NFT(非代替性トークン)・デジタルアート関連銘柄(日本企業)

仮想通貨と共に「NFT」が世界的に盛り上がりをみせてきており、NFT化されたデジタルコンテンツが高額で取引されたというニュースが続けて流れるなど、急激に成長が加速してきています。

Twitterの創業者ジャック・ドーシー氏が初めて投稿したツイートがオークションで約3億円で落札されたり、デジタルアーティストBeepleの「The First 5000 Days」が米老舗オークションハウスのクリスティーズでなんと6900万ドル(約76億円)もの超高額で落札された他、日本人のVRアーティスト、せきぐちあいみさんのVRアートが1300万円で落札される等々、驚くべき価格でNFTアートが取引されてきています。

なぜこんなに高額な値が付くのかと言うと、「NFT」は本来簡単に複製できるデジタルコンテンツを「世界に一つだけ」のものにすることが出来るからです。

これにより、コレクターをはじめ、“投資手段”としてアートの可能性を感じた投資家を中心に取引が拡大することとなっています。

NFTは2018年頃から広がりをみせはじめ、アート、音楽、ゲーム、映像やSNSの投稿まであらゆるデジタルコンテンツをNFT化することが出来ます。

今後、NFTを活用したビジネス展開として、ブロックチェーンを活用することで代替不可能であるという特徴を生かし、身分証明が必要な分野、著作権・アートの分野で、より実用化が進んでいくと思われます。

今回はデジタルコンテンツの信頼性を高める事ができ、これまでの物の価値を変えてしまう可能性があると注目されている「NFT」について解説し、NFT関連銘柄をいくつかご紹介してみたいと思います。

投資妙味のありそうな銘柄をお探しの方は是非、最後までご参照になってみて下さい。

NFT(非代替性トークン)とは?わかりやすく簡単に解説

NFTとはNon-Fungible Token(代替え不可能なトークン)の略であり、「ブロックチェーン」技術を使い発行・流通するデジタルデータの一種です

「代替え不可能」とは、例えば新幹線の指定席チケットで説明するとチケットには発車時間や乗車する号車、座席番号等の情報が含まれているので、他の乗車客のチケットとは異なる情報を含み「代替え不可能」なものとされます。

さらに「トークン」とは、ポイント、商品券など別の何かに替えられるモノと意味づけられています。

※ブロックチェーンについて深く知りたいという方は、フィンテック関連銘柄で解説しているので併せてチェックしてみて下さい。

2017.08.10

フィンテック・ブロックチェーン関連銘柄

つまるところ、NFTは偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータで、個々のデジタルデータの価値を支えています。

ちなみにビットコインなどの仮想通貨(暗号資産)もブロックチェーン技術を用いた通貨ですが、NFTが非代替性トークンであることに対して仮想通貨はFT(Fungible Token 代替性トークン)と分類されています。

同じ仮想通貨ならば同じ価値とするFTに対して、NFTは偽造を許さない所有証明書に相当する情報(時間、識別番号など)が記録されていて固有の価値を生み出します。

NFTは鑑定書と所有証明書に相当する情報が偽造を許さぬ状態で保管し、いつでも誰もが参照できるデジタルデータとなります。

先述のTwitter創業者、ジャック・ドーシーのNFTが超高額で落札されたのは“創業者が初めてツイートしたものに本人が鑑定書をつけた証明付データだから”です

NFT(非代替性トークン)の特徴

「偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータ」であるNFTは大きく3つの特徴を持っています。

NFTの特徴1.取引の可能性

従来、デジタルデータの殆どはサービスを行う企業のサーバー内で所有権(オーナーシップ)が管理されていますが、これに対し、NFTはブロックチェーン上に明記されていることから、所有者はビットコイン等の暗号資産と同じく、自身のNFTを自由に移転することが可能となります。

これにより、企業はもちろん大きく言うと国などの枠組みに捉われず自由な取引が行えます。

NFTの特徴2.プログラマビリティ

NFTは付加機能をデータに付与出来ます。

転売される度に作成者にマージンが入るようにしたり、施設での音楽使用手数料を自動で支払われる仕組みを付与したりする事が出来ます。

これによりJASRACのような著作権管理団体がなくとも自動で決済する事ができます。

今後、それ以外にも今までになかったサービスや、新しいインセンティブの仕組みが登場する可能性があります。

NFTの特徴3.相互運用性

NFTは共通規格によって定められており、この規格で発行されたサービスで確認・利用することが出来ます。

これにより、様々なECサイトや複数のウォレットでの利用が可能になります。

なお、NFTのブロックチェーン規格は「ERC721」というイーサリアムベースの規格になります。

NFT(非代替性トークン)とゲームやアート

NFTの特徴を踏まえてNFTの活用として注目を集めているのが、「ゲーム」や“所有者の証明、真贋証明”が必要な「アート」「コレクター品」の分野です。

ゲーム分野ではゲーム内で取得したキャラターやアイテムが、次回作や他のゲームで使用出来たり、AppleやGoogleなどプラットフォームに決済手数料を支払うことなくデジタルアイテムを販売出来たりします。

日本のメーカー「double jump.tokyo」が提供する人気ゲーム「My Crypto Heroes(マイクリプトヒーローズ)」は、ブロックチェーンゲームの代表的な存在で、手に入れたレアキャラクターやレアアイテムが高額販売されていたりします。

My Crypto Heroes(マイクリプトヒーローズ)の画像

従来のスマホゲームはサービスが終了したらそれで終わりとなってしまいますが、ゲームにかけた時間やお金が無駄に終わらず資産になるというのはいいですね。

一般的なスマートフォンゲームと比べると数が少なくまだまだ発展途上ですが、大手メーカーの参入表明も続いており、これから市場の成長が期待される分野です。

大手メーカーがNFT関連ゲームを発表してきたらまた話題となってくるのではないでしょうか。

「アート」、「コレクター品」の分野でNFTが注目されているのは、「デジタルデータの本物とコピー品を区別することが出来る」「限定品としてのレアリティを付加出来る」というところです。

今まで簡単だったデジタルデータのコピーを困難なものにし、データの真贋(本物とにせ物)、および所有権を保証する事が出来ます。

また、転売も自由に行うことが可能で取引後に所有者情報が更新されるようになっています。

この新しいアートが投資家心理やコレクター心理をくすぐり、先述の高額販売されたデジタルアートの他にも、仮想世界の土地が高額販売されたり、ファッションブランドGUCCIがNFTアートオークションに出品し話題となったりしてきています。

グッチがNFTアートオークションに出品した作品の画像

GUCCI Aria 出典:CHRISTIE’S(https://onlineonly.christies.com/s/proof-sovereignty-curated-nft-sale-lady-pheonix/gucci-est-1921-6/121268?ldp_breadcrumb=back)

GUCCI(グッチ)がイギリスのオークションハウス「CHRISTIE’S(クリスティーズ)」主催のNFTオークション「PROOF OF SOVEREIGNTY(プルーフ オブ サブランティ)」に出品したNFTアート作品は、ブランドの創設100周年を祝ったコレクション「ARIA」で使用したデジタルアニメーションをベースとした映像のようですが、このNFTアート作品の入札開始価格は2万ドル(約218万円)でした。

NFTによりデジタル作品に“世界に一つだけ”という価値を付加できるようになり、NFTアート作品は今後さらに色々と増えていきそうですね。

NFTアートに興味がある方は実際にOpenSea(オープンシー)等のマーケットプレイスを覗いてみてはいかがでしょうか。

NFT関連事業を行う注目の銘柄・日本企業は?

仮想通貨の高騰に続いて動意づいてきたNFT。

2020年10月22日に決済大手のPayPalが暗号資産業界への参入を発表し、暗号資産市況は急激な盛り上がりを見せ、時価総額は5倍近い160兆円に達しました。

NFT自体はブロックチェーン上のデジタルデータに資産としての価値を持たせるものとして今後、注目されてくることが予想されるテーマです。

NFT関連銘柄 gumi(3903)

3903 gumiのチャート

gumi(3903)はスクウェア・エニックス(9684)のスマートフォンゲーム、ファイナルファンタジーシリーズの共同開発などを行っているゲームメーカーです。

ここ数年はNFT関連企業に積極投資を行っており、ブロックチェーンゲームとして取引量で世界1位を記録した「MY CRYPTO HEROES」を運営するdouble jump.tokyo、世界最大のNFTマーケットプレイスOpenSeaや、NFTのブロックチェーン規格の多くはイーサリアムが使われていますが、他のブロックチェーンを開発している海外企業など幅広く投資を行っています。

新規事業としてVRコンテンツ開発も検討しており、人気テーマに複数絡んでいる事から思惑銘柄として度々注目されてきています。

2019年4月期は赤字だったものの2020年4月期は黒字に浮上し、2021年最終利益は18.35億円の黒字となりました。

2022年4月期は3Q時点で51.29億円もの赤字となってしまっていますが、XR事業やブロックチェーン事業が収益化できてくるかどうかといったところでしょうか。

現状は「モバイルオンラインゲーム事業」が主力の銘柄となりますが、NFT事業に積極的に進出していますのでNFT銘柄として頭に入れておきたい銘柄と言えるでしょう。

NFT関連銘柄 スクウェア・エニックス・ホールディングス(9684)

9684 スクウェア・エニックス・ホールディングスのチャート

大手ゲームメーカーのスクウェア・エニックス・ホールディングス(9684)はNFT関連銘柄としても注目すべき企業です。

2021年3月17日にブロックチェーン技術を活用したコレクター向けNFTデジタルシールをdouble jump.tokyoと共同開発し、2021年夏に販売すると発表しました。

ブロックチェーンとデジタルエンタテインメントの親和性に注目し、今後ゲーム内などでのユーザー間コミュニケーションの活性化などの可能性を模索するとともに、それらを通じた新たなデジタルエンタテインメントコンテンツの創出やビジネスモデルの構築を目指すとの事です。

日本を代表するゲームメーカーでドラクエシリーズ、FFシリーズなどヒット作を多数抱えていますのでNFTとの親和性も高く、大きな期待が寄せられます。

2022年3月23日にLINE傘下の企業「LVC」がNFTコンテンツ取引所「LINE NFT」を開設することを発表しましたが、スクウェア・エニックスは吉本興業などとこのNFT(非代替性トークン)を使ったデジタルコンテンツの流通サービスに協力し、ゲームのキャラクターを使ったデジタルコンテンツを販売する予定のようです。

「LINE NFT」は2022年4月13日からサービス開始予定のようで、100種類以上のデジタルコンテンツが販売される予定のようですが、利用者が9000万人超もいる対話アプリが活用されることで、NFTはより身近なものとなっていきそうですね。

NFT関連銘柄 マネックスグループ(8698)

8698 マネックスグループのチャート

マネックスグループ(8698)は仮想通貨取引所を運営しているコインチェックを子会社にもっています。

そのコインチェックが2021年3月24日に日本では初めてのNFTマーケットプレイス「コインチェックNFT(β版)」の提供を開始しました。

まずはNFTゲームを取り扱い、今後はアートやスポーツなど幅広い分野に拡大していく予定だそうです。

NFTの売買にはBTC、ETHを含む13種類の暗号資産が利用でき、従来高騰している取引手数料が無料としています。

「コインチェックNFT(β版)」は開設後1週間で1万2000人を突破し、ブロックチェーンゲームのNFTカードに30万円の価格がつくなど盛り上がりを見せています。

仮想通貨の価格上昇で買われ、暴落すると同社株も売られ下落する傾向があるので、値動きに注意しながら押し目を丁寧に拾いたいところです。

NFT関連銘柄 メディアドゥ(3678)

3678 メディアドゥのチャート

メディアドゥ(3678)は2019年からブロックチェーン技術の基盤開発を進めていたようですが、2021年4月12日に出版取次大手のトーハンと共同で出版物の付録として、NFTを活用した「デジタル付録」のサービスを年内目標で開始すると発表。

KADOKAWA、講談社、集英社、小学館などの出版社がこの仕組みを利用した施策の検討を行ってきています。

今までも雑誌などにデジタル付録はついていましたが、これをNFTでコレクション対象の限定コレクター品として価値を上げ、全国の書店の活性化を図るDX施策としています。

購入者はNFTデジタル付録をコレクションしたり、売買したり新たな楽しみ方が可能になります。

NFTデジタル付録にあわせてユーザー同士で鑑賞や売買が行える「メディアドゥNFTマーケットプレイス(仮称)」も同時に開始する予定としていましたが、2021年10月12日に、ブロックチェーン技術を基盤とするメディアドゥ開発のNFTマーケットプレイス「FanTop(ファントップ)」のサービスが正式に開始となりました。

出版物に限らず、他にもトレーディングカード、フィギュア、映画の半券のようなアナログの世界でコレクションの対象とされていたアイテムをデジタル上での所有物、収集品として再現していくとし、国内エンタメ作品を幅広く応用させ、デジタル・アナログ両面からNFTコンテンツを展開していく事を目標としています。

NFT関連銘柄 Shinwa Wise Holdings(2437)

2437 Shinwa

Shinwa Wise Holdings(2437)は美術品のオークション運営の最大手企業です。

2021年3月17日にアート作品をNFT化する新規事業を開始すると発表しましたが、2021年6月から「hinwa Art NFT」を付加した作品をECサイト「Arte-X」にて取り扱っています。

アート作品を同社でNFT化したものを販売していくようです。

思惑銘柄として発表直後株価は大きく買われましたが、急騰後は売られ300円~400円台を推移してきていますね。

また関連IR発表で盛り上がりをみせてくる可能性がありそうなので、良さそうな押し目がないか今後の株価推移にも注目しておきたい銘柄ではないでしょうか。

NFT関連銘柄 メルカリ(4385)

4385 メルカリのチャート

フリマアプリを展開しているメルカリ(4385)もNFT市場に参入している企業の1つです。

同社は暗号資産やブロックチェーンに関するサービスの企画・開発を目的とした新会社「メルコイン」設立を2021年4月2日に発表しました。

ニュースで大きく取り上げられていましたが、メルコインはメルカリでの商品の売買にビットコインが使用できるようになる予定のようです。

また、スマートフォン決済サービスである「メルペイ」も暗号資産の管理機能などのサービスを計画しています。

これらのように暗号資産を投機的に捉えているのではなく、決済手段として活用できるよう構築を進めていくようです。

NFTについてもメルカリとの親和性は高いとし、新規の購買層の拡大を狙っているようでしたが、2021年12月16日、パ・リーグ6球団およびパシフィック・リーグマーケティングとNFT事業での連携を発表しています。

野球の名場面・メモリアルシーンをNFTでコレクションできるというのは面白そうなので、今後の展開にも注目しておきたいところではないでしょうか。

NFT関連銘柄 CAICA DIGITAL(2315)

2315 CAICA

CAICA DIGITAL(2315)は「ITサービス事業」や「金融サービス事業」を展開している会社です。

2020年12月、子会社である「eワラント証券」とともに国内外の暗号資産、主に有望なDefi(※金融分野におけるDApps)案件への投資を迅速に実行していくために、暗号資産及び暗号資産デリバティブへの投資を行うEWC匿名組合の運営する「暗号資産ファンド」に出資しており、アートへの投資を行うのと同時に、出口戦略として一般的な相対での売却の他にNFTの仕組みを活用した売却も視野に入れた、EWA匿名組合の運営する「アートファンド」への出資も行っています。

NFTのシステムは、当社子会社である「CAICAテクノロジーズ」が開発するブロックチェーンプラットフォームを利用するようです。

また、2021年10月19日にNFTに関連したIR『NFTプラットフォームの拡販に関するアライアンスを締結~画像認識サービス「GAZIRU」と連携~』を発表していますが、本プラットフォームでは利用者が自由にNFTを発行でき、発行したNFTを流通させることが可能のようです。

同社株はこれまで業績が赤字で自己資本比率が低いのが懸念材料となってきている印象ですが、2022年10月期最終利益は4.72億円の黒字で着地となる見通しのようなので、買い安心感がでてきたら面白そうな銘柄かもしれませんね。

同社株もNFT関連株の一つとしてしっかりと頭に入れておきたい銘柄ではないでしょうか。

まとめ:NFT関連銘柄の本命株や出遅れ株を上手く狙いたい人は?

ここまで、NFTとは何かについてや、これから注目されてくることが予想される「NFT関連銘柄」についてご紹介してきました。

現状は国内よりも海外で盛り上がりを見せていますが、いずれ日本でも本格的なNFTの波が訪れてくるのではないでしょうか。

2022年は利用者の多いLINEがNFT取引所を開設することで一段とNFTの普及が進むかもしれません。

NFT自体、まだ比較的新しいテーマかと思うので、鮮度の高い最新情報を日々キャッチしておきたいところですね。

あまり分からないまま飛びつくよりも、NFTやNFT関連銘柄について良く調べ投資先となる銘柄を選んでいくようにしましょう。

これから注目すべきテーマ株を見つける方法、NFT関連銘柄の本命株・出遅れ株を狙っていく方法としては、相場見通し・個別銘柄に関する情報などを随時配信してくれる「投資顧問(株情報サイト)」の活用がお勧めです。

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