイナンシャルサービス、デンソー(6902)、あいおいニッセイ同和損保、三菱商事(3058)、三井不動産(8801)などが出資しています。
日本で「MaaS」という言葉が広まったのはトヨタ自動車の「豊田章男」社長が2018年1月に行われた米電子機器見本市「CES」にて自動車を製造する会社からモビリティサービスを提供する会社へと転身することを宣言してからかと思いますが、この概念により、自動車は「所有する“モノ”」から「利用する“サービス”」へ変化するとも言われています。
ここでは、まずMaaSに関する基礎知識と、MaaS関連銘柄とセットで監視したい関連テーマをご紹介します。
MaaSとは「全ての交通機関を一貫するサービス」
MaaS(マース:Mobility as a Service)とは、簡単にまとめると、鉄道、バス、タクシー、レンタカーといった従来の交通サービスはもちろんのこと、カーシェアリングや自転車シェアリングといった新しい交通サービスも含めて統合し、目的地までのルート検索・予約・決済を一括で行うサービスです。
マイカーの保有率が年々減少する中、自動車を「所有する”モノ”」から「利用する”サービス”」として考える新しい概念と言えます。
MaaSのメリットとしてはこれまで乗り降りのたびに決済を行っていた手間がなくなり、駐車場のスペースも必要なく、環境負荷も低減させることができるという点が挙げられています。
導入が進み普及するにはまだ時間を要しそうですが、ニーズ・注目度を見る限りスピードを増して普及していくことが予想され、2020年はフィンランド発のMaaSアプリ「Whim(ウィム)」の日本上陸により「MaaS元年」となるかもしれません。
MaaS関連銘柄は、IoTや自動運転とも関連する「国策テーマ」
MaaS関連銘柄の注目の理由は、そのニーズの高さだけではありません。
国土交通省と経済産業省が、IoTやAIを活用したMaaS実装に向け「スマートモビリティチャレンジ推進協議会」の設立や、MaaSをはじめとする全国各地の新たなモビリティサービスの実証実験の支援を行ってきており、本格的に”国策”として取り組んできています。
つまり、MaaS関連銘柄が国策テーマであることも人気の理由と言えるでしょう。
また、前述したように「IoTやAIを活用したMaaS実装」を目的としており、将来的には配送車が無人で迎えに来たり、スマホで車の現在地を確認できるといった、自動運転やIoTとの連携も期待されています。
IoTや自動運転といったテーマは息が長く、株式市場でも毎年注目されてきている株式テーマです。
これらのテーマと関連を持っているということは、もちろん各テーマの材料で動意づく可能性も充分にあるということ。
なのでMaaS関連銘柄を分析する際は、IoT・自動運転関連銘柄もセットで確認し把握しておくといいかもしれません。
MaaS機能を搭載した“乗換案内”で「ジョルダン(3710)」に物色
ジョルダンは、経路探索ソフト「乗換案内」などのソフトウェア開発を手掛けており、Googleマップに時刻表データを提供している会社です。
2018年7月にMaaS事業を展開するための子会社「J MaaS」を設立し、2019年1月にイギリスの公共交通チケットサービスを提供しているMasabi(マサビ)社と日本における総代理店契約を締結と、MaaS関連の材料を発表してきていますが、「乗換案内」で培った豊富なデータを活かし、プラットフォーマーとしてMaaS事業に注力していく考えを表明していることなどから、MaaS関連銘柄の本命株として注目されてきています。
ジョルダンは2019年5月、新モバイルチケットの提供を開始するとの発表から、2019年3月26日を境に急騰しました。
「乗換案内」アプリ内に決済機能を追加し、交通や施設などの各種チケットを購入・管理管理できる「チケットウォレット機能」を搭載するとしていましたが、英Masabiが提供するモバイルチケッティングサービス「Justride」が導入され、スマホ上でチケットの予約・購入から乗車までをシームレスに行えるようになってきています。
チケットには「目視タイプ」と「2次元コード」が用意され、最初は目視タイプで運用を開始し、その後、2次元コードを使ったアプリ認証、最終的には専用読取機と、段階的に導入することができるようになっていたようですが、2020年1月29日、JR東日本(9020)がICカードとQRコードの両方を使える新型改札機の実証実験を新宿駅と高輪ゲートウェイ駅で実施することを発表していますね。
仮に、専用読取機が改札に追加されることとなった場合、ジョルダンは注目を集め、さらなる株価上昇も見込めるのではないでしょうか。
MaaSの統合度は、「レベル0:各交通手段や情報サービス(運賃表、時刻表等)が独立して提供される状態」、「レベル1:情報サービスが統合された状態」、「レベル2:予約・決済等がワンストップで提供される状態」、「レベル3:複数の交通サービスがパッケージ化された状態」、「レベル4:まちづくりまちづくりとの連携や交通制御等により人とモノがコントロールされた状態」の5段階に分かれていますが、経路検索を手掛ける企業はMaaSの統合レベル向上の鍵を握っていると言えそうなので、ジョルダンはMaaS関連銘柄の本命株として今後の取引にも注目したい銘柄ではないでしょうか。
【MaaS関連銘柄】期待の本命株一覧
自動運転・IoT・キャッシュレスと、多くの人気テーマと関連を持つMaaS関連銘柄。
JR東日本(9020)やジョルダンの子会社「J MaaS」と2019年12月に資本・業務提携した電通グループ(4324)など、時価総額の大きな銘柄が多い印象ですが、これから物色されてきそうな出遅れ銘柄に素早く仕込むためにも、どのような会社が本命株として見られているのか把握しておきましょう。
MaaS関連銘柄 駅探(3646)
駅探は、個人向け「駅探・乗り換え案内」や法人向けASPサービス「駅探ASPサービス」を提供している会社ですが、2019年10月に「富山県射水市、高岡市、氷見市との観光型MaaSに向けた実証実験の開始」を発表していて、2020年の実用化を目指しています。
ジョルダン同様、乗り換え案内系のサービスを提供しており、各交通機関と連携して一括決済が可能になればMaaSを実現できることから、MaaSの実現に近い企業として株式投資界隈で注目されています。
会社自体もMaaSに積極的な姿勢を見せており、時価総額もそこまで大きくないため、テーマ株として面白い値動きが期待できそうな銘柄かもしれません。
MaaS関連銘柄 ディー・エヌ・エー(2432)
ディー・エヌ・エーは、「モバゲー」の運営やEC事業、スポーツ事業等を手掛ける会社ですが、タクシー配車アプリ「タクベル」や、個人間カーシェアサービス「Anyca(エニカ)」等を展開しており、タクシーやカーシェアリングはMaaSを構成するサービスのひとつであることからビジネス機会が広がることが期待されます。
また、MaaS分野における技術開発を行う横断組織「モビリティインテリジェンス開発部」の発足を発表していることから、MaaS関連銘柄として注目されてきています。
中でも注目されてきているのが、日産(7201)と共同で開発している「Easy Ride」でしょうか。
Easy Rideは、利用者が”行きたい場所”を指定すると、最寄りの「仮想停留所」に無人自動車が訪れ、目的地まで連れて行ってくれるサービスです。
youtubeでコンセプトムービーが公開となってますが、このサービスが実現されれば移動がとても楽になりそうですね。
2019年2月~3月にかけ横浜でEasy Rideの実証実験が行われてきていますが、”無人配車MaaS”として今後の展開が注目されています。
MaaS関連銘柄 トヨタ自動車(7203)
トヨタ自動車は、傘下に日野自動車やダイハツ工業などを持つ自動車世界大手です。
ソフトバンクグループ(9984)と共同でMaaS会社「MONET Technologies(モネ・テクノロジーズ)」を設立していることから、MaaS関連の本命株として見られています。
2019年3月に、日野自動車と本田技研工業も参画しており、最終目標は「日本で走っている車のデータをすべて集約したい。」としています。
この2社のコンビは、MaaSにおけるハードとソフト、各分野のトップが組んだ最強タッグと言っても過言ではなく、株式市場でも大きな話題となっています。
MaaS関連銘柄を監視する上で、この両社は絶対に目が離せない存在と言えるでしょう。
また、「MONET Technologies(モネ・テクノロジーズ)」は「自動運転を見据えたMaaS事業開発」や「MaaS普及に向けた環境整備」を活動目的とした企業間の連携を推進する「MONETコンソーシアム」を設立していますが、その加盟企業は500社を突破し、2020年5月12日時点で547社となっています。
ブレインパッド(3655)、ユビキタス AIコーポレーション(3858)、PKSHA Technology(3993)、アイサンテクノロジー(4667)、日本エンタープライズ(4829)、イード(6038)、レシップホールディングス(7213)、サンオータス(7623)、ゼロ(9028)、長大(9624)、スマートバリュー(9417)、MRT(6034)、両毛システムズ(9691)など、上場会社がたくさん名を連ねていますね。
MaaS関連銘柄 小田急電鉄(9007)
小田急電鉄は、東京から神奈川を結ぶ大手私鉄会社で、新宿を拠点に3路線120キロ超を展開しています。
経路検索サービス「駅すぱあと」を手掛けるヴァル研究所と共に、鉄道やバス、タクシーなどの交通データや電子チケットを提供するためのデータ基盤「MaaS Japan」を開発する意向を発表したことで、MaaS関連銘柄として注目されるようになりましたが、2019年10月末、「MaaS Japan」を活用したMaaSアプリ「EMot(エモット)」のサービス提供が開始となりました。
EMotの複合経路検索機能では、「鉄道」、「バス」、「タクシー」、「シェアサイクル」などを組み合わせた経路検索を行うことができ、連携しているアプリやサイトへ遷移し、クレジットカードでモビリティサービスの予約・決済も行うことが出来ます。
MaaS関連銘柄 東日本旅客鉄道(9020)
東日本旅客鉄道(JR東日本)は、関東・甲信越から東北までの広範囲をカバーする国内最大の鉄道会社です。
2019年3月、移動のための情報・購入・決済を一括して行える「モビリティ・リンケージ・プラットフォーム」の構築を目指すため「MaaS事業推進部門」を設立したことを発表しました。
また、Suicaとスマートフォンアプリを連携させたMaaSサービス「Ringo Pass」の実証実験や小田急電鉄とMaaS分野での連携を検討するとの発表もあり、MaaS事業に積極的に取り組んできています。
JR東日本の都市型MaaSアプリ「Ringo Pass」は2020年1月16日にi-Phone版アプリがリリースされ一般に公開して実証実験が行われていますが、国内トップの電子マネー「Suica」を持つJR東日本は、Suica一つであらゆる移動の購入・決済ができるMaasサービスの実現に最も近い企業と言えるので、MaaS関連銘柄の中でも必ず抑えておきたい銘柄と言えるでしょう。
これから上がるMaaS関連銘柄を掴むには?
ここまで、注目されてきている「MaaS」に関連する銘柄などについてご紹介してきました。
日本でも実用化が進められてきている印象のMaaSですが、今後自動運転などとの組み合わせでさらなる市場の成長が期待できるため、比較的息の長いテーマとなると考えられます。
これからまた注目されてくるであろう「MaaS」ですが、MaaS相場を乗りこなすために、上手く活用したいサービスが個別銘柄に関する情報や旬なテーマ株を取り上げたりしてきている「投資顧問」です。
これまで1人で行ってきた銘柄選定を投資のプロに任せることができ、保有中・検討中の銘柄についても相談することができます。
日中、投資に充分な時間が当てられない兼業投資家はもちろんのこと、経験者でも役立つ情報が盛りだくさん。
今時はネット上で情報を集めやすくなり、人気サイトが取り上げた個別銘柄に物色人気が向かうケースも珍しくない印象ですが、少しでも“投資の質を上げたい”と思われる方は“利用者が多そうでテーマ株の急騰を予想し当ててきている株情報サイト”の配信情報を日々チェックしておくといいと思います。
テーマ株投資に役立つ!オススメの株情報サイト【新生ジャパン投資】
「新生ジャパン投資」は、かつてラジオNIKKEI第1で毎週火曜に配信していた株式情報番組「株教室」(※現在は放送終了)でコメンテーターをしていた株の大魔神『高山緑星』こと「前池英樹」が代表を務めている株情報サイトです。
株初心者の方はご存じないかもしれませんが、20年以上にわたり数多くの大化け銘柄を輩出し続け、相場界のレジェンドとまで言われているのが『高山緑星』こと「前池英樹」です。
証券コード | 推奨銘柄 | 配信時株価 | 高値 | 推移 |
---|---|---|---|---|
5595 | QPS研究所 | 943 | 4,975 | 3ヵ月で5.27倍 |
3778 | さくらインターネット | 2,160 | 10,980 | 2ヵ月で5.08倍 |
5586 | Laboro.AI | 686 | 2,999 | 5ヵ月で4.37倍 |
7003 | 三井E&S | 691 | 2,898 | 3ヵ月で4.19倍 |
4011 | ヘッドウォータース | 6,320 | 20,490 | 5ヵ月で3.24倍 |
2970 | グッドライフカンパニー | 1,590 | 5,090 | 6ヵ月で3.20倍 |
3744 | サイオス | 412 | 1,285 | 1ヵ月で3.11倍 |
2160 | ジーエヌアイグループ | 1,390 | 3,865 | 7ヵ月で2.78倍 |
5285 | ヤマックス | 718 | 1,985 | 7ヵ月で2.76倍 |
4107 | 伊勢化学工業 | 8,080 | 20,750 | 7ヵ月で2.56倍 |
上記のような大化けを見せた銘柄はなんと無料で閲覧できる【朝刊】にて「本日の無料推奨銘柄」として紹介されていた銘柄です。
テーマ性を重視することで比較的短期間での上昇が狙える銘柄も多く、無料配信ながら上記のような大化けをするケースも。上記は極端かもしれませんが他にも比較的高いパフォーマンスとなっており、無料でチェックするには十分すぎる結果を残していると言えます。
ここまで相場の流れに上手く乗れていないと少しでも思われる方は、相場の流れに沿ったテーマ株を配信してきている「新生ジャパン投資」のような株情報サイトをチェックしておくことをオススメします。
株は“その時々の強いテーマ株を上手く狙えるかどうか”で日々の収支が大きく違ってくるかと思いますが、世の中が大きく変わった2020年、2021年にかけてだとコロナウイルス関連銘柄(ワクチン関連株・バイオ株)や、ウィズコロナ関連銘柄(テレワーク関連株や巣ごもり消費関連株など)、そして2023年生成AIが人気化したことをきっかけとしたAI関連株全般など、上手く狙えた人と狙えなかった人とで大きく収支の差があるのではないでしょうか。
テーマ性の流れに沿った銘柄を上手く狙えた方は結構な利益を得れているのではないかと思いますが、今後これからまた色々とテーマ性を強めてくる銘柄はあるかと思うので、効率良く期待値が高い情報を集め収益性が高いテーマ株投資をしていきたいと思われる方は、「新生ジャパン投資」のような業界で著名な方が顔を出していて、利益に繋がる銘柄情報を配信してきているサイトをチェックしておくのがベターかと思います。
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