株式市場における夏相場(7月~8月末頃)は“サマーラリー到来に期待”と言われたり“夏枯れ相場入りか”と言われたりで、今ポジションを増やしていいのか?それとも減らしておいた方がいいものかと迷われる人も多いのではないでしょうか。
「サマーラリー」も「夏枯れ相場」も夏相場における代表的なアノマリー・相場格言として多くの投資家に馴染みある言葉となっているかとは思いますが、当ページでは改めてこの2つの言葉の意味合いについて簡単にご説明し、“夏相場で上手く儲けるには?”について考えてみたいと思います。
2021年の夏相場はサマーラリーを期待し積極的に買いで入っていいものなのか?
夏相場で上手く儲けたい人におすすめの裏技テクニックについてもご紹介していますので、どうポジションを取るべきか迷われている方は是非、最後までご参照になってみて下さい。
目次
サマーラリー・夏枯れ相場の意味とは?期間はいつから?
ではまず先に「サマーラリー」や「夏枯れ相場」についてご存知ない株初心者の方もおられるかと思いますので、どういう意味合いで用いられている言葉なのかを簡単にご紹介したいと思います。
夏の代表的なアノマリー「サマーラリー」とは?
「サマーラリー」とは、“米国の株式市場において夏場(7月から9月頃)にかけ株価が上昇しやすいというアノマリー(経験則)”のこと、夏季休暇シーズンにかけて株高となる現象のことを言います。
「サマーラリー」という言葉が用いられるようになったのは実際にそうした現象が夏場にかけ良く見られてきているからこそかと思いますが、具体的には“7月4日の米国の独立記念日からレーバーデー(労働者の日)と呼ばれる9月の第1月曜日のまでの期間”を指すようです。
また、夏場にかけ株価が上昇しやすい背景としては“夏のバカンス(長期休暇)に入る前に投資家の多くがボーナスなどで株を買いだめするため”というのが理由として考えられています。
しかしながら、2016年から2020年の5年で見ると2018年と2020年はサマーラリーが実現し夏場に上昇が続きましたが、2016年、2017年、2019年は7月に上昇するものの8月に入り失速しています。
出典:日本経済新聞「米株式市場の風物詩 サマーラリーは今年も到来?(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOMC159ZQ0V10C21A6000000/)」
株式用語の「アノマリー」とは“理論的根拠はないが良く当たるとされる経験則のこと”を言いますが、サマーラリーを期待して買うならボーナスが入った投資家の買いを期待できそうな7月頭から中旬ぐらいにかけてが良さそうな感じですかね。
一般的には8月もサマーラリーの期間とされていますが、8月は夏枯れ相場入りとなってくる時期なので、投資リスクを考え高値掴みとならないよう注意しましょう。
夏の代表的な相場格言「夏枯れ相場」とは?
次に「夏枯れ相場」とは、“夏場にバカンス(長期夏季休暇)やお盆休みなどで市場参加者が減り相場が閑散とし値動きが鈍ること”を表した相場格言です。
夏枯れ相場の時期は薄商いとなり(取引が減り)、値動きが小さく、少しでもポジションの偏りがあると急騰や急落が起こりやすいとされています。
買い材料のある銘柄に短期資金が向かい大きく株価を上げるケースもあるかと思いますが、リスクを回避しようとする動き(現金化の動き)などから、株価が下落気味になりやすいとされています。
「サマーラリー」と「夏枯れ相場」は米国市場で生まれた言葉ですが、日経平均はNYダウの動きに連動しやすく、日本株でも同様の動きが見られてきていることから、日本でも馴染みのある言葉となっています。
日本では特に8月のお盆あたり(8月13日~8月16日頃)に相場が閑散とし「夏枯れ相場」の様相を強めることが多い感じですかね。
サマーラリーか夏枯れ相場か?2021年夏の株式市場はどうなる?
サマーラリーか夏枯れか?
それでは2021年夏このあとの株式市場はどうなりそうなのか?
日経平均株価の推移を見ると、2021年は7月に入り米国株安などで売り優勢となり、その後28,800円台まで回復するも再び売られ上値の重い展開となっていますね。
25日線と75日線を上抜けてくる展開を期待したいものですが、東京2020オリンピックが8月8日に閉会式を迎え、お盆期間となってくることや、新型コロナウイルスの感染者数が再び増えてきていることを考えると、しばらくは夏枯れ相場の様相が強まり不安定な相場展開となってくることが予想されそうですね。
東京2020オリンピックが終わったあとに新型コロナ・デルタ株が拡大するのではという警戒感が重しとなってきている気がしますが、目先は押し目狙いの買いは限られ27,500円あたりで底堅い動きとなってくるかどうかといった感じでしょうか。
買い材料より不安要素の方が多い印象なので、FRB(連邦準備制度理事会)や日銀がプラス材料となりそうな株価対策を発表してこなければ売り優勢の局面となってくるかもしれませんね。
しかしながら、米国ではコロナワクチンの普及により2021年の夏は昨年よりも高い消費動向が期待されています。
なので米国の経済活動が再び活性化し、米国株が強い値動きとなれば、日本株も連動して強い値動きをみせてくれるのでは…という展開を期待したいですね。
夏枯れ相場【2021年8月】の期間中に買い時の銘柄は?
指数インパクトの大きい値がさ株などはインデックス売買に振られやすいので、夏枯れ相場での取引を考えるならば、“決算内容が買い手掛かりとなってきそうな個別銘柄”をしっかりと見極めていきたいところでしょうか。
また、9月から10月にかけ権利確定日がある人気の株主優待銘柄は優待狙いの買いが入ってきやすい時期のようなので、夏枯れ相場での取引を考える際は、“個人投資家に人気がある株主優待を行っている銘柄”に注目してみるのもいいかもしれません。
夏枯れ相場の期間中が買い時?9月に株主優待の権利確定日がある銘柄
- 8591 オリックス
- 3397 トリドールホールディングス
- 9201 日本航空
- 6181 タメニー
- 2694 焼肉坂井ホールディングス
- 9202 ANAホールディングス
- 8601 大和証券グループ本社
- 9612 ラックランド
- 7412 アトム
- 8207 テンアライド
- 8005 スクロール
- 3167 TOKAIホールディングス
- 7550 ゼンショーホールディングス
- 4661 オリエンタルランド
- 1431 Lib Work
- 3185 夢展望
- 4765 モーニングスター
- 3099 三越伊勢丹ホールディングス
- 4665 ダスキン
- 7524 マルシェ
9月は3月に次いで1年で2番目に株主優待の権利確定日が多い月で、調べてみると2021年9月に権利確定日となっている銘柄数は413件もあるようです。
書ききれないのでざっと20件ほど株主優待の人気がありそうな銘柄を挙げてみましたが、他にも「テレビ東京ホールディングス(9413)」「コロワイド(7616)」「アクシアル リテイリング(8255)」「セキ(7857)」などまだまだたくさんあるので、夏季休暇中に時間がある方は“お得な株主優待”について色々と調べてみるといいかもしれませんね。
前年2020年のチャートを見ると、オリックス(8591)、トリドールホールディングス(3397)、日本航空(9201)など8月に入ったあたりから強い値動きをしているので、今年2021年も同様の動きを期待した買いが入ってくるかもしれませんね。
夏枯れ相場の期間中が買い時?10月に株主優待の権利確定日がある銘柄
- 9279 ギフト
- 8079 正栄食品工業
- 9603 エイチ・アイ・エス
- 3038 神戸物産
- 7856 萩原工業
- 8917 ファースト住建
- 2375 ギグワークス
- 7033 マネジメントソリューションズ
- 2345 クシム
- 7604 梅の花
- 2373 ケア21
- 9263 ビジョナリーホールディングス
- 9444 トーシンホールディングス
- 2910 ロック・フィールド
- 2301 学情
- 3329 東和フードサービス
- 7640 トップカルチャー
- 9824 泉州電業
- 1873 日本ハウスホールディングス
- 3361 トーエル
10月に株主優待の権利が確定する銘柄数は全部で35件ほどのようですが、こちらもざっと20件ほど挙げてみました。
その他「投資法人みらい 投資証券(3476)[東証REIT]」で株主優待としてホテル優待(対象ホテル宿泊料金の割引)があったりするようですが、チャートを見ると昨年2020年は8月に入ったあたりから10月頭頃にかけ株価を大きく上げていますね。
ギフト(9279)、正栄食品工業(8079)、エイチ・アイ・エス(9603)なども昨年は8月に入ったあたりから株価を上げていますが、優待狙いの買いが期待されそうな銘柄を狙う際は、“前年はどういう値動きをしていたか”など、これまでのチャートを参照してみるといいかもしれませんね。
サマーラリー期間や夏枯れ相場で上手く儲けたい人におすすめの裏技テクニック
それでは最後に夏枯れ相場で上手く利益を狙っていきたい方におすすめの裏技テクニックをご紹介したいと思います。
夏枯れ相場の時期は閑散とし、“少しでもポジションの偏りがあると急騰や急落が起こりやすい”とお伝えしましたが、この特徴に注目しおすすめの裏技としてご紹介したいのが“利用者が多そうな株情報サイトが配信している銘柄情報をトレードに上手く活用する”というテクニックです。
上の画像はラジオNIKKEI第1で放送されている株式情報番組「源太緑星株教室」でコメンテーターをしている高山緑星(本名:前池英樹)さんが代表を務めている『新生ジャパン投資』が配信した朝刊レポートの内容ですが、新生ジャパン投資は“ストラテジストが厳選した「最短即日」極短期急騰期待銘柄を、毎朝(市場営業日)の[朝刊]の中で必ず1銘柄を無料で提供”しています。
高山緑星(本名:前池英樹)さんは20年以上の長きにわたり数多くの大化け銘柄を輩出し続け、相場界のレジェンドと称されていたりするような人なので、そんな高い知名度と実績ある人が代表を務めている『新生ジャパン投資』は多くの投資家から注目されている株情報サイトだと思います。
そして、多くの人が利用されているのではないかと考えると、サイト内で取り上げられた個別銘柄に物色人気が向かいやすいのではいかと考えられ、ちょっとしたポジションの偏りで急騰したりする夏枯れ相場では特に配信された個別銘柄は出来高増となり流動性の高い値動きを期待できるのではないかと考えられる訳です。
上の画像は『新生ジャパン投資』が2021年7月27日の寄り付き前に「本日の無料推奨銘柄」として紹介した「Abalance(3856)」の7月20日から7月28日にかけてのチャートですが、画像を見ると7月28日の寄り付きがいつもより出来高増となり大きく買われているのが分かるのではないでしょうか。
なので利用者が多そうな新生ジャパン投資の配信情報をチェックしておけば、夏枯れ相場でも流動性(値動き)が増し出来高増となるのではと思われる銘柄で、しっかりと利益を狙えるのではないか?ということです。
「世界マーケット動向」や「本日の国内マーケット展望」や「本日のマーケットスケジュール」として決算発表を予定している銘柄も取り上げられているので、“要点を要領良くチェックしたい”という人にも良さそうですし、日々配信される情報に目を通しているだけで相場の流れを把握でき、材料株にいち早く気付けたりするかと思います。
夏枯れ相場で“どういう銘柄を選び”“どうトレードすればいいか分からない”という人も多いかと思いますが、今時はネットでトレードに役立つ情報を簡単に集めることができる時代なので、まだ『新生ジャパン投資』のような株情報サイトを活用しないでトレードされている方は、株用のメールアドレスを登録して、日々配信される銘柄情報などを試しにでも一度チェックしてみることをおすすめします。
7月末あたりから8月半ばあたりまで決算発表ラッシュとなりますが、好決算が予想される銘柄や好決算を発表した銘柄にも今後注目し、サイト内で取り上げてくるのでは?って気がします。